エネクス・インフラ投資法人の概要
エネクス・インフラ投資法人は、二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しない地球にやさしい再生可能エネルギーの普及・拡大を通じて、地球環境への貢献と持続可能な社会の実現を目指しています。
名称 | エネクス・インフラ投資法人 |
住所 | 東京都港区芝一丁目5番9号 |
資産運用会社 | エネクス・アセットマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | PwC 税理士法人 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
決算期 | 11月 |
エネクス・インフラ投資法人は、伊藤忠エネクスを中心とするスポンサー・グループの幅広いサポートを活用し、再生可能エネルギー発電設備等に対し投資運用を行い、着実な資産規模の拡大と安定したキャッシュフローの創出を目指します。また、投資法人は、社会インフラとして拡大が強く期待される再生可能エネルギー発電設備等への投資機会を提供し、投資主価値の最大化を目指します。
エネクス・インフラ投資法人のポートフォリオ構築戦略
■投資対象
エネクス・インフラ投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象とします。再生可能エネルギー発電設備等のうち、太陽光発電設備等への投資割合は50%以上、太陽光発電設備等以外の投資対象として、風力発電設備等、水力発電設備等及びバイオマス発電設備等に対して50%以下の比率(取得価格ベース)で投資を行います。
投資対象資産 | 太陽光発電設備等 | その他の再生可能エネルギー発電設備等 |
投資比率 (取得価格ベース) |
50%以上 | 50%未満 |
太陽光発電設備等への投資に際しては、設備規模、日射量及び気候その他の気象条件、電気事業者等との系統連系の容易性その他の立地条件、自然災害リスク及び土地履歴等の環境条件、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績(もしあれば)、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行っています。
太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
■立地地域
エネクス・インフラ投資法人が取得を検討する太陽光発電設備等は、主として日本国内に立地するものとします。ただし、海外への投資を妨げないものとします。なお、海外に立地する太陽光発電設備等に投資する場合には、あらかじめ投資方針、投資対象国・地域及び投資基準等を定め、リスク管理体制を整備するものとします。
エネクス・インフラ投資法人の運用戦略
■スポンサー・グループによる強力なパイプライン・サポート
エネクス・インフラ投資法人は、スポンサー・サポート契約を通じて、スポンサー・グループが有する安定した物件開発能力に裏打ちされた将来のパイプラインを有しており、積極的に外部成長を図ると共に、スポンサ・グループが持つ豊富なソーシングルートを活用し、本投資法人の投資基準に合う物件を外部の第三者からも積極的に取得することを検討しています。
エネクス・インフラ投資法人は、スポンサーが保有、開発又は投資する物件のうち以下の物件について、スポンサーが売却をしようとする場合に、スポンサーとの間のスポンサー・サポート契約に基づき、優先的売買交渉権の取得を予定しています。
■風力発電設備等及び水力発電設備等に関する優先的売買交渉権
エネクス・インフラ投資法人は、スポンサーである伊藤忠エネクスから、スポンサー・サポート契約に基づき、エネクスグループが開発する風力発電設備等及び水力発電設備等に関する優先的売買交渉権の取得を予定しています。
エネクス・インフラ投資法人は、風力及び水力発電設備等にも投資を行うことで、再生可能エネルギー源の分散を図ると同時に、風力発電設備等及び水力発電設備等に関するスポンサーの豊富なノウハウを活用することで、着実な資産規模の拡大と堅実かつ効率的な設備運営を行うことにより、安定したキャッシュフローを創出し、投資主価値を増大することができると考えています。
■発電設備等の安定運営ノウハウを持つオペレーター
エネクス・インフラ投資法人は、取得予定資産について、資産運用会社のオペレーター選定基準に基づいてエネクス電力をオペレーターに選定しました。
エネクス電力は、2002年の設立以降、多様な発電設備等の安定稼働、エネルギーの安定供給を行っており、顧客に対する高品質サービスの提供と高いコストコントロール意識を持ったエンジニアリング集団です。エネクス電力の強みを活用して、太陽光発電設備の発電パフォーマンスを最大化し、発電設備の収益及び資産価値の維持向上を目指します。
■安定性の重視とアップサイドを加えた賃料スキーム
エネクス・インフラ投資法人は、発電事業者SPCと長期間の賃貸借契約を締結することにより、安定した賃料収入を得ることを企図しています。賃料は、原則として、基本賃料と実績連動賃料とを組み合わせた形態としますが、その大部分は基本賃料が占める予定です。
取得予定資産の基本賃料については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)等がまとめた年間時別日射量データベース等を基礎として、テクニカルレポートに記載された各月の発電量予測値(P50)の想定売電収入の100%を賃料原資とし、当該賃料原資から発電設備に係る運営管理費用見込額を控除した金額が支払われます。
また、取得予定資産について、アップサイド部分となる実績連動賃料は、実績売電収入額が、発電量予測値(P50)の想定売電収入の110%相当額を超過した場合に発生し、当該超過分の50%相当額が実績連動賃料として、本投資法人に対して支払われます。
■賃料等積立口座及び追加出資による、天候不順等による賃料不払いリスクの軽減
取得予定資産の賃借人である発電事業者SPCでは、いずれも、匿名組合契約に基づく発電事業者SPCへのスポンサーによる当初出資を原資として、運営初年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額を賃料等積立口座に積み立てます。天候不順等その他の理由により、実績売電収入額が発電量予測値(P50)の想定売電収入を下回った場合でも、直ちに投資法人への基本賃料の支払に支障が生じることのないよう、賃料等積立口座から不足額を補填します。
