福岡リート投資法人の配当金と利回り・資産規模拡大の運用戦略

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 福岡リート投資法人は、投資対象エリアを、原則として、福岡を中心とする九州全体(沖縄県を含みます。)及び山口県に限定した地域特化型REITとして、福岡・九州地域に精通した資産運用会社の情報力とノウハウを活かし、投資主利益の最大化を目指します。

福岡リート投資法人の概要

名称 福岡リート投資法人
住所 福岡県福岡市博多区住吉一丁目2番25号
資産運用会社 株式会社福岡リアルティ
資産保管委託会社 三菱UFJ信託銀行株式会社
一般事務受託会社(会計事務) 三菱UFJ信託銀行株式会社
投資主名簿管理人 三井住友信託銀行株式会社
会計監査人 PwCあらた有限責任監査法人
決算期 2月・8月

福岡リート投資法人のポートフォリオ構築戦略

投資対象エリア

投資対象エリア 投資比率
福岡都市圏 60~90%
その他九州地域(沖縄県・山口県含む) 10~30%
その他地域 0~10%

 福岡リート投資法人は、原則として投資対象エリアを福岡・九州に限定しています。
 具体的には、将来的にも大きな成長が見込まれる福岡都市圏を中心(60~90%)に、 その他九州地域(沖縄県及び山口県を含む)及び、その他地域としています。

 投資対象エリアを限定していることから、投資タイプでは、商業施設を中心(40~70%)に、オフィスビルや住居、ホテル等にも投資しています。オフィスビルと商業施設ではリスク・リターンが異なるため、分散を図ることができますが、特に商業施設に重点的に投資を行います。

投資タイプ

投資タイプ 投資比率
商業施設 40~70%
オフィスビル 20~50%
その他 0~30%

商業施設

 アーバン、リージョナル、コミュニティのいずれの商業施設についても、来場者に買い物プラスアルファを提供できるエンターテイメント性、デザイン性に優れているエンターテイメント型商業施設を投資の中心に据えていきます。

カテゴリー 定義(特徴) 主な投資ポイント 規模(延床面積)・商圏人口の目安
アーバン(都心型) ・都心繁華街に立地(福岡市天神・大名エリア等) ・立地の繁華性・希少性の高さ及びその持続力 ・8,000㎡以上(ただし、路面店は1,000㎡以上)
・ファッションストリート(路面店)、百貨店、大型専門店、情報発信型複合商業施設 ・テナントのブランド力や独自集客力の強さ ・商圏人口100万人規模(基本商圏は時間距離30分程度)
・郊外広域集客型ショッピングセンター(スーパーリージョナルモール)(100店規模の専門店モールとGMS(百貨店)等の核テナント、アミューズメント機能を有する。) ・車でのアクセスが容易な幹線道路に近い立地 ・40,000㎡以上
・商圏において優位性を持つ規模の有無 ・商圏人口20万人規模(基本商圏は5km程度)
・魅力的でバリエーションに富む専門店テナントの顔ぶれ  
コミュニティ(生活圏型) ・生活密着型で最寄品主体の品揃えを持つショッピングセンター ・商圏住民のボリュームと質、隣接幹線道路の交通量と駐車場整備状況 ・5,000㎡以上
・ロードサイドのカテゴリーキラー ・生活密着型のテナントを複数配したショッピングセンター(ネイバーフッドショッピングセンター)の場合、生鮮スーパーの競争力 ・商圏人口5万人規模(基本商圏は3km程度)
・生鮮スーパーを核に書店・飲食・スポーツクラブを複合したネイバーフッドショッピングセンター ・ロードサイドの場合、個々のテナントの競争力、信用力並びに賃貸借契約の内容  
・建物の汎用性、周辺競合状況も勘案したリテナントの可能性  

オフィスビル

カテゴリー 主な投資ポイント
Aクラス 投資対象エリアのオフィスビル市場における立地・規模・スペック・築年数等でカテゴリー分けしたAクラスと中小ビルを比較すると、Aクラスビルは総じて、十分に安定した収益を生み出すことができると判断しています。本投資法人は、立地・規模・スペック・築年数等の各要素について設けた独自の取得基準(Aクラス基準)によって物件を選別し、中長期的にオフィスビルとしての競争優位性を発揮しうる優良物件に限定して投資を行います。
セール・アンド・リースバック 地域内の優良企業の本支店(又は店舗)等の物件を本投資法人が購入し、中長期的な賃貸借契約を締結してオリジネーターの継続的利用を可能にする、いわゆるセール・アンド・リースバック案件についても取組みます。セール・アンド・リースバックについては、建物自体がAクラスではない場合でも、一棟貸しテナントのクレジットやテナントとの契約内容(期間・中途解約条項・賃料更改条件)によっては投資対象とします。

