2019年7月19日に大江戸温泉リート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり2,380円のところ2,390円で着地しました。
尚、利益超過分配金12円が含まれています。
シンプルに物件を見る目無し

2019年5月期は新たな物件の取得は行われませんでした。大江戸温泉リート投資法人の運用会社によると環境省自然環境局「温泉利用状況」の推移からの推測により、消費動向が短期的に変化しがちななかで温泉に対する需要は比較的安定的に確保されているという背景を利用しテナントである大江戸温泉物語グループの運営能力もあり、2019年5月期末時点で保有する温泉・温浴関連施設14物件(取得価格の合計36,705百万円)の賃貸借の稼働率はマスターリース契約により100.0%を維持しています。また、2019年5月期における保有する14施設の客室稼働率は個別の施設において増減はあるものの、86.7%と前年同期間の実績を上回り安定的な高い水準で推移しました。
また、ADR、RevPAR及び売上高の2019年5月期実績も全て前年同期間の実績を上回りました。当期のテナント業績については、保有する14物件全体では、概ね安定した売上実績を残したものの、個別の施設における売上原価や経費も加味した利益面においては、投資法人の当初の想定とは差異が生じた部分もあったようで、最大物件である大江戸温泉物語レオマリゾート及び伊東ホテルニュー岡部のRevPARの改善が顕著である一方、団体客の集客に苦戦した鬼怒川観光ホテル及びエリア全体の入れ込みが相対的に低下し苦戦した大江戸温泉物語幸雲閣については、テナントである大江戸温泉物語グループと集客等の改善案を引き続き検討していくとしています。
上記の結果、全体としての変動賃料は前期比△1.0%とほぼ横這いとなりました。投資法人としては、引き続きテナント業績につき施設ごとの状況をモニタリングし、各施設の競合環境やマーケット動向、テナントの販売・運営方針等にも留意して、コミュニケーションを継続していくとのこと。
2019年5月期末に取得した鑑定評価額は、合計で40,392百万円となりました。前期末(2018年11月期)に取得した鑑定評価額との比較では、2019年6月1日より固定賃料の引き下げを決定している大江戸温泉物語レオマリゾートについては評価額が減少した一方で、同時に固定賃料引き上げを決定している鬼怒川観光ホテル、大江戸温泉物語きのさき、大江戸温泉物語長崎ホテル清風については評価額が上昇したこともあり、保有施設14物件全体としては310百万円の増加となりました。2019年5月期末におけるポートフォリオ全体の含み損益については、当該14物件の減価償却による帳簿価額の低下もあり含み益が4,013百万円となりました。また、オペレーター兼テナントでもある大江戸温泉物語グループとのスポンサーサポート契約に基づく協働により、保有物件の状況及び特性等を考慮した修繕及び資本的支出に関する計画を策定し、必要な修繕・資本的支出を実施しました(賃貸借契約に基づき修繕 費は原則テナント負担となっています。)。
上記の運用の結果、2019年5月期の業績は、営業収益1,434百万円、営業利益699百万円、経常利益560百万円、当期純利益559百万円となりました。
財務面は問題無いけれど・・・

財務面の動きにおいては、2019年5月31日を返済期日とする長期借入金7,053百万円及び450百万円の返済原資の一部に充当するため、㈱三井住友銀行をアレンジャーとする協調融資団から長期借入により6,676百万円、㈱三井住友銀行から短期借入により350百万円の資金調達を行いました。また、手元資金により 2019年1月末日及び4月末日に各々93百万円の約定返済を実施しました。その結果、2019年5月期末時点での有利子負債総額は15,754百万円、LTVは40.6%となっています。
運用面の問題に比べ財務面については安定しています。LTVは40.6%なので低い方に入ります。DSCRは16.8%と10%以上の数値であり、有利子負債利子率も8.9%なので前期よりも減少しておりレンダーから高い金利を要求される訳でもありません。当ブログでは毎月、観光庁の施設タイプ別客室稼働率の情報を載せていますがどのアセットも前年よりも上昇しており、ホテルは圧倒的に追い風のアセットです。そのアセットのオペレーターの運用が上手くいかないのはインバウンド需要を享受できていないということなのでホテルとしての競争力は無いと言わざるを得ないと思います。こういった場合一番の解決策はオペレーターの変更です。大江戸温泉リート投資法人の場合はそのオペレーターがスポンサーなので由々しき問題です。大江戸温泉リート投資法人の資産運用会社はオペレーター変更の決断はできないでしょう。それどころか賃料を減額し投資法人の利益を減少させるかもしません。今、ホテル系J-REITにの投資口を取得しようとされている投資家さんは今は別の銘柄を検討された方が良いと思います。
