ジャパン・インフラファンド投資法人の概要
ジャパン・インフラファンド投資法人は、再生可能エネルギー発電設備等への投資を通じて安定したキャッシュフロー及び収益を維持し、中長期にわたる持続的な成長戦略及び分配金を重視した運用方針により「投資主利益の最大化」を目指しています。
また、投資主に「社会に求められる良質なESG投資」の機会を提供することで、「持続的な社会貢献」を目指します。
名称 | ジャパン・インフラファンド投資法人 |
住所 | 東京都中央区日本橋茅場町2丁目10番5号 住友生命茅場町ビル |
資産運用会社 | ジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社 |
資産保管委託会社 | みずほ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 令和アカウンティングホールディングス株式会社 |
投資主名簿管理人 | みずほ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
決算期 | 5月・11月 |
ジャパン・インフラファンド投資法人のポートフォリオ構築戦略
ジャパン・インフラファンド投資法人は、独自の「エリア・グループ戦略」に基づいて、戦略的な物件取得を実施しています。「エリア・グループ戦略」の活用により、段階的にポートフォリオを構築し、効率性と安定性を両立した運用を実現していきます。
投資対象
ジャパン・インフラファンド投資法人は、それぞれの投資対象地域において必要とされる社会的意義のある再生可能エネルギー発電設備を投資対象とし、特に太陽光発電設備等を中心としたポートフォリオの構築を進めるものとします。ポートフォリオの構築に当たっては、原則として以下の3項目を充たした物件を投資対象とします。
①. 1年以上の稼働実績を有すること
②. 発電設備の容量が500kW以上であること
③. 日本国内に立地していること
立地地域
ジャパン・インフラファンド投資法人は、地域の活性化及び中長期な安定性の観点から、原則として日本全国を投資対象地域とします。但し、将来的な海外への投資を妨げないものとし、海外に立地する太陽光発電設備等に投資する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮しています。
■分散型エリア・グループ戦略に基づくポートフォリオ形成
全国の国内複数エリアへの投資で立地を分散させつつも、エリア内における物件所在地を同一グループとして集中させ、同一O&M業者による集中・一体管理を実施することで、O&M業者が複数社にわたり管理が煩雑になる点を抑制します。また、複数物件について同一O&M業者に委託することで、作業員の移動及び物資の運搬コスト等を削減することが可能となり、O&M業務委託料の削減等を通じて、効率的な管理・運営を実現します。このようなエリア・グループ戦略に基づき、上場時には中部・北陸エリアの物件を中心に取得し、今後の成長ステップに向けた基盤を構築し築いた運用・管理ノウハウとポートフォリオの基盤を足がかりに、国内投資エリアをさらに分散させることで、立地に係るリスクの分散と収益力の向上を両立し、ポートフォリオの安定性強化と収益力の向上を目指します。
ジャパン・インフラファンド投資法人の運用戦略
■みずほグループのネットワークを活用した物件取得機会の創出
ジャパン・インフラファンド投資法人は、みずほグループの有する幅広い顧客ネットワークを活用し、物件売買情報やマーケット情報、太陽光発電関連情報等の提供を受けることができます。
■パイプラインサポート会社のサポート等を通じたパイプラインの供給
ジャパン・インフラファンド投資法人は、パイプラインサポート会社が優先交渉権を有している太陽光発電設備等を中心として、日本全国にパイプラインを形成しています。
さらに、スポンサーサポートを活かしたネットワークにより、パイプラインサポート会社以外の第三者からも物件取得機会を確保し、ブリッジファンド等を活用して優先交渉権の付与を受けることで、多様なルートからの物件取得を可能としています。こうしたパイプラインの供給を通じて、ポートフォリオバランスに配慮しつつ、継続的な資産規模の拡大を目指します。
プロスペックAZ
プロスペックAZは、中部地方を拠点に全国展開している再生可能エネルギー発電事業者であり、太陽光発電を中心に、バイオマス、風力など多様な再生可能エネルギー発電設備について知見を有しています。
様々な権利、許認可の調査・取得から、設計・建設・運営・保守・メンテナンスまでワンストップで提供できることに加えて、資材の直接調達、各地域の気象状況に対応可能な自社設計システム、高い施工基準によって、質の高いサービスを提供しています。
資産運用会社は、プロスペックAZとパイプラインサポート契約を締結し、同契約において、同社が保有する物件の売却を検討する際には、本資産運用会社に対して優先交渉権の付与と最終売却条件の通知を行うこと等について合意しています。
ジャパン・インフラファンド投資法人は、プロスペックAZの豊富な開発実績と管理運営力、ネットワークを活用し、外部成長と収益力の強化、安定化を目指します。
エムジーリース
エムジーリースは、金融ノウハウを用いた多種多様なリース・ファイナンスを提供しており、再生可能エネルギー発電設備を対象としたプロジェクトファイナンスの実績を多数有しています。
本資産運用会社は、エムジーリースとパイプラインサポート契約を締結しており、エムジーリースの知見とネットワークを活かすことで、再生可能エネルギー発電事業における物件売買情報の提供や、金融ソリューションの提供を受けることが可能であるという考えを持っています。
■基本賃料と変動賃料を組み合わせた長期安定的な賃料スキーム
ジャパン・インフラファンド投資法人が保有する太陽光発電設備を発電事業者である賃借人SPCに賃貸し、賃借人SPCから基本賃料と変動賃料を収受する、安定性とアップサイドを兼ね備えた賃料スキームを採用する予定です。
