2024年2月26日にインヴィンシブル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,441円のところ1,640円で着地しました。
資産規模はホテル系REIT№1だがビジョンはあるのか不明

2023年12月期においては、4年ぶりとなるグローバル・オファリングによる 新投資口の発行を行い、投資法人のポートフォリオ最大の旗艦物件である「フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ」を含む国内のホテル6物件を取得しました。その結果、2023年12月期末時点において、物件数134物件(うちホテル92物件、住居41物件、その他1物件)、取得価格の合計548,646百万円のポートフォリオとなりました。このうちホテルポートフォリオの資産規模はスポンサーサポートによる継続的な物件取得により、取得価格合計507,861百万円(92物件、ホテル客室数16,624室)と、ホテル系REITを含む全J-REITのホテルポートフォリオの中で最大の資産規模になっています。
2023年12月期の運用状況については、ポートフォリオ全体のNOIは前年同期比63.7%(6,695百万円)増の17,205百万円であり、かかるNOIの変動の内訳は、ホテルポートフォリオにおいて6,692百万円の増加、住居及びその他ポートフォリオにおいて3百万円の増加でした。新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2019年同期との比較では、ポートフォリオ全体のNOIは13.5%(2,041百万円)増となり、かかるNOIの変動の内訳としては、ホテルポートフォリオにおいて2,830百万円の増加、住居及びその他ポートフォリオにおいて資産譲渡等による789百万円の減少となりました。
住居は新規契約の55.9%(契約件数ベース)について賃料上昇を実現し、新規契約賃料は従前契約賃料比で1.3%増加しました。更新契約においては、75.1%と高い更新率を維持しながら、更新契約の46.8%(契約件数ベース)について賃料上昇を実現し、更新契約賃料は従前契約賃料比で1.3%増加しました。新規契約・更新契約合計の賃料は、従前契約賃料比で1.3%増加しました。当期の平均月額賃料坪単価は前年同期比0.5%増の9,214円となりました。 当期末において保有する134物件のうち、鑑定評価額のない優先出資証券を除いた133物件の鑑定評価額合計は629,041百万円となり、含み益は133,259百万円、含み益率は26.9%となりました。2023年6月期末から当期末にかけて保有していた127物件の鑑定評価額合計は560,963百万円から570,791百万円へと1.8%の増加となりました。 2023年12月期の実績として営業収益は前期比2,904百万円(同18.2%)増の18,819百万円、当期純利益は前期比2,118百万円(同23.8%)増の11,032百万円となり、前期繰越利益8,657百万円を加味した当期未処分利益は19,690百万円となりました。
グローバル・オファリングで海外投資家にアピール

新規物件取得のために2023年7月31日を払込期日とするグローバル・オファリングによる公募増資(発行新投資口数:609,792口、発行価額の総額:32,761百万円)及びこれに伴う2023年8月28日を払込期日とする第三者割当増資(発行新投資口数:30,489口、発行価額の総額:1,638百万円)を実施しました。
借入れについては、2023年7月~11月に返済期限を迎える複数の既存借入(ニューシンジケートローン、タームローン等)の返済資金と、国内ホテル6物件の取得資金および関連諸費用の一部を調達するために、新規のシンジケートローンやタームローンを複数回実行しています。
主な借入実行(アレンジャー:㈱みずほ銀行が中心)
ニューシンジケートローン(009)
実行日:2023年7月14日付および7月19日付
借入金額合計:59,343百万円
金利:全銀協TIBOR(3か月または1か月)+スプレッド(0.2~0.5%)の複数トランシェ。金利スワップにより、2023年12月22日以降は実質的に約0.691%~0.696%で固定化されるトランシェあり。
用途:2023年7月14日・19日に返済期限を迎えた既存ローン(合計約59,343百万円相当)の返済。
ニューシンジケートローン(010)
実行日:2023年8月1日付
借入金額合計:29,856百万円
金利:全銀協3か月TIBOR+0.500%等。金利スワップにより、2023年12月22日以降は実質的に約1.069%や約0.691%で固定化されるトランシェあり。
用途:グローバル・オファリングに合わせた国内ホテル6物件の取得資金および関連諸費用の一部。
タームローン(016)(㈱三井住友銀行)
実行日:2023年9月14日付
借入金額:3,000百万円
金利:全銀協3か月TIBOR+0.400%。金利スワップにより、2023年12月22日以降は実質的に約0.879%で固定化。
用途:2023年9月14日返済期限のタームローン(006)3,000百万円の返済資金。
ニューシンジケートローン(011)および関連借入
実行日:2023年9月26日付および2023年10月13日付
借入金額合計:43,165百万円(ニューシンジケートローン(011))
金利:全銀協3か月/1か月TIBOR+スプレッド(0.2~0.5%)の複数トランシェ。金利スワップにより、2023年12月22日以降は実質的に約0.691%~0.894%で固定化されるトランシェあり。
併せて、㈱東京スター銀行からのタームローン(017)1,900百万円(実行日:2023年9月26日、実質金利約1.054%に固定化)を実行。
用途:2023年9月26日・10月13日に返済期限を迎えた既存借入(合計約43,165百万円相当)の返済。
タームローン(018)(株式会社みずほ銀行)
実行日:2023年11月29日付
借入金額:4,321百万円
金利:全銀協3か月TIBOR+0.600%(期間6年)。
用途:2023年11月29日返済期限のタームローン(009)4,321百万円の返済資金。
その他の取引
三井住友信託銀行が保有していた既存貸付債権(ニューシンジケートローン(007))のうち、981百万円分が2023年9月29日付で株式会社千葉銀行に譲渡されています(譲渡対象総額は1,746百万円のうち一部譲渡)。
全体の特徴
借入は主に全銀協TIBOR+スプレッドの構成で、複数トランシェを組成しています。
多くのトランシェで金利スワップを締結し、2023年12月22日以降の金利を実質的に固定化している点が特徴です。
みずほ銀行がアレンジャーを務める大型シンジケートが中心で、三井住友銀行や東京スター銀行など複数行からの調達を組み合わせています。
主目的は既存借入の返済(リファイナンス)とホテル取得資金の調達であり、短期的な返済負担を新規借入で置き換えつつ、金利変動リスクをスワップでヘッジしている点が読み取れます。
