MENU

森トラスト・ホテルリート投資法人・第10期(2021年2月期)決算・一口当たり分配金は2,532円

森トラスト・ホテルリート投資法人2021年2月期決算
  • URLをコピーしました!
Pocket

2021年4月20日に森トラスト・ホテルリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が未定としていたところ651円で着地しました。

目次

賃貸事業費用が固定費ばかり賃料収入が上がらないことがキツイ

森トラスト・ホテルリート投資法人2021年2月期決算NOI推移

2021年2月期は物件の取得・売却の動きはありませんでした。管理・運用面は、保有物件について各ホテルの事業環境や運営状況を月毎に把握した上で、収益向上を図るための協議をホテル側と継続的に行いましたが、変動賃料導入ホテルにおいては、前年同期比で賃料が大幅に減少しています。
2021年2月期末において、投資法人が保有する物件は5物件であり、取得価格の合計は108,500百万円、客室数の合計は1,469室となっています。なお、資産運用会社は、資産運用業務における環境に対する配慮、社会への貢献及び組織のガバナンス強化といったサステナビリティ(持続可能性)向上への取組みが、中長期的な投資法人の投資主価値向上に必要不可欠であるという認識のもと、「サステナビリティ方針」を制定し、実践しています。
2021年2月期は「E:環境」に関して、保有物件の設備改修による環境パフォーマンス向上の施策実施、「S:社会」に関しては、ホテルオペレーターにおいてチャリティイベントを実施、「G:ガバナンス」に関しては、従業員向けのコンプライアンス研修実施等の取組みを行いました。本投資法人は、2020年に実施されたGRESBリアルエステイト評価に初めて参加し、総合スコアのグローバル順位により5段階で格付されるGRESBレーティングで3スターを取得しました。また、ESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取組等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「グリーンスター」の評価を獲得しました。2021年2月期の業績は、営業収益1,214百万円、営業利益432百万円、経常利益326百万円、当期純利益325百万円となりました。

2021年8月期はGC注記が付くかもしれない

注目は決算短信でオリジナルの項目、継続企業の前提に関する事象等という箇所の記載です。こちらに2021年2月期は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、変動賃料導入ホテルの運営業績に基づく賃料が減少したことに伴い、営業利益が減少したこと等により、前期に引き続きSDSCR値(一定のストレスシナリオにおける元利金支払能力を判定する指標)が基準値を下回り、その結果、取引金融機関との借入契約上の取り決めにより、リファイナンス以外の新規借り入れや新たな投資法人債の発行等について引き続き全貸付人の同意が必要となります。また、前期決算においてSDSCR値が基準値を下回った効果として、一定額を元利金リザーブ口座に留保していますが、2021年2月期の決算を受けて前期同様、一定額を追加的に留保することを予定しており、次期決算期以降もSDSCR値が基準値を下回った状態が解消されない場合には、当該元利金リザーブ口座内の留保金をもって期限前弁済することその他の追加的な対応を行う可能性があります。もっとも、元利金リザーブ口座に留保する金額は各決算期に計上された減価償却費の合計の範囲内、かつ、租税特別措置法第67条の15第1項第1号及び第2号に規定する要件(導管性要件)に抵触しない範囲内であり、また、本投資法人の有利子負債に係る利払い及び運営コスト等の費用の支払については、固定賃料及び最低保証賃料によってカバーすることができ、投資法人には一定の手元資金があることから、有利子負債に係る利払いや運営コスト等の支払に直ちに悪影響を及ぼすものではないと判断しています。更に、投資法人は、ホテルオペレーターとの継続的協議によるコスト削減、国内利用客の宿泊需要の取り込み等、当該事象の早期解消に向けた取り組みを継続していきます。」と述べています。

何を言っているかよく分からないと思いますが、これは借入れを行う時にレンダーと結んだ金銭消費貸借契約または、投資法人債発行時に締結した、投資法人債総額引受契約書などの契約書で記載されている財務制限条項に抵触しているということです。財務制限条項としてトリガーとなるのはDSCRとLTVが一般的です。(場合によってはレンダーが計算したフリーキャッシュフローが利用されることもあります)、今回の場合はコロナウイルスの影響により営業収益が低すぎて支払利息負担割合が拡大したことが財務制限条項にヒットしたということです。ヒットすることである程度の金額を留保することを求められているため、フリーキャッシュフローが減ります。となると、借入金の返済、投資法人債の償還が出来ないかもしれません。ということです。

ただ、これが財務諸表の注記表にある「継続企業の前提に関する注記」では該当事項はありません。と記載しています。これはスポンサーが強力で信用力があることから財務制限条項にはヒットしているもののレンダーの態度は大きく変化してないと言えます。ただ、リファイナンス以外の新規借り入れや新たな投資法人債の発行等について引き続き全貸付人の同意が必要となるということからJ-REITへの貸付経験の少ない地方銀行が難色を示す可能性があります。今後は成長性を目指す運用ではなく有利子負債を減らす保守的な運用になると考えられます。もちろん投資家さんの分配金も減る可能性も高いと見るべきでしょう。利益が有っても現預金をリザーブ口座内の留保されることにより、分配金に回せる資金が無いという状態になる可能性があります。

着実に有利子負債を減らし、投資家さんの不安を取り除く戦略が必要

森トラスト・ホテルリート投資法人2021年2月期決算LTV・DSCR推移

DSCRが極端に低くなってしまっている・・・

投資法人は、国内有数の金融機関と強固かつ安定的な取引関係を構築するとともに、短期借入金と長期借入金のベストミックス、返済期限の分散化、バンクフォーメーションの分散化を図ることで、リファイナンスリスク及び資金調達コストの低減を目指しています。 LTVについては、60%を上限の目途(ただし、新たな投資不動産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。)としますが、平常時の運用においては、50%を上限の目途として運用しています。
2021年2月期においては、返済期限の到来した既存借入金3,000百万円の返済に充当するため、2020年11月に3,000百万円の借入れを行いました。この結果、2021年2月期末の有利子負債残高は53,975百万円、うち短期借入金は5,975百万円、長期借入金は48,000百万円(1年内返済予定の長期借入金11,500百万円を含みます。)となっています。なお、LTVは49.4%となっています。

森トラスト・ホテルリート投資法人2021年2月期決算

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次