東急リアル・エステート投資法人は、首都圏に所在するオフィス、商業施設、住宅及びそのいずれかを含む複合施設への限定投資を行い、特に成長力のある東京都心5区地域及び東急沿線地域へ重点投資を行います。
東急リアル・エステート投資法人の概要
東急リアル・エステート投資法人は、投資主価値の最大化を究極の目的とし、成長性、安定性及び透明性の確保を目指して資産運用を行います。
名称 | 東急リアル・エステート投資法人 |
住所 | 東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号 |
資産運用会社 | 東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | PwCあらた有限責任監査法人 |
決算期 | 1月・7月 |
東急リアル・エステート投資法人のポートフォリオ構築戦略
東急リアル・エステート投資法人の投資対象は、主に東京都心5区地域及び東急沿線地域に所在する、オフィス、商業施設、住宅及びそのいずれかを含む複合施設に限定しています。
複合施設にホテルが含まれる場合には、原則として以下の基準を満たすこととします。
①当該施設のホテル部分のテナントとの間で、ホテルの事業・運営リスクを低減できる内容の賃貸借契約を締結
②当該施設のホテル部分のテナントは、東急㈱等又は東急㈱等と同等の運営能力を有する者
商業施設とは
都心型商業店舗ビル | 主に、鉄道など主要交通機関からのアクセスが容易な都心の好立地にあり、比較的広域の商圏を持つ商業施設で、百貨店、スーパーマーケット、専門大店、ショッピングセンター、アミューズメント施設等多様な業態を含みます。 |
郊外型ショッピングセンター | 主に、鉄道に加え、自家用車のアクセスが容易な郊外の住宅地に立地し、近隣の居住者生活圏を商圏とする商業施設で、百貨店、スーパーマーケット、専門大店、ショッピングセンター、アミューズメント施設等多様な業態を含みます。 |
※オフィス、商業施設又は住宅のいずれかを含む複合施設の用途としては、例えば、ホテルが含まれますが、これらに限られません。なお、物件の用途がホテル等のみからなる場合、当該施設には投資しません。
※投資法人は、借地権が設定された土地(底地)の所有権を取得する場合があります。当該借地権が設定された土地上に存在する建物の用途は、オフィス、商業施設、住宅及びそのいずれかを含む複合施設のみとします。
投資対象地域
東急リアル・エステート投資法人は、東京都心5区地域及び東急沿線地域を主な投資対象地域とします。 ただし、首都圏以外には、投資しません。
区分 | 対象地域 | 投資比率 | ||
東京都心5区地域 | 都心5区 | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 | 85%以上 | |
都心5区に準ずる商業用不動産集積地 | 池袋周辺地域、後楽園周辺地域、上野周辺地域 | |||
東急沿線地域 | 東急沿線拠点地域 | 渋谷区 | ||
その他東急沿線地域 | 東京都 | 品川区、目黒区、世田谷区、大田区、町田市 | ||
神奈川県横浜市 | 港北区、神奈川区、中区、西区、度陸、青葉区、都築区 | |||
神奈川県川崎市 | 中原区、高津区、宮前区 | |||
神奈川県大和市 | ||||
その他 | 上記を除く、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を中心とした首都圏 | 15%以下 |
※渋谷区は、東京都心5区地域と東急沿線地域の両方に含まれます。
東京都心5区地域は、オフィス等の商業用不動産が高度に集積している日本の経済活動の中心地域です。
また、東京都心5区地域と接し、当該地域の経済活動の有力な後背地の1つである東急沿線地域は、東急線と東京メトロ線及び都営地下鉄線との相互乗り入れ運転等により、東京都心5区地域への良好な交通アクセスを確保しています。
都心5区及び東急沿線地域には、人口・世帯数の成長、相対的に高い所得水準及び、東急線の旅客人員の増加という本投資法人の成長性を確保できる要因が存すると考えられます。また、渋谷区のオフィス空室率は、東急沿線地域の拠点地域である渋谷区の相対的な優位性を示していると考えられます。
東急リアル・エステート投資法人の外部成長戦略
長期投資運用戦略(サーフプラン)
東急リアル・エステート投資法人は、ポートフォリオの質の向上を実現するため、不動産価格の循環性に着目した投資を行ってきました。具体的には、不動産価格の循環性に着目したバリュー投資及び逆張り投資によって、一方では物件の入替えを行いながら、他方では恒久的に競争力を有するポートフォリオ及び不況期にも強いバランスシートの形成を目指す、東急REIMが策定したTOKYU REITの戦略を採用し、不動産の好・不況の「波」を的確に捉えることが目標です。
投資スタイル=バリュー投資&逆張り投資
バリュー投資とは
各々の基準に対して割安なものに投資する手法。鑑定評価額やNOI(Net Operating Income)などから見て割安だと思われる物件を取得することで、高い利回り(トータルリターン)の確保を目指します。
逆張り投資とは
値下がり局面において、投資する手法。安値圏において物件を取得し、高値圏では売却することによって投資を回収することを目指します。
東急㈱等からの物件取得
東急リアル・エステート投資法人は、東急㈱等の保有物件に関して、安定的かつ継続的な物件の取得機会を確保するものとします。投資法人は、東急㈱等との相乗効果を通じて、東急沿線地域の付加価値向上による成長を目指すものとします。
