2021年4月16日に日本都市ファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,500円のところ4,500円で着地しました。
2021年2月期の実績より視点は合併後の2021年8月期の分配金の行方
2021年3月1日付けで合併ということもあり、2021年2月期は保有資産の入替えの一環として1物件(イオンモール大和の不動産信託受益権の準共有持分50%)について、2020年12月に売却を完了しました。残りの準共有持分50%は2021年3月30日に売却済みです。
2021年2月期末において、投資法人の運用資産は102物件、取得価格の総額8,804億円、鑑定評価額の合計9,873億円、総賃貸可能面積2,336,226.77㎡、テナント総数968、ポートフォリオ全体の稼働率は99.6%となりました。ポートフォリオ全体の含み損益については、主として既存物件における前期末比での減価償却等の結果として、含み益は1,625億円(前期比+14億円)となりました。2021年2月期期の実績として営業収益30,518百万円、固定資産税及び資産運用報酬等の営業費用を控除した営業利益は13,505百万円、経常利益は11,897百万円、当期純利益は11,896百万円となりました。
2021年3月1日付けで合併

日本リテールファンド投資法人とMCUBS MidCity投資法人は、資産規模の拡大によるJ-REIT市場におけるプレゼンスの向上及び総合型REITへの転換による投資対象用途の拡大により更なる安定性及び成長性の向上に繋がると判断し、合併を行い日本都市ファンド投資法人となりました。
(実際は日本リテールファンド投資法人の主力である商業施設は生活密着度よりも娯楽性の高い商業施設であることからコロナウイルスによる影響で運用物件への来客数、また投資口価格の下落への懸念からオフィスビルが堅調であったMCUBS MidCity投資法人との合併に踏み切ったと見ています。総合型REITへの転換を謳うなら、産業ファンド投資法人とも合併すべきだからです。)
合併後し日本都市ファンド投資法人は、都市生活の基盤となる不動産へ投資するJ-REIT最大級の資産規模を誇る総合型REITとして、“日本の都市生活「住む、働く、消費する」を不動産面から支えていく”ことをビジョンとして掲げていくと述べています。
その成長戦略においては、短期的には戦略的な資産入替の実施による都市型化の更なる推進やポートフォリオにおける用途分散の適正化を図りながら、各種収益向上策の実行により更なる1口当たり分配金の増加を目指します。中長期的には、公募増資を通じた外部成長やリニューアルやコンバージョンを通じた更なる収益性の向上を通じて、将来的には都市生活の活動基盤となる不動産の各物件用途が影響しあい、エリア価値と物件価値がともに向上する好循環を創出することを目指すようです。
第3回目の緊急事態宣言が発令されることが読めなかったとはいえ、生活必需品を扱うイオンモールは売却する必要は無いかなと思います。イオンが建てた物件を持っていると、スポンサーが開発した物件の優位性が見えづらくなるという懸念は分かりますが、投資家さんの分配金のためにはスポンサーからの物件取得は必ずしもOKしないというアピールをした方が良いと思うのですが、スポンサーの子会社に過ぎないJ-REITの資産運用会社の人間にそれはできないですね。
合併比率の調整で投資口数が大幅増加
MCUBS MidCity投資法人の全ての投資主に対し1口以上の投資法人の投資口を交付することを目的として、MCUBS MidCity投資法人の投資主に対する割当てに先立ち、2021年2月28日を基準日、2021年3月1日を効力発生日として、日本都市ファンド投資法人(旧日本リテールファンド投資法人)の投資口1口につき2口の割合による投資口の分割を行い、MCUBS MidCity投資法人の投資主に対してMCUBS MidCity投資法人の投資口1口につき日本都市ファンド投資法人の投資口1口を割当交付しました。
分割により増加する投資口数等
①日本都市ファンド投資法人の投資口分割前の発行済投資口数:2,602,483口
②日本都市ファンド投資法人の投資口分割により増加する投資口数:2,602,483口
③日本都市ファンド投資法人投資口分割後の発行済投資口数:5,204,966口
④合併に伴うMCUBS MidCity投資法人投資口への割当交付口数:1,784,125口
⑤合併後の発行済投資口数:6,989,091口
合併後のレンダーとの関係は変化無しと予想

日本都市ファンド投資法人は、2021年2月期においては、2020年9月及び10月に既存の短期借入金70億円及び長期借入金合計235.75億円の返済資金に充てるために長期借入金合計305.5億円の借入れを行い、差額の25百万円については自己資金を用いて弁済しました。
また、2021年2月に既存の長期借入金45億円の返済資金に充てるために長期借入金45億円の借入れを行いました。これらの結果、投資法人の当期末現在の有利子負債残高は4,117億円、うち、長期借入金は3,672億円、投資法人債(グリーンボンドを含む)は445億円となりました。2021年2月期末現在の長期負債比率については100.0%、固定金利比率については94.8%、LTVは50.7%となっています。前期まで使用していた短期借入金は無くしすべて長期借入金(1年内返済予定の長期借入金)、投資法人債での調達ということでレンダーからの評価は変わっていないようです。
合併交付金がでるぞー
合併の効力発生日の前日に終了した、MCUBS MidCity投資法人の最終期の営業期間に係る金銭の分配の代わり金として、MMIの分配可能利益に基づきMCUBS MidCity投資法人の投資主(合併の効力発生日の前日のMCUBS MidCity投資法人の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主に対して同営業期間の金銭の分配額見合いの合併交付金を、2021年5月に支払う予定と発表しています。
MCUBS MidCity投資法人の直前期(2020年7月1日から2021年2月28日まで)の概要は以下のようになっています。
・営業収益:12,311百万円
・当期純利益:4,435百万円
・資産合計:302,160百万円
・負債合計:145,183百万円
・純資産合計:156,976百万円
とすると、単純計算で当期純利益4,435百万円÷1,784,125口=2,485円(源泉税込み)という感じですかね。合併交付金は交付しないという選択肢もあるので出してくれるだけ良いと言えます。MCUBS MidCity投資法人が2020年8月に発表した決算短信では1口当たり予想当期純利益2,454円としているので当初予想よりも上回っています。出資の払戻し差額や、圧縮積立金も加算すると約3,100円くらいはなるんでしょうね。
