大和証券リビング投資法人は、住居、ヘルスケア施設等の特性に基づいて、地域・規模などを厳選した投資運用を行い、不動産市況の変化に対応した柔軟な運用を行うことで、将来にわたって安定的な巡航分配金の確保と、ポートフォリオの持続的な成長を目指しています。
大和証券リビング投資法人の概要
名称 | 大和証券リビング投資法人 |
住所 | 東京都中央区銀座6丁目2番1号 |
資産運用会社 | 大和リアル・エステート・アセットマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
決算期 | 3月・9月 |
大和証券リビング投資法人のポートフォリオ構築戦略
用途
主たる用途を生活・福祉関連施設とする不動産及びその不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とします。なお、投資法人は、社会経済的な利用形態において一体的に利用され得る複数の用途の一又は複数の不動産等又は当該不動産等を裏付けとする不動産対応証券の全部又は一部を取得する場合、当該複合資産の主たる用途が生活・福祉関連施設であり、かつ、投資法人が保有することとなる当該複合資産の主たる用途が生活・福祉関連施設であることを条件として、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるものとします。
用途区分 | 組入比率の目安 |
賃貸住宅セクター | 60%以上 |
ヘルスケア施設セクター | 40%以下 |
地域
大和証券リビング投資法人は、キャッシュ・フローの安定化及び中長期安定運用の観点から、日本の中でも人口が集中しており今後もその傾向が続くと見込まれ、また今後において高齢化率が高まり高齢化人口も集中すると見込まれる東京圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏を中心としつつ、ポートフォリオのリスク分散の観点から全国を対象として分散投資を行うものとし、人口の集中度、地方公共団体の財政状況等を勘案のうえ、中長期にわたって一定の需要が見込まれると考える地域に投資を行うものとします。
地域区分 | 定義 | 組入比率の目安 |
三大都市圏 | 東京圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県 | 70%以上 |
中京圏:愛知県、三重県、岐阜県 | ||
近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県 | ||
その他 | 上記三大都市圏を除く地域 | 30%以下 |
大和証券リビング投資法人の外部成長戦略
賃貸住宅セクターの戦略
物件タイプの組合せ
大和証券リビング投資法人は、賃貸住宅の利用形態が、そのユーザーの家族構成、収入、年齢等によって大きく異なること、また、その需要動向もユーザー層毎に異なることに着目しています。その上で、家族構成の変化、それぞれの住居に対する考え方の変化、地域特性等の要因を考慮し、多様化するユーザーのニーズを捉えて、投資判断を行います。
投資に際しては、ワンルームタイプ及びファミリータイプの2つの賃貸住宅カテゴリーの中から安定収益を生み出すと考える不動産を選別して投資を行う方針です。
ワンルームタイプ | ファミリータイプ | |
世帯像 | 単身者世帯又はDINKS(共働きで子供を持たない世帯)等 | 家族を有する世帯等 |
間取り等 | 1R、1K、1DK、1LDK | 2K、2DK、2LDK以上 |
立地・住環境 | 原則として主要交通機関からの距離が概ね徒歩10分以内であること。生活上の利便性が高いこと。 | 原則として主要交通機関からの距離が概ね徒歩12分以内又は一定数の駐車場が確保されていること。教育施設、商業施設等が周辺にあり、生活利便性が高いこと。嫌悪施設が近隣にないこと。 |
組入比率 | 50~80% | 20~50% |
東京都23区及び3大都市圏を中心とした全国の賃貸住宅への分散投資
賃貸住宅は、人口分布と同様に日本全国に分散して所在しています。本投資法人は、東京都23区及び3大都市圏を中心に、その他の地域にも存在する賃貸住宅の底堅い需要を取り込み、収益機会を獲得し、特定エリアに集中投資するリスクを低減するため、全国に分散投資を行います。
ヘルスケア施設セクターの戦略
