三菱地所物流リート投資法人は、物流施設を主な投資対象とし、三菱地所グループの総合力を活かした運用により投資主価値の最大化を目指すとともに、人々の生活を支える物流機能の発展を通じて豊かな社会の実現に貢献しています。
三菱地所物流リート投資法人の概要
名称 | 三菱地所物流リート投資法人 |
住所 | 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 |
資産運用会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
資産保管委託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
決算期 | 2月・8月 |
三菱地所物流リート投資法人のポートフォリオ構築戦略
三菱地所物流リート投資法人は、物流施設を主な投資対象とする上場不動産投資法人として、日本最大級の総合デベロッパーである三菱地所株式会社及び2001年の設立以来豊富な不動産ファンドの運用実績を有する不動産アセットマネージャーである三菱地所投資顧問株式会社の両社の強みをハイブリッド活用し、質の高いポートフォリオの構築と着実かつ安定的な資産運用を図り、投資主価値の最大化を目指しています。
三菱地所物流リート投資法人は、東京・丸の内をはじめとする「まちづくり」によって得た信頼を基盤とする三菱地所グループの総合力を活かし、物流施設事業を取り巻く環境変化に適応することによって、我が国における物流プラットフォームの一翼を担うとともに、人々の生活を支える物流機能の発展に貢献しています。
投資基準
立地 | 物流拠点としての立地の特性(消費者立地・産業立地の該当有無)、用途地域、周辺環境の適格性 |
物流拠点としての交通立地上の優位性・競争力の有無(高速道路及び主要幹線道路からの近接性等) | |
雇用確保の優位性・競争力の有無(後背地の人口集積度、通勤利便性等) | |
物流拠点としての周辺環境における地域将来性(新設道路計画の有無等) | |
規模 | 原則として、1物件当たりの規模として、延床面積約10,000㎡以上の施設とします。但し、規模が基準を満たさない場合でも、中長期的な観点から、安定した収益の確保が期待できる施設はこの限りではありません。 |
耐震性・PML | 原則として、新耐震基準又はそれと同等以上の耐震性能を有するものを投資対象とします。 |
PMLについては、原則として、個別の投資対象不動産毎に15%以下のものを投資対象とします。但し、個別の投資対象不動産でPMLが15%を超えるものがある場合であっても、当該投資対象不動産を含めたポートフォリオPMLが15%以下である場合には、損失予想額等を検証の上、投資を行う場合があります。 | |
テナント構成 | テナントの財務・事業将来性を確認するとともに、既存テナントに関しては契約残存期間等を踏まえて、分散を考慮した上で投資判断を行うものとします。 |
開発物件 | 原則として、当面は開発物件には投資しません。但し、将来的に運用不動産の老朽化に伴い再開発が必要となる場合等で、開発利益の外部流出回避、大規模物件への転換による資産価値の最大化、賃貸可能面積の増加によるポートフォリオ収益力の向上を目的として開発案件への投資を行う場合があります。 |
アセットタイプ別投資比率
アセットタイプ | 目標投資比率 |
物流施設 | 80%以上 |
その他 | 20%以下 |
●原則として、延床面積10,000㎡以上の規模を有し、長期安定稼働を見込める物流施設に投資
●テナントが扱う荷物の種類や物流施設の使用目的の多様化に鑑み、将来にわたり幅広いテナントニーズに対応できる汎用性を重視
●「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)にも投資
地域別投資比率
投資対象地域 | 目標投資比率 | |
首都圏 | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県 | 50%以上 |
その他エリア | 50%以下 |
「首都圏」は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び茨城県を、「近畿圏」とは、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県及び滋賀県を、「中部圏」とは、愛知県、三重県及び岐阜県をいいます。
三菱地所物流リート投資法人の外部成長戦略
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所の開発力と三菱地所投資顧問の投資案件選別力(目利き力)を活用したハイブリッド型外部成長を目指しています。
三菱地所とのスポンサーサポート契約に基づく優先交渉権
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所との間で締結済みのスポンサーサポート契約に基づき、三菱地所による開発案件を含む、同社が自ら所有する物流施設等を売却する場合には、優先的に取得に向けた交渉を行うことができます。
資産運用会社の目利き力による外部取得とファンドスキーム
資産運用会社は、2001年以降、ファンド組成及び物件取得を継続的に実施してきた実績を有しています。かかる実績に基づく投資案件選別力(目利き力)・デューディリジェンス能力を活用し、テナントニーズを捉えた競争力の高い物流施設への厳選投資を実施します。また、資産運用会社は、その不動産ファンド運用力を活かすことで、開発型ファンドスキームやブリッジスキーム等の多様な取得手法により、柔軟な取得戦略を推進します。
ブリッジファンドによる優先交渉権付与物件
将来的に三菱地所物流リート投資法人が取得することを前提とした不動産等を保有・運用するブリッジファンドを組成しています。2017年9月14日現在、かかるブリッジファンドは匿名組合員との間で、ブリッジファンド保有の物流施設等を売却する場合に、ブリッジファンドは、三菱地所物流リート投資法人と優先的に協議する旨の合意をしています。
