2021年2月25日にジャパン・ホテル・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が126円のところ410円で着地しました。
本確定な回復は2022年度から

2020年12月期(2020年1月1日から2020年12月31日までの12ヶ月間)は投資法人が保有するホテルの業績については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響により、当期の変動賃料等導入24ホテルを含む全てのホテルのRevPAR及びGOP(売上高営業粗利益)は前期を大きく下回りました。
この難局に対応するため、投資法人は、ホテルを運営している各ホテルの賃借人及びオペレーターと緊密にコミュニケーションを取り、運営コストの削減等によるホテル収益の確保に努めました。特に本資産運用会社のグループ会社でありホテルの賃借人である㈱ホテルマネージメントジャパン及びその子会社(あわせてHMJグループ)は、投資法人との協議・検討を経て、人件費、外注費などの大規模なリストラクチャリングを実施しました。2020年12月期については2019年度と比べ大幅なコストの削減を実行し、来期以降も恒常的なコスト削減を見込んでいます。
その上で投資法人は、HMJグループとの間で、2020年8月25日付で定期建物賃貸借契約を締結し、HMJグループが運用する各ホテルに係る2020年2月以降2021年末までの固定賃料を免除すること(2022年以降は従来同様の固定及び変動賃料の賃料体系とすること)を合意しました。
イシングループホテルにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響による業績の悪化に伴い、契約に定める固定賃料を収受することが困難となったことから、投資法人は、イシングループホテルの各賃借人との賃貸借契約について、2020年12月期のみならず将来にわたっての賃料に与える影響を勘案の上、2020年4月以降の賃料体系の変更を決定しました。
また、保有する資産の含み益を一部顕在化させ不動産等売却益として計上すること並びに手元流動性を向上させることが適切であると判断し、2020年7月1日付で相鉄フレッサイン新橋烏森口を譲渡し、不動産等売却益として3,158百万円を計上しました。さらに、2020年10月29日付でホテルアセント福岡の敷地の一部である底地と隣接ビル敷地の一部である底地に係る信託受益権との交換を行いました。この交換取引により、相互借地関係が終了し、完全所有権の物件になることから、資産価値の向上に資するとともに、不動産等交換差益として184百万円を計上しました。
さらに、2020年12月期中に予定していた大規模改装工事を含め、資本的支出を抜本的に見直し、不動産運用費用や一般管理費等の各費用項目についても削減を図りました。業績は、営業収益は13,838百万円、営業利益は3,176百万円、経常利益は1,398百万円を計上し、当期純利益は1,527百万円となりました。
負ののれんを使っても良いのでは?

2020年12月期(2020年1月1日から2020年12月31日までの12ヶ月間)において、2020年1月に返済期日が到来した既存借入金の借換えを目的として合計4,700百万円の借入れを実行しました。さらに、同じく返済期日が到来した既存借入金の借換えを目的として、同年6月に合計1,092百万円、同年9月に合計11,847百万円、そして同年12月に935百万円の借入れを実行しました。
これらにより、2020年12月期末時点における有利子負債残高は168,754百万円、うち短期借入金12,782百万円、1年内返済予定の長期借入金10,800百万円、長期借入金103,572百万円、1年内償還予定の投資法人債1,500百万円、投資法人債40,100百万円となっており、LTVは42.2%、2020年12月期末時点における有利子負債総額に対する金利の固定化比率は91.0%となりました。2020年12月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)発行体格付:A、格付の方向性:ネガティブ
・㈱日本格付研究所(JCR)発行体格付:A+、格付の方向性:ネガティブ
負ののれんの活用について物件売却に伴う譲渡損失、資産の減損による損失、公募増資等に伴い発生する1口当たり分配金の希薄化、固定資産除却損及び収益への影響が大きい大規模改修工事による売り止め等が発生した場合、負ののれん50年償却額(262百万円)に上乗せして負ののれんの取崩しを行う方針としていますが、コロナウイルスによるホテルの営業自粛、営業時間縮小によりホテルから賃料を上手く獲得できない今だから多めに負ののれんを使うべきではないでしょうか。
物件売却に伴う譲渡損失、資産の減損や大規模改修工は個別の物件による収益ダメージですが、コロナウイルスの場合は運用しているホテル全てにダメージを与えています。ホテル系J-REITは今が旬でピンチなはずです。自身のスポンサーの賃料をまけてあげた分くらい投資家さんにもサービスして欲しいですね。それでも経営難に陥ったオペレーターからスポンサーであるHMJグループが引き受けている点は評価してあげるべきだという思いもあります。
