積水ハウス・リート投資法人は、質の高い「住居・オフィスビル」を中核として、積水ハウスと理念を共有し、全てのステークホルダーと共に発展することを目的とし、「質の高い社会資本の提供」と「投資主価値の最大化」を目指しています。
名称 | 積水ハウス・リート投資法人 |
住所 | 東京都港区赤坂四丁目15番1号 |
資産運用会社 | 積水ハウス・アセットマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | みずほ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
決算期 | 4月・10月 |
積水ハウス・リート投資法人は、質の高い「住居・オフィスビル」を中核資産とする安定性の高い「総合型REIT」です。
積水ハウス・リート投資法人のポートフォリオ構築戦略
プライム・プロパティ
積水ハウス・リート投資法人は、入居者の「持続可能な生活拠点」又はテナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地に所在する不動産並びに快適性や安全性など住居としての高い基本性能やテナント企業が求める機能性等を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識の下、「戦略的立地」に所在する「高品質」な居住用不動産及び商業用不動産等を「プライム・プロパティ」と呼称し、重点的な投資対象としています。
戦略的立地と高品質の考え方
戦略的立地 | 高品質 | |
居住用不動産 | 入居者の「持続可能な生活拠点」に適した立地 | 快適性や安全性等、住居としての高い基本性能を備え、社会的な要望としての環境配慮の取組等、街並みに相応しい建物等を総合的に判断 |
商業用不動産等 | テナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地 | テナント企業が求める機能性に加え、社会的な要望としての環境配慮やBCP拠点として相応しいスペックを備え、街並みにふさわしい建物等を総合的に判断 |
用途別投資比率
積水ハウス・リート投資法人は、「生活拠点」としての住居及び「事業活動拠点」としてのオフィスビルをポートフォリオの中核資産に位置付け、成長が見込まれるホテルへの投資にも取り組みながら、高い安定性とクオリティを兼備するポートフォリオを構築することを目指します。
なお、用途別の投資比率及び中長期的な投資比率目標は、それぞれ以下を目途とします。
アセットカテゴリー | 用途 | アセットタイプの例 | 投資比率 | 中長期的な投資比率目標 |
居住用不動産 | 住居 | 住居、学生寮、社宅 | 30%~55% | 45%程度 |
商業用不動産等 |
オフィスビル |
オフィスビル データセンター |
30%~55% | 45%程度 |
ホテル | ホテル | 0%~30% | 10%程度 | |
商業施設等 |
商業施設 サービスアパートメント シニアアセット(サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、デイケアセンター) |
0%~10% | 0%~10%程度 |
①住居の投資基準
立地
東京圏及び政令指定都市をはじめとする東京圏以外の全国主要都市並びにそれらの周辺通勤圏を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に東京圏を重点投資エリアとし、中でも東京23区を中心に投資します。
規模
原則として建物の延床面積が660㎡以上の物件を投資対象とします。
タイプ
以下の住居タイプの物件を投資対象とします。その中でも、相対的に高い賃貸需要と収益性が見込まれるシングル・コンパクトタイプを主な住居タイプとする物件に加え、エリア特性を勘案し、安定的な収益性が見込まれるファミリータイプを主な住居タイプとする物件を主たる投資対象とします。また、ラージタイプを主な住居タイプとする物件については、立地環境等を慎重に分析の上、厳選して投資を行います。
区分 | 投資基準・分類方法 | |
シングル | 主たるテナント | 単身生活者、会社都合による単身生活者 |
望ましい立地環境 | 交通利便性、商業利便性が高い周辺住環境 | |
コンパクト | 主たるテナント | 子供のいない共働きの夫婦、所得水準の高い単身生活者、会社都合による単身生活者及び夫婦、子供が独立した高齢の夫婦、自宅を仕事場とする独立事業者(SOHO) |
望ましい立地環境 | 交通利便性、商業利便性が高く、文化施設至近の周辺住環境 | |