さらに、スポンサーが発電事業者SPCを営業者とする匿名組合の出資者となり、天候不順等の継続等で実績売電収入額が減少し、賃料等積立口座を活用しても基本賃料の支払に不足が生じる場合には、発電事業者SPCへの匿名組合出資者は、当該年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額を限度として当該発電事業者SPCに対して追加出資を行い、かかる追加出資額が投資法人に対する賃料支払に充当されることで、賃料不払いリスクを軽減することとしています。
■取得予定資産の賃料形態(基本賃料(A)+実績連動賃料(B))と天候不順等リスクへの備え
(A)基本賃料:発電量予測値に基づく年間総予想売電収入額(P50)の100%から年間の運営管理費用見込額を除いた金額
(B)実績連動賃料:実績売電収入額が予想売電収入額(P50)の110%を上回る場合、当該差額部分の50%が実績連動賃料
(C)積立金の補填原資:実績売電収入額から予想売電収入額(P50)と実績連動賃料(B)の合計額を除いた額
※1.運営初年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額に満つるまで、匿名組合契約に基づく発電事業者SPCへのスポンサーによる当初出資を原資として積立口座にリザーブが積み立てられ、その後各年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額を上限として当該リザーブが維持されます。天候不順等その他の理由により、実績売電収入額が発電量予測値(P50)の想定売電収入を下回り、想定売電収入に基づき算出される(A)の支払に不足する場合には、当該積立口座内のリザーブから(A)の不足額が補填されます。積立口座内のリザーブを活用しても(A)の支払に不足が生じる場合には、スポンサーは、匿名組合契約に基づき、総額で、当該年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額を限度として当該発電事業者SPCに対して追加出資を行い、かかる追加出資額が(A)の支払に充当されます。これによっても(A)の支払に不足が生じる場合には、補填はなされず、(A)の支払に係る不足額の支払期日は次回の賃料精算日に繰り延べられます。
※2.ある年度において(C)が生じ、かつ、積立口座内のリザーブの金額が必要額(当該年度における年間発電量予測値(P50)の想定売電収入の10%相当額)に不足している場合には、当該不足額に満つるまで(C)から積立口座に補填されリザーブとして積み立てられます。ただし、この場合であっても、既にスポンサーが発電事業者SPCに対して追加出資している場合においては、当該追加出資額の払戻しとして、当該追加出資額に満つるまで、スポンサーに対する金銭の分配が先行してなされ、当該分配後の残額のみが積立口座にリザーブとして積み立てられます。
エネクス・インフラ投資法人の財務戦略
エネクス・インフラ投資法人は、中長期的な収益の維持・向上を目的とし、安定的かつ健全な財務基盤を構築することを基本方針とします。
エクイティファイナンス | 新投資口の発行は、経済環境、市場動向、LTV(※)や投資資産の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化に配慮しつつ実行します。 |
デットファイナンス | 主要金融機関を中心としたバンクフォーメーションを構築し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス、返済期限の分散を図りながら、効率的な資金調達を実行します。また、LTVは資金余力の確保に留意し、適切な水準の範囲で運営を行います。また、投資法人債の発行等による資金調達手法の多様化にも積極的に取り組みます。 |
LTV水準 | 資金調達余力の確保に留意しつつ、原則として70%を上限とし、財務健全性を確保するようにします。ただし、新たな資産の取得、資産評価の変動により一時的に70%を超えることがあります。当面の間は、ポートフォリオ規模等を考慮して60%を目処に保守的に運用します。 |
利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得
エネクス・インフラ投資法人の投資対象である太陽光発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的なJ-REITに比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、投信協会規則に定める金額を上限として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)(※1)又は自己投資口の取得を原則として毎計算期間実施する方針を採っています。
エネクス・インフラ投資法人は、再投資(新規投資、保有資産の価値の維持・向上に向けて必要な長期修繕計画及び資本的支出計画に沿った積立等)や設備廃棄に対応するために妥当と考える範囲で現預金を内部留保することとし、基本的に内部留保後の余剰資金から投資主に還元することを目指します。
※1.エネクス・インフラ投資法人は、当面の間、毎計算期間の減価償却費の50%を目途として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を毎計算期間実施する方針です。
※2.上記はあくまでもイメージであり、実際の分配金の額と利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)の額又は自己投資口の取得額の比率等を示すものではありません。
エネクス・インフラ投資法人の分配金実績
エネクス・インフラ投資法人の分配金実績は上記の通りです。
エネクス・インフラ投資法人の分配金は1口当たり6,000円で推移していまましたが、2022年5月期から1口当たり3,030円となっています。これは売電収入が減ったことで賃料収入が減ったことが原因ではなく2021年11月期よりこれまで12ヶ月(1年)だった事業期間が6ヶ月となりました。1年に換算すると1口当たり6,060円となるので分配金は上昇していることになります。