基本賃料 | 本投資法人は、保有発電設備の実際の発電量にかかわらず、客観的な発電量予測値に基づく一定水準の想定売電収入を、基本賃料として受け取ります。基本賃料を設定することで、本投資法人の収益の安定化を図ります。 |
基本賃料:予想売電収入(A)(注1)×70%-想定必要経費(注2) | |
変動賃料 | 本投資法人の保有発電設備の実際の発電量が、基本賃料の基となる想定発電量を上回った場合、上振れした発電量分の売電収入から、オペレーター変動報酬及び実績連動必要経費を控除した金額を、本投資法人は変動賃料として受け取ります。変動賃料の設定により、本投資法人の収益力の向上及び投資主への還元強化を目指しています。 |
変動賃料: | |
各月の実績売電収入(B)(注3)が予想売電収入(A)の70%以下の場合、変動賃料は発生しません。 | |
各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の70%超100%以下の場合 | |
{B-(A×70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費(注4) | |
各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)を超える場合 | |
{(B-A)×50%+A×(100%-70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費(注4) | |
積立口座 | 天候不順その他の理由により売電収入が基本賃料を下回った場合も、直ちに本投資法人に対する賃料の支払いが滞ることのないよう、全ての再生可能エネルギー発電設備等の基本賃料1ヶ月分相当額をSPC口座に積み立てます。 |
SPC積立原資(注5):(B-A)×50% |
※1.予想売電収入(A)=発電量予測値(P50)×買取価格
※2.想定必要経費とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他の費用のうち、基本賃料に対応する想定必要経費として本投資法人と協議の上合意した金額をいいます。
※3.実績売電収入(B)=実際の発電量×買取価格(+出力抑制補償金+利益保険の保険金)
※4.実績連動必要経費とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他本投資法人と協議の上合意した費用につき、実際に計上された必要経費(実費)が想定必要経費を超過した場合における当該超過分の金額をいいます(想定必要経費が実費を上回る場合は負の値になります。)。
※5.SPC積立原資が負の値になるときはゼロとします。
ジャパン・インフラファンド投資法人の財務戦略
ジャパン・インフラファンド投資法人は、スポンサーである丸紅の信用力や、みずほ銀行及びみずほ信託銀行のサポートをベースとした最適な借入条件を実現し、安定的かつ健全な財務運営の実施を目指します。また、デット戦略とエクイティ戦略という2つの観点から、中長期的な収益性の維持及び向上並びに運用資産の規模拡大と価値の向上を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。
エクイティファイナンス | 投資口の追加発行は、金融環境、経済環境、市場動向、新たに取得する物件の取得時期、LTV等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。 |
デットファイナンス | ・借入れ又は投資法人債の発行に際しては、金利動向、マーケット水準、財務の機動性、長期取引関係及び安全性のバランスを総合的に勘案し、借入期間、固定又は変動の金利形態、担保提供の要否及び手数料等の有利子負債調達条件を検討した上で、適切な資金調達を行います。 |
・安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、スポンサーであるみずほ銀行を中心とする金融機関とのバンクフォーメーションを構築しつつ、借入先の分散による資金調達先の多様化にも積極的に取組みます。なお、借入先は、金融商品取引法に定める適格機関投資家に限るものとします。 | |
・各種必要資金を機動的に調達するために、コミットメントライン及び極度貸付枠等の融資枠の確保を必要に応じて検討します。 | |
LTV水準 | ・資金余力の確保に留意した設定とし、巡航ベースでは60%程度とし、70%を上限とします。但し、リファイナンス・リスクの軽減又は新たな投資対象資産の取得のために、一時的にLTVの上限を超えることができるものとします。 |
利益を超えた金銭の分配と再投資による利益分配向上の両立
ジャパン・インフラファンド投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備等は、その大部分が減価償却の対象となる資産となるため、不動産投資法人(J-REIT)に比べて、会計上の利益とキャッシュフローとの差異が大きくなります。
ジャパン・インフラファンド投資法人は、余剰資金の効率性を可能な限り高めることを目的として、本投資法人の借入債務返済後の減価償却費相当額を含むキャッシュフローを、再投資に対応するために妥当と考える範囲で内部留保することとし、基本的に内部留保後の余剰資金を、毎期継続的に利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として投資主に還元する方針を採っています。
余剰資金からの利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主の分配金の向上を目指すとともに、再投資を通じた純利益に基づく分配金の増額を目指すことが、投資主の利益に資すると考えを持っています。
ジャパン・インフラファンド投資法人の分配金実績
ジャパン・インフラファンド投資法人の分配金実績は上記の通りです。
ジャパン・インフラファンド投資法人は、出資の払戻しが含まれているとはいえ毎期分配金を成長させているという点が特徴です。2022年11月期からは総発電量が100MWを超えました。