ファミリー | 主たるテナント | 家族数2から4名程度の一般的家族、所得水準の高い単身生活者、会社都合による単身生活者、夫婦及び家族 |
望ましい立地環境 | 職場への通勤利便性、教育施設への通学利便性が高く、かつ閑静で治安良好な周辺住環境 | |
ラージ | 主たるテナント | 企業経営者、個人事業主、外国人駐在員等の富裕層 |
望ましい立地環境 | 東京圏主要都市部においても厳選した立地にあり、職場への通勤利便性が著しく高く、かつ閑静で治安良好な周辺住環境 |
②オフィスビルの投資基準
立地
三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。
規模
原則として、建物の延床面積3,000㎡以上の物件を投資対象とします。
③ホテル
立地
ビジネス需要又は観光需要が期待できるSクラスのエリアに所在するホテルに主に投資します。
エリアクラス | 具体的なエリア | 投資方針(取得価格ベース) |
Sクラス | 東京23区、横浜市、箱根町、京都市、大阪市、神戸市、札幌市、福岡市、名古屋市、広島市、金沢市、那覇市、浦安市 | 主たる投資対象(80%以上を目安) |
Aクラス | Sクラスエリアを除く、東京都、神奈川県、大阪府、京都府、兵庫県、北海道、福岡県、沖縄県、奈良県、長野県、静岡県、宮城県及び特定の需要層をターゲットとしたホテルが所在するエリア(エアポートホテル等) | 投資可能 |
Bクラス | Sクラス、Aクラス以外 | 厳選投資 |
規模
ホテルについては様々な業態があり、業態によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な規模の基準は設けず、対象不動産毎に、個別の立地特性による地域性、業態毎の規模・客室数等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
タイプ
主にシングルルーム又はダブルルーム(ツインを含みます。)で構成されるホテルを中心に投資するものとし、簡易宿泊所及びこれに類するものには原則として投資しないものとします。
ブランド
高い競争力を備えた最高級(Luxury)・高級(Upper Upscale)ブランドホテルに主に投資します。具体的なホテルクラス及び投資方針は以下のとおりです。
ホテルクラス | 具体的な内容 | 投資方針(取得価格ベース) |
Luxury Upper Upscale |
最高級ホテルブランドとして認知されているホテル 高級ホテルブランドとして認知されているホテル |
主たる投資対象(70%以上を目安) |
Upscale Upper Midscale |
スタンダードクラスとして認知されているホテルのうち、よりハイエンド層の顧客を対象としたホテル 一般的なビジネスユーズ(観光ユーズ)を対象としたスタンダードクラスのホテルとして認知されているホテル |
投資可能 |
Midscale Economy |
コストが抑えられた経済的なホテル Midscaleよりも低価格なホテル |
原則として投資しません |
④商業施設等
エリアについては、三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資しますが、商業施設等については様々な用途があり、用途によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な用途別の規模等の基準は設けず、対象不動産毎に、個別の立地特性による地域性、代替テナント確保の容易性、設備の汎用性等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
エリア別投資比率
積水ハウス・リート投資法人は、アセットカテゴリーごとの特性に鑑みて重点投資エリアを下表のとおり設定しており、居住用不動産については重点投資エリアである東京圏の中でも、豊富な賃貸需要と優良な物件供給が期待できると考える東京23区を中心に、また商業用不動産等については重点投資エリアである三大都市圏の中でも、テナント企業の事業活動の拠点として需要の厚みを背景として安定的な運用が期待できると考える三大都市(東京23区・大阪市・名古屋市)を中心に、それぞれ投資していきます。 なお、海外不動産についても投資可能としていますが、当面の間は慎重姿勢とします。
居住用不動産の投資エリア別投資比率
区分 | 具体的なエリア | 投資比率 |
東京圏 | ①東京都、②神奈川県、③千葉県、④埼玉県 | 70%以上 |
全国主要都市 | ①政令指定都市等、②上記①の通勤圏 | 30%未満 |
商業用不動産等の投資エリア別投資比率
区分 | 具体的なエリア | 投資比率 |
三大都市圏 | ①東京都、②大阪圏、③名古屋圏 | 80%以上 |