三菱地所グループの物流施設ブランド
三菱地所グループのブランドスローガンである「人を、想う力。街を、想う力。」のもと、物流施設においては、三菱地所が単独開発する「ロジクロス」及び資産運用会社が第三者から取得する「MJロジパーク」と2つのブランドを展開しています。両ブランドは共通して、「安全・安心」を軸に人とモノ、そしてビジネスのさらなる活性化を通じて豊かな社会の実現に貢献する物流施設を提供することを理念としています。
物件売却方針
運用不動産を中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを基本方針としているため、原則として短期的な売却は行いません。また、個々の運用不動産を売却する際には、将来における立地エリアの賃貸マーケット動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化・陳腐化リスク及びそれに対する資本的支出の額等を検討の上、ポートフォリオ全体に与える影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
三菱地所物流リート投資法人の内部成長戦略
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所の法人顧客リレーションと三菱地所投資顧問の不動産ファンド運用力を活用したハイブリッド型内部成長を目指します。
三菱地所の法人顧客リレーションを活用したリーシングサポート
三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所へのテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を通じ、三菱地所が東京・丸の内を中心とするオフィス・商業施設事業等で培った法人顧客リレーションを活用することで、物流事業者や荷主とのリレーションを構築し、市場のニーズをくみ取った着実な内部成長を実現することを目指します。本投資法人はスポンサーに対して、TRS業務を委託し、スポンサーによるリーシングへのコミットメントを最大化することで、ポートフォリオの中長期的な収益の維持・向上の実現を目指しています。
TRS業務
テナントリレーション | 入居テナントに対し、契約期間の長期化、増床・移転ニーズの把握、空き区画へのマッチング及び外部流出の阻止等を目的として、定期的に訪問し、入居テナントとのリレーションを構築 |
賃貸募集 | 新規テナント候補先への営業活動の他、テナント審査サポート及び入居条件・関連工事等の取次・交渉を実施 |
賃貸方針提案業務 | 保有資産全体の賃貸に係る契約期間等の管理及びリテナント戦略の提案等を実施 |
既存テナントに関する賃料改定方針
賃料収入の安定的成長と収益の拡大を図るため、個別の運用不動産について、随時マーケット調査を行い、適正な賃料水準を設定するものとします。かかる賃料水準と比較して著しく低廉な賃料で推移する物件については、既存テナントとの契約交渉を通じ契約条件の向上(賃料水準の向上や契約期間の長期化等)に努めるものとします。
修繕及び資本的支出に関する方針
運用不動産に関する修繕計画については、原則として、営業期間毎に翌営業期間以降の期間に対応する修繕及び資本的支出に係る計画を運用不動産毎に策定した上で、当該修繕計画に基づき必要な修理、修繕、更新及び改修を行うことにより、運用不動産の機能的価値の維持向上を図るものとします。
建物・設備機能の維持保全を目的とした修繕については、過去の修繕履歴、設備水準、エンジニアリング・レポートの内容等を踏まえ、その実施時期及び工事金額等を検討の上、効率的な実施に努めるものとします。
また、通常必要とされる資本的支出(建物の経年劣化に伴い必要な支出、機能維持を目的とした設備更新等)の他、必要に応じて、中長期的視点に立った運用不動産の競争力維持・向上のためにリニューアル工事計画を策定し、実行するものとします。当該リニューアル工事計画の策定に当たっては、競合物件との差別化や中長期にわたる市場競争力及びテナント満足度等について十分な検討を行うものとします。
三菱地所物流リート投資法人の財務戦略
三菱地所物流リート投資法人は、健全性を重視した財務運営とLTVコントロール及び、効率的なキャッシュマネジメントを目指しています。
健全性を重視した財務運営とLTVコントロール
三菱地所物流リート投資法人は、中長期に安定した収益の確保と運用資産の規模の着実な成長及び運用の安定性を考慮し、機動的かつ健全性を重視した財務戦略を実行していきます。
エクイティ・ファイナンス | 資産の取得、修繕費等の本投資法人の運営に要する費用の支払い、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金の返済及び投資法人債の償還を含む。)等の資金の手当てを目的として、役員会の承認を経て、募集投資口の発行を行うことができます。募集投資口の発行については、投資口の希薄化、本投資法人のLTV等、本投資法人の財務状態を考慮し、決定します。 |
デット・ファイナンス | 資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含む。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ又は投資法人債を発行することができます。 |
LTV水準 | LTVは、40~50%を目途としますが、新たな運用資産の取得等に伴い、一時的にこれを超えることがあります。 |
キャッシュマネジメント:減価償却費の活用方針
一般的に物流施設は他アセットと比較して建物割合が高く減価償却費が大きい一方、設備割合が低く資本的支出が限定的であるという特性を踏まえ、本投資法人は安定的な分配金水準を確保する観点から一定のルールのもと利益超過分配を実施し、投資主価値の最大化に努めます。
減価償却費の30%相当額を利益超過分配金額の目途とし、原則として毎期継続的に実施