東急㈱等の保有物件や新規開発物件が、投資法人を含む第三者に売却される場合、東急㈱等は、かかる回収投下資本を、東急沿線地域での不動産開発投資やその他の事業に投資すること(例えば、東急電鉄株式会社による鉄道輸送力増強工事、東急㈱等による駅構内の有効活用、駅ビルの開発、ケーブルテレビ等のインフラストラクチャー整備等)があります。かかる戦略的投資を通じて、住環境の質が向上するとともに、沿線人口及び集客力が増加し、ひいては東急沿線地域の経済活動が活性化され、以下の点でそれぞれ外部成長及び内部成長に寄与することが期待されます。
①開発物件の取得機会の増加
②消費の増加による商業施設の収益拡大及び渋谷を拠点とした業務機能の集積
東急沿線地域における東急㈱等以外の事業活動による成長
上記東急㈱等の事業活動による東急沿線地域の付加価値向上は、東急㈱等以外の事業者による事業活動を誘発し、東急沿線地域自体の経済力及びブランド力の更なる向上をもたらし、主に以下の点で外部成長及び内部成長に寄与することが期待されます。
①不動産開発投資の拡大に基づく物件取得機会の増大
②テナント出店機会拡大に基づく優良テナント獲得機会の増大
物件売却業務
物件特性に応じた売却手法を選定することで売買価格の最大化を目指します。物件売却先の選定については、売買価格に加え、資金調達力など取引の確実性も加味して判断します。
東急リアル・エステート投資法人の内部成長戦略
資産運用の最適化
東急リアル・エステート投資法人は、内部成長を達成するため、本資産運用会社に中長期的な観点からのポートフォリオ価値の最大化を目指した運用を委託します。本資産運用会社は、個々の物件について適切なプロパティ・マネジメント会社を選任し、当該プロパティ・マネジメント会社に対して指示しかつ監督し、主に以下の目標に基づき、個別物件のキャッシュ・フローの最大化を目指します。
①テナントとの信頼関係構築及びテナント営業により、テナント満足度の向上を図り、賃料及び稼働率の維持及び向上を目指します。
②効率的な管理運営により、不動産管理経費等の削減を目指します。
所在地域及び用途の特性に基づく内部成長
東急リアル・エステート投資法人の投資対象は、主として東京都心5区地域及び東急沿線地域に立地するオフィス、商業施設、住宅及びそのいずれかを含む複合施設とします。ただし、首都圏以外には投資しません。
地域及び用途における以下の特性に基づき、内部成長の実現を目指します。
①地域自体の成長力の相対的優位性
●東京都心5区地域を中心とした首都圏経済圏の相対的優位性
●東急沿線地域自体の経済力及びブランド力
②東急㈱等との協働体制の期待に基づく独自性
●東急㈱等が東急沿線地域を中心に展開する戦略的投資及び事業活動への期待
●テナントに関する情報網と地域密着性に裏付けられたテナント営業力
●原則として、東急㈱等をプロパティ・マネジメント会社とすることにより、投資法人以外の管理委託物件に対する不動産管理の経験及びそれらと併せてPM業務を行うという規模のメリットを活用した管理運営コスト削減力
テナントの選定基準
テナントの選定にあたり、外部機関から定期的にマーケットレポートを取得するなどして市場動向を把握し、適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、プロパティ・マネジメント会社を活用し、優良テナントの選定に努めます。
テナントとの賃貸借契約の締結に際しては、投資法人から資産の運用を受託した資産運用会社が、取締役会で決定された「資産運用計画」を含む社内規程等に従い、信頼度及び反社会的勢力との関係の有無を調査し、賃料水準、敷金の額、賃貸借契約期間、契約形態等の賃貸条件等を考慮し総合的に判断します。また、信頼度に関しては、テナントの財務状況、企業規模、資本関係等を検討するほか、商業施設の場合は立地や物件の規模と適合し、他のテナントとの調和が図れる業種・業態であることも考慮します。
なお、賃貸条件に関しては、「資産運用計画」に規定されている契約条件を上回っていることを条件とします。また、市場動向、テナントの信頼度、契約面積、空室率等を勘案した結果、「資産運用計画」に記載されている契約条件を下回る条件ではあるものの契約することが望ましいと資産運用部長が合理的に判断した場合には、同計画の策定及び変更と同様のプロセスを経たうえで取締役会の決議により決定します。
東急リアル・エステート投資法人の財務戦略
東急リアル・エステート投資法人の財務方針は、安定性、機動性及び効率性を基本とし、ファンディング・コストの低減、外部成長及び支出の極小化により投資主価値の最大化を図ります。
エクイティ・ファイナンス | 資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、市況を的確に把握し、かつ、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下)に配慮した上で、機動的な投資口の追加発行を行うものとします。 |
デット・ファイナンス | 機動性を重視した短期資金調達と、長期の安定的な資金調達とを効率的に組み合わせることがあります。コミットメント・ラインを設定し借入れを実行することがあります。運用資産上に担保を設定することがあります。安定的ファイナンスを目的として、投資法人債を発行し、資金調達先の分散を図ることがあります。 |
LTV水準 | LTVは60%を上限としますが、物件の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的に上記数値を超えることがあります |
キャッシュ・マネジメント(現預金等)
資金需給を的確に把握し、効率的かつ適切にキャッシュ・マネジメントを行うものとします。
自己投資口の取得及び消却
資本効率の向上及び投資主還元を目的として、自己投資口の取得及び消却を行うことがあります。
自己投資口の取得及び消却にあたっては、中長期的な投資主価値の向上の観点から、投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況、市場環境等を見極め、実施の可否を判断するものとします。