その他 | 三大都市圏以外の全国地域 | 20%未満 |
積水ハウス・リート投資法人の外部成長戦略
積水ハウスの物件供給力を活用した資産規模の拡大
積水ハウス・リート投資法人は、スポンサーである積水ハウスと締結したスポンサー・サポート契約に基づき、日本を代表するハウスメーカーである同社の有する賃貸住宅等の設計、施工及び請負等やオフィスビル開発を含む多数の大規模な都市再開発事業に関わる実績とノウハウを各物件の特性に応じて活用し、着実な外部成長を図っていく方針です。
積水ハウス・リートは、スポンサー・サポート契約を、本投資法人及び本資産運用会社並びに積水ハウスとの間で締結しています。
積水ハウス・リートは、スポンサー・サポート契約に基づいてを受けることができます
①積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与を受けることができます
②第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供を受けることができます
③ウェアハウジング機能の提供、及び(d)保有資産の再開発サポートを受けることができます。
物件の情報の獲得の面からは、積水ハウスが、自ら投資対象不動産等(積水ハウスが保有又は開発する日本国内の不動産等のうち、積水ハウスが本投資法人の投資基準に適合するものと合理的に判断する不動産等をいいます。売却しようとする場合、原則として第三者への提供に優先して資産運用会社に当該売却関連の情報が提供され、資産運用会社が購入の申込みをした場合には、更に所定の期間、本資産運用会社との間でのみ、売買の条件について誠実に協議するものとされています
主なパイプライン・サポート
●積水ハウスが保有する国内不動産等に関する優先交渉権
●第三者保有物件等に関する情報提供
●ウェアハウジング機能の提供
●保有資産の再開発サポート
独自のルートによる第三者からのソーシング
積水ハウスにおいて都市再開発事業(本投資法人の主な投資対象となる居住用不動産及び商業用不動産等の開発・運営・管理等)を長年にわたり経験したメンバーとJ-REITの資産運用会社において資産運用を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。資産運用会社は、積水ハウスからの情報提供に基づく資産取得による外部成長のみならず、かかるメンバーが積水ハウスでの開発・運営又はJ-REITの資産運用会社における資産運用等で培った資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用して、投資法人の外部成長を目指します。
開発物件に対する投資
建設中の不動産については、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断され、かつ完工・引渡しのリスクが低い場合、建物竣工後の取得及び当該不動産にかかるデュー・ディリジェンスの結果に問題がないことを条件として、当該建設中の不動産等にかかる不動産関連資産又は不動産対応証券の取得に関する契約を締結できます。
積水ハウス・リート投資法人の内部成長戦略
積水ハウス・リート投資法人は、積水ハウスとの間で締結したスポンサー・サポート契約に基づくサポートをはじめとする積水ハウスグループの不動産賃貸事業に係るノウハウ及び全国ネットワークを内部成長に活用します。更に、積水ハウスグループ以外のPM会社ともリレーション構築に努め、PM業務を委託することで、積水ハウスグループ以外の者が持つノウハウを集約し、内部成長に活用します。
テナントリレーションに基づくプロパティ・マネジメント
積水ハウスグループその他のPM業務を行う会社の中から、テナントリレーション、新規テナントリーシングに関する情報網、営業力、建物運用能力等に照らし、各運用資産の特性に応じて最適と判断される者にPM業務を委託することで、内部成長をより効果的に達成することを目指します。なお、PM業務の委託を行わなくても運用資産の管理・運営等に支障がないと判断する場合には、PM業務の委託を行わず、本資産運用会社が自らPM業務を行う場合があります。PM会社と協働して、テナントニーズを反映したきめ細かい対応を行い、テナント満足度の向上と解約によるテナント流出の回避に努めることで、賃料及び稼働率の維持向上を図る方針です。
賃貸借スキームの形態 | スキームの説明 |
ダイレクトリース | マスターリースを採用せず、信託受託者又は本投資法人がエンドテナント(賃借人)に直接賃貸する方式 |
マスターリース | 信託受託者又は本投資法人がマスターレッシー(転貸人)(注)に一括して賃貸し、マスターレッシーがエンドテナント(転借人)(注)に転貸する方式 |