その他

 ①ホテル

 ホテル市場は競争の激しいマーケットですが、投資対象エリアにおいては、近年では韓国、台湾、中国といったアジア諸国からの観光客数も増加しており、将来性のある市場です。

 ホテル物件においては、ロケーションや建物の質の他に、ホテルオペレーターの力量がその価値に大きく影響します。ホテルは、物件の評価だけでなく、オペレーターの質並びに賃貸借契約及びマネジメント契約の仕組みをよく吟味し、長期的に安定したキャッシュ・フローを生み出せる物件に投資を行います。

 ②住居

 福岡県の持家比率は全国平均を大幅に下回っている状況であり、さらに、福岡都市圏は若年層の人口流入を背景にして安定的に高い人口成長率を示しています。このような背景から福岡都市圏は、特にファミリー向け及び単身者向けの賃貸マンション市場の安定した需要に裏付けされた市場です。また、投資対象エリア内の県庁所在地やそれに準ずるエリアには賃貸住宅として安定収入を確保できる区域があります。

 このように、住居についてロケーションを最も重要な要素として考え、その他規模、収益性等を総合的に判断の上個別に物件を選別し、優良物件に限定して投資を行います。なお、投資効率及び運用効率を勘案し、住戸単位での投資は行わないものとします。

 ③物流施設

 大消費地周辺及び配送拠点として利便性の高いエリア等物流適地の物流施設に対する需要は底堅く、長期的に安定したキャッシュ・フローが期待できる状況にあります。物流施設においては、優良なロケーション又はテナントとの長期契約を基本とし、物流施設運営会社及び物流会社との良好なネットワークを構築し、中長期的に安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に投資を行います。

 ④公共施設等

 公共施設、駐車場、ターミナル施設等についても、ロケーション、築年数、契約条件など総合的に勘案し、安定したキャッシュ・フローが見込まれる物件に対して投資を行います。

福岡リート投資法人の外部成長戦略

 福岡リート投資法人は、スポンサー会社と広範な連携を行い、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目指します。スポンサー会社とは、投資法人の資産運用会社の出資企業を意味し、具体的には、福岡地所株式会社、九州電力株式会社、株式会社福岡銀行、株式会社西日本シティ銀行、西日本鉄道株式会社、西部ガスホールディングス株式会社、株式会社九電工、九州旅客鉄道株式会社及び株式会社日本政策投資銀行をいいます。

市場からの物件取得

 福岡リート投資法人投資法人は、スポンサー会社の取引先等スポンサー会社のネットワークも活用し、更なる物件の取得機会を追求していきます。

 資産運用会社及びスポンサー会社の情報力、地域金融機関との連携並びに当該地域との近接性及び関係性等を活用し、市場における一般物件(地元事業会社の本支店、営業店舗、物流施設等)や地方公共団体、更には第三セクターが所有する不動産資産に関しても、関連情報の収集・分析や不動産資産を保有する事業者等への提案活動等を通じて、取得機会の積極的な確保に取り組みます。

福岡地所グループのサポートによる新規開発物件の取得

 不動産を一番良くわかるのは地元の人間です。私たちは地元ならではの情報収集力、 マーケット感覚、産官学との強固なネットワーク等を最大限活かすことで、 安定的かつ堅実な運営を実現し、成長してまいります。 また、この成長を実現させるには、世界の資本市場に対し説明責任を果たしていくとともに、 厳しいコンプライアンス方針の下、常に投資家との対話を心がけていくことが大切だと考えています。

 福岡リート投資法人は、九州全域における総合ディベロッパーとしての高い開発・運営力を有する福岡地所株式会社を中心とする福岡地所グループのサポートを受けて、新規開発物件の取得を進めます。福岡地所グループが投資対象地域内において商業施設等の新規開発を行い、着実な施設運営により早期に事業基盤を確立、安定的な賃貸事業収入の確保を実現させた時点で、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても一定の条件を満たしている場合には不動産売買契約を締結することができるものとします。

 具体的には、投資法人が、福岡地所グループとの間で商業施設等の開発プログラムを組成し、新規に土地を選定、建物の企画・建設・テナントリーシング等、事業を組み立てて、投資対象となり得る優良物件を開発・取得していきます。

外部ディベロッパー等とのタイアップによる新規開発案件の取得

 福岡リート投資法人は、以下の条件を満たしている場合には、未稼働不動産、建設予定、建設中の不動産であっても不動産売買契約を締結することができるものとします。

 なお、当該契約の締結に関しては、解約条件、特に解約違約金の定めの有無及び額などを検討し、本投資法人の財務に対して重要な影響を与える可能性についても慎重に検討するものとします。