大和証券リビング投資法人は、高齢化の進展、高齢者単身世帯及び高齢者夫婦のみ世帯の増加等に伴い、高齢者施設・住宅の需要は今後も増加すると考えています。このような考えのもと当面の間は、ヘルスケア施設の中でも高齢者施設・住宅を重点投資対象とします。
また、高齢者施設・住宅の中でも、株式会社が運営可能であることから今後民間資金を活用した施設数の大幅な増加が見込まれ、社会的需要が高いと考えられる有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅を投資対象の中心とします。
物件タイプの組合せ
ヘルスケア施設タイプ区分 | 概要 | ||
高齢者施設・住宅 | 有料老人ホーム | 介護付 | 高齢者に対して、介護、食事、洗濯・掃除等の家事又は健康管理等の日常生活に必要なサービスを提供する施設(老人福祉施設、グループホーム等を除きます。) |
健康型 | 介護保険法上の特定施設入居者生活介護(特定施設)の指定を受けた有料老人ホーム | ||
住宅型 | 特定施設の指定を受けていない有料老人ホームのうち、健康型以外の施設(介護が必要となった場合、外部の介護保険サービスを利用) | ||
サービス付き 高齢者向け住宅 |
住宅(面積・設備・構造)、入居者へのサービス及び入居者との契約に関する基準を満たす登録された賃貸住宅 | ||
その他の高齢者施設・住宅 | 高齢者を入居・利用の対象としたその他の介護施設及び居住施設 | ||
医療施設 | 病院、メディカル・モール | ||
その他 | ライフサイエンス施設(バイオテクノロジー、製薬、医療装置開発等の生命科学産業に従事する法人又は個人が入居する施設) |
「有料老人ホーム」とは、老人福祉法第29 条に定義される施設をいいます。
但し、サービス付き高齢者向け住宅に該当するものは除きます。
「サービス付き高齢者向け住宅」とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律に定められた登録基準を満たし都道府県に登録された賃貸住宅をいいます。
「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
東京圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏を中心とした全国のヘルスケア施設への分散投資
ヘルスケア施設は、中長期安定運用の観点から、人口が集中しており高齢者人口も集中すると見込まれる東京圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏を中心としつつ、ポートフォリオのリスク分散の観点から全国のヘルスケア施設に投資を行います。
未稼働物件及び低稼働物件への投資
大和証券リビング投資法人は、原則として安定した収益を生み出している物件を投資対象とし、原則として取得時点における賃料負担力が1.2倍を上回る物件、かつ高齢者施設・住宅においては、取得時点における入居率がオペレーターの財務、事業等の状況に応じた基準を上回る物件を投資対象とします。竣工前の物件への投資は原則として行わないものとします。ただし、オペレーターの活動状況及び物件の競争環境等から合理的に判断可能な入居率及び賃料負担力、オペレーターの信用力、並びに分配金に与える影響等を総合的且つ慎重に検討のうえ、将来的に安定した収益を生み出すと判断される場合は投資を行うことができます。
物件売却方針
投資対象資産の保有期間については、中長期保有を原則とします。ただし、不動産マーケットの状況・分析等から勘案して最適なポートフォリオの維持のために、必要に応じて投資対象資産の売却を検討するものとします。売却に際しては、当該投資対象資産の将来にわたる収益性、売却資産の個別性、市場動向等を総合的に勘案し、相対取引・入札等の方法により売却先を決定するものとします。投資基準を満たさない投資対象資産を取得した場合には、短期間での売却を検討する場合があります。
大和証券リビング投資法人の内部成長戦略
プロパティ・マネジメント会社の選定及び管理
大和証券リビング投資法人ではプロパティ・マネジメント業務等については外部の専門業者に委託するものとします。外部委託会社の選定に際しては、コストのみならず提供される業務の質も重視し、特に下記の点に留意するものとします。
項目 | 留意点 |
企業の内容 | ・業務の受託者としての実績 |
・業界の熟知度 | |
・法令等の遵守状況 | |
・財務の健全性 | |