パススルー型マスターリース | |
マスターレッシーが支払う賃料と、エンドテナントが支払う賃料が常に同額となるマスターリース方式 | |
賃料固定型マスターリース | |
マスターレッシーが支払う賃料を、転借人がマスターレッシーに支払う賃料にかかわらず一定額とするマスターリース方式 |
積水ハウス及び積和不動産グループの有するノウハウを活用した運営管理
運営管理の効率化及び管理費用の随時見直しにより、コストマネジメントに努める方針です。管理費用の削減に際しては、各運用資産の競争力及びテナント満足度の維持向上を図りつつ、総合的な観点から、以下のような一連のコストマネジメントを実施します。
●テナント退去後の原状回復費用及び予防保全の観点での計画修繕等工事に関する品質・コスト・工程の適切な管理
●運営管理の効率化と管理費用の適正化
●リーシングコストの適正化
●省エネ機器等の新技術の導入によるエネルギー使用量の削減に伴う水道光熱費のコストダウン
また、投資法人は、かかるコストマネジメントの実施に当たり、PM会社等の持つコストマネジメントに関するノウハウを運用資産の特性に応じて活用することで、投資法人が保有する運用資産のプレゼンスを高め、内部成長をより効果的に達成することを目指します。
リニューアル・バリューアップ等を通じた不動産価値の維持向上
各運用資産のPM会社等と協働の上、入居者及びテナント企業に対して、安全で快適な環境及び空間の提供と、その満足度を高める環境性能や高い機能性を確保するため、リニューアル・バリューアップ等を含む適切なメンテナンスを実施し、これらを通じて各運用資産の価値と競争力の維持・向上を図っていく方針です。また、本投資法人は、かかるメンテナンスの実施にあたりPM会社等のテナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウを活用し、各運用資産の競争力の維持及び向上を図る方針です。
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。ただし、テナントの満足度向上に向けた運営上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
マスターリース契約の導入による円滑な資産運用
運用資産の特性に応じた形態での賃貸借スキームの採用。 スポンサー・サポート契約に基づき、商業用不動産等の特性に応じて積水ハウスをマスターレッシーに採用するなど、高い信用力を有するテナントを確保します。
積水ハウス・リート投資法人の財務戦略
エクイティ・ファイナンス | 新投資口の発行は、中長期的な観点から、投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化に配慮しつつ機動的に実施するものとします。 |
デット・ファイナンス | メガバンクを中心とした国内有力金融機関との強固かつ安定的な取引を目指します。また、負債性の資金調達に際しては、マーケット環境及び本投資法人の財務状況等を総合的に勘案し、資金調達手法の多様化を図ります。固定金利及び変動金利の最適なバランスを図りつつ、借入期間の長期化を検討し、適切な運営を目指します。更に、返済期限の分散化等を図ることにより、リファイナンスリスクの低減を図ります。 |
LTV水準 | LTVは60%を上限の目処としますが、資金余力の確保に留意して保守的な水準で運営する方針です。ただし、新規投資や資産評価の変動等により、一時的にかかる上限の目処を超えることがあります。 |
キャッシュ・マネジメント
運用資産の管理・運営において高い専門性と実績を有する積水ハウスグループによるPM力を最大限に活用することで、運用資産の競争力の維持・向上に向けた適切な対応を行うと共に、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。具体的には以下の施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
●新規の不動産投資
●不動産の競争力を高める適切な維持管理修繕
●有利子負債返済による負債コストの削減
●利益超過分配の実施
●自己投資口の取得
また、キャッシュ・マネジメントに係る以下の基本的な方針を定めています。
●想定される資金需要に対応するため、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
●余剰資金の運用は、安全性及び換金性を考慮し、市場環境及び資金繰りの状況を十分に勘案の上、慎重に行います。
●テナントから預かった敷金及び保証金等を資金として活用することができます。