物件投資基準

 個々の物件の選別にあたっては、下表に記載する投資基準に従い、十分に調査を実施し、総合的な検討を行った上で、投資を決定します。

  商業施設 オフィスビル ホテル 住居、物流施設他
立地 地域基準に基づき、商圏の現状及び将来性を外部専門家に調査させ、経済性、収益性等を慎重に判断した上で投資を決定します。
規模 延床1,500㎡以上 延床3,000㎡以上
最低投資額 5億円 10億円 10億円 5億円(住宅を除く)
取得価格制限 利害関係者からの取得は鑑定評価額を上限とします(当該不動産等の取得に要する費用(売買媒介手数料、公租公課等)は含みません。)。
耐震性 新耐震基準又はそれと同水準以上の耐震性能を有している物件に投資します。
テナント テナントの信用力、賃貸借契約の条件、代替性等を考慮し総合的に判断します。
開発案件投資 原則として自ら土地を取得して建物を建築することは予定していません。ただし、第三者が開発中の物件について、完工・引渡リスクを考慮した上で、建物竣工後の取得を条件として契約締結可能とします。保有する商業施設等の増築や拡張を自ら行うこともあります。
環境・地質等 アスベスト、フロン、PCB、土壌汚染等、十分に調査、考慮した上で投資を決定します。
その他 既に取得している物件の増築部分並びにポートフォリオとしての物件購入を行う場合等、1物件当たりの投資金額が最低投資額基準に満たないケースもあります。

物件売却方針

 福岡リート投資法人は、運用資産の長期保有を前提としていますが、中長期的には、個別物件の将来性、市場動向、資本市場環境等を勘案したリスク・リターンを考え、物件を売却しポートフォリオを組み直す方がよいと考えられる場合には、個別に物件を売却することもあります。具体的には、下記の事象が発生した場合、売却の検討を行うこととします。

 ●戦略的に売却を行うことが投資主の利益になると判断される場合

 ●戦略的に物件を保有し続ける意義が薄れた場合

福岡リート投資法人の内部成長

 既に保有している不動産等の収益性を高めて、キャッシュフローを増加させること

地域特化ならではのきめ細やかな運営

 福岡リート投資法人は、原則として、投資対象エリアを福岡・九州に限定しています。 地域に特化する理由は、不動産の運営に最も必要とされ、コンセプトに掲げる「Act Local」(情報収集力における差別化、土地勘、ネットワーク)、すなわち地域に密着し、きめ細やかな運営を実践することができると考えています。

 取得不動産の所在地、用途、物件売却主の状況等に鑑み、個別の物件の管理を行うに最適なPM会社を選択します。特にマルチテナントの商業施設のPM会社については、スポンサーである福岡地所グループからの選定を想定しています。マルチテナントの商業施設のPM業務には単なる物件管理を超えて、商業施設としての価値を持続するための販売促進の企画、イベントの実行、テナントミックスの企画、テナントの積極的入替えの実施、売上金管理、駐車場管理・運営など、多岐にわたる業務が含まれており、福岡地所グループはこれらの業務について極めて高い能力を保有しています。ただし、その報酬の設定方式については、インセンティブフィーの導入等により、投資主の利益のために努力する仕組みを設定しています。また、本資産運用会社は、PM会社のパフォーマンスチェックを定期的に行い、そのパフォーマンスが悪い場合はPM会社を入れ替える権利を確保しています。

商業施設の賃貸借契約形態

  商業施設のテナント賃貸借契約は、長期固定の賃貸借契約とすることを原則とします。ただし、アーバン、リージョナルのカテゴリーにおいては、賃貸期間に弾力性を持たせることや定期借家契約の導入等により、消費者のニーズを反映できるテナント入替えを行えるように運用します。また、売上歩合・GOP歩合型等の変動賃料を含む賃貸借契約を組み合わせることにより、景気拡大時の賃料収入増額も可能となる仕組みも取り入れています。

追加投資及びリニューアル

 物件の価値の維持・向上に必要な追加投資やリニューアルは積極的に行います。特に商業施設については、施設の老朽化のみならず、消費者ニーズの変化に対応し、より魅力ある施設であり続けるためのリニューアルや追加投資を行います。また、商業施設の増築により資産価値向上の可能性がある場合には、追加投資を行います。

福岡リート投資法人の財務戦略

 安定した資金調達を実現するため、金融機関との良好な関係を構築し、将来の金融環境変化による影響を軽減しつつ、低廉な資金調達コストを実現することで、財務体質の健全性を高めていくことを、財務方針としています。

エクイティ・ファイナンス 募集投資口の発行は、有利子負債比率等の本投資法人の財務状態を考慮し、投資口の希薄化にも配慮の上行います。
デット・ファイナンス 資金の借入及び投資法人債の発行を行う場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、調達方法、調達期間及び固定・変動の金利形態、調達コストといった個別の条件を検討します。加えて、固定・変動金利の比率、返済期限の分散、調達コスト等本投資法人の有利子負債全体のバランスを勘案した上で効率的で有効的な資金調達を図ります。
LTV水準 LTVは原則として60%を上限の目処として運用します。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。

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