業務執行体制 | ・主要スタッフの人数及び能力 |
・建物及び設備の管理・運営・保全能力 | |
・プライバシーポリシーの確立及びそれに対応する社内体制 | |
・関係業務のネットワークの有無 | |
コスト・報酬 | ・必要となるコストの妥当性 |
・報酬水準の妥当性 | |
・金額とクオリティのバランス |
また、複数の専門業者に対しリーシング及び建物管理等の周辺業務を委託することにより、適度な競合関係を発生させ管理の質を高めるとともにコストの削減を実現し、同時に各コストの透明性の向上を図ります。更に、必要に応じて業者の変更、契約内容の変更等を機動的に実施します。これにより、環境の変化にも対応することが可能となると考えます。なお、外部委託には上記のメリットがある反面、業者の選定及び管理については十分に考慮検討する必要があり、毎月書面等による報告を受けるとともに、必要に応じ適宜会議等を開催するものとします。
修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事
●大和証券リビング投資法人は、経年劣化への対応を目的とした修繕工事及び設備投資を行い、中長期的な収益安定を図ります。また、マーケット調査、テナントへのアンケート調査・ヒアリング等に基づき、経年劣化への対応を目的とした修繕工事及び設備投資とは別に、外観、共用部、間取り等の戦略的な改修工事を行うことで、投資対象資産の競争力の維持及び向上、リーシング業務の円滑化及び追加的な付加価値の創出等を図ります。
●修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事のための計画を「年次資産管理計画」及び「中期資産管理計画」において立案します。計画の立案に際しては、建物のライフサイクルコストを考慮した上でポートフォリオ全体において可能な限り特定の時期に改修工事が集中しないように計画します。資本的支出については、減価償却費相当額とのバランス、費用対効果等を考慮して計画します。また、計画の立案のために、本資産運用会社及びプロパティ・マネジメント会社は、各投資対象資産の現地調査を原則年1回以上実施するものとします。
●コンストラクション・マネジメント及びバリュー・エンジニアリング等の手法を積極的に導入して、効率的な工事計画を立案します。
ヘルスケア施設セクターのアドバイザー
ヘルスケア施設セクターは、オペレーターの事業運営能力が不動産の価値に大きく影響を与える事業用不動産です。そのため、投資法人は、ヘルスケア施設セクターの運用においては、業界の深い理解と知識、これらに基づく綿密な分析力、オペレーターとの良好な関係が重要です。
●資産運用会社は、1998年の設立以来、ヘルスケア施設セクターに特化した投資運用を行ってきたAIPヘルスケアジャパン合同会社と、ヘルスケア施設の運用等に関するアドバイザリー契約を締結し、ヘルスケア施設セクターの取得候補物件の選定・情報提供、管理及び運営並びにオペレーターとの協働等に関するアドバイスを受けています。これにより、投資法人の中長期にわたる安定的なパフォーマンス実現に寄与できます。
●大和証券リビング投資法人は原則として固定賃料による中長期の賃貸借契約をテナントであるオペレーターとの間で締結します。この場合においても、賃貸借契約の終了又は解除による収益の低下のリスクがあるため、ヘルスケア施設の運営管理方針・計画及び運営管理状況並びにオペレーターの状況について定期的に以下の事項のモニタリングに努めるものとします。
大和証券リビング投資法人の財務戦略
エクイティ・ファイナンス | 投資口の追加発行は、新たに取得する不動産の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率(LTV)、経済市況等を総合的に勘案のうえ、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。 |
デット・ファイナンス | 安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、有力金融機関とのいわゆるメインバンク体制を確立しつつ、借入先の分散、投資法人債の発行等による資金調達先の多様化にも積極的に取り組みます。 |
LTV水準 | 原則として60%を上限とします。ただし、新たな投資対象資産の取得、及びリファイナンス・リスクの軽減等のために、一時的に60%を超えることができるものとします。 |