オリックス不動産投資法人の配当金と利回り・資産規模拡大の運用戦略

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 オリックス不動産投資法人は、資産(Asset)・負債(Debt)・資本(Equity)についてそれぞれ戦略的な取組を推進しています。資産(Asset)サイドにおいては、総合型REITとしての用途分散・地域分散、資産の入替及びORIXシナジーの活用による外部成長戦略を、また、テナント分散の推進、ダイレクトPM及びORIXシナジー等を活用した内部成長戦略を推進し、ポートフォリオの収益性と安定性の向上を図っています。負債(Debt)サイドにおいては、資金コストの低減、財務安定性の向上及び適切なキャッシュマネジメントに配慮した財務戦略を推進し、財務面のコスト低減と安定性向上を図っています。これらの成果として、資本(Equity)サイドにおいては、中長期的な分配金水準の維持・向上を図りながら、投資主価値の安定的成長を図っています。

オリックス不動産投資法人の概要

名称 オリックス不動産投資法人
住所 東京都港区浜松町2丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー
資産運用会社 オリックス・アセットマネジメント株式会社
資産保管委託会社 三井住友信託銀行株式会社
一般事務受託会社(会計事務) 三井住友信託銀行株式会社
投資主名簿管理人 三井住友信託銀行株式会社
会計監査人 有限責任あずさ監査法人
決算期 2月・8月

オリックス不動産投資法人のポートフォリオ戦略

 オリックス不動産投資法人はポートフォリオの収益性と安定性の向上及び財務面のコスト低減と安定性の向上を図り、投資主価値の安定的成長を目指すことをその運用理念としています。

 ポートフォリオについては経済環境・市況変動の影響を受け、その収益性や競争力が変化していくことを勘案し、以下を検討の上、適時適切に物件の入替を実践しています。

用途比率の目安

 流動性及び中長期的な成長性を重視するとの観点より、オフィスを用途とする不動産関連資産への投資比率を概ね50%±10%(取得価格ベース)を目安として投資を行います。また、シクリカル(循環的)な不動産マーケットに対応できる安定性と成長性を兼ね備えた強固なポートフォリオを構築するためには、オフィスとは異なる収益特性を持つ不動産関連資産を、環境変化に合わせて柔軟かつ機動的に取得することが重要であると考えており、成長性の期待できる、又は安定性・収益性に優れたオフィス以外の用途の不動産関連資産(商業施設・住宅・物流施設・ホテル等)への厳選投資も行います。

 また、複合的な用途に供されている不動産関連資産について、その主たる用途を判断するに際しては、以下に掲げる基準を参考として決定します。

 ①賃貸可能面積のうち取得時点において50%超の面積を占めている用途を、その不動産関連資産の主たる用途とみなします。また、3以上の用途に供されている場合には、最大の面積を占めている用途を、その不動産関連資産の主たる用途とみなします。

 ②不動産関連資産が1棟の建物の場合には当該1棟を基準とし、団地その他の複数棟の不動産で構成される場合であり、かつ、当該複数棟の不動産関連資産が社会経済的に見て、いわゆる複合不動産施設として一体利用され、又は利用されることが予定されている場合には、当該複数棟の不動産関連資産全体を基準として主たる用途を判断します。この場合においては、本資産運用会社が合理的に決定した判断を最終の基準とします。

 ③不動産関連資産が区分所有建物である場合は、当該区分所有権に係る賃貸可能面積を基準とします。ただし、同一建物に係る複数の区分所有権を同時に又は段階的に取得する場合には、当該複数の区分所有権全体に係る賃貸可能面積を基準とします。

地域比率の目安

 首都圏の不動産関連資産への投資比率を概ね70%±10%(取得価格ベース)を目安として投資を行います。

地域区分 定義
首都圏 東京都心6区 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区
その他東京23区 東京都心6区を除いたその他東京23区
首都圏その他地域 上記以外の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県内の地域
その他地域 上記以外の地域

物件規模

 一定規模のポートフォリオにおいて用途の分散効果を極大化するという観点も踏まえ、個々の物件への集中リスクを低減することを目指します。ただし、オフィスについては、主としてテナント層が厚い中規模以上の不動産関連資産を中心に投資を行います。なお、オフィス用途以外の不動産関連資産については、各用途の特性等諸条件を考慮して投資判断を行うこととし、その用途に応じた規模を個別に判断します。

オリックス不動産投資法人の外部成長戦略

 ●強みである総合型REIT・ORIXシナジー・運営力を活用することで、リスクをマネージしながら 用途に拘らず厳選投資を行っています。
 ●マーケット環境を捉え物件の入替を継続的に検討しています。

ポートフォリオの質の向上

 ポートフォリオの競争力の維持強化や、ORIXシナジーによる専門性をもってリスクをマネージしつつ成長性・収益性・安定性の向上を目指せる物件への入替を推進します。また、用途毎に異なる不動産市況(期待利回り及び賃料)の変化を先取りし、用途間での物件の入替(ある用途の物件を売却し、別の用途の物件を取得すること)も行います。

売却益の活用

 オリックス不動産投資法人は、原則として中長期での物件保有を行います。また、既存の保有不動産関連資産の売却に際しては、売却益の最大化(又は売却損の極小化)を目指します。ただし、既存の不動産関連資産の売却により売却損が発生する可能性もあります。
 また、売却益が生じた場合に、売却益を分配金として投資主に還元する以外にも、圧縮積立金による内部留保を活用し、特殊要因のため一時的に分配金に悪影響が想定される場合に、当該内部留保を取り崩すことにより分配金の安定化を図ることが可能です。また、オリックス不動産投資法人の財務の安定性の向上のための一時費用(期限前弁済関連費用等)への充当に有効活用することもあります。

投資比率

 オリックス不動産投資法人は、その運用理念に基づいて環境変化を先取りし、総合型リートとして用途・地域の分散、資産入替及びオリックスシナジーを活用することによりポートフォリオの収益性と安定性両面の向上を目指した外部成長戦略を進めています。外部成長戦略におけるオリックス不動産投資法人の投資の目安は以下のとおりです。

  オフィス 商業施設 住宅 物流施設 ホテル等
用途 40~60% 40~60%
首都圏 60~80% 60~80%
その他地域 20~40% 20~40%

投資戦術

 ●強みである「総合型REIT」「ORIXシナジー」「運営力」を活かし、ポートフォリオクオリティ(収益性、安定性、成長性)を向上
 ●将来的に競争力低下が懸念される物件や収益性が比較的低い物件などを選別売却
 ●多様な資金ソースを活用した機動的な厳選投資
 ●現状はオフィス・都市型商業施設・複合物件を中心に取得を検討

未稼働物件の取得

 オリックス不動産投資法人は原則として、取得時点において稼働中(賃貸可能である状態を含みます。)の賃貸用不動産関連資産を投資対象とします。また、建物の老朽化・機能劣化、大規模な修繕工事若しくは再開発工事等の諸事由により、投資法人が保有する不動産関連資産において一時的に未稼働期間が発生する場合がありますが、投資法人のその時点における取得価格総額における未稼働の不動産関連資産等の割合の上限は10%とします。

物件売却方針

 資産運用会社は、オリックス不動産投資法人が保有する不動産関連資産の用途変更又は売却を行うことがあります。用途変更又は売却については、中長期的な不動産市況、当該不動産関連資産の予想収益、資産価値の上昇・下落の見通し、立地地域の将来性、当該不動産関連資産の劣化に対応する資本的支出額の見込み、当該不動産関連資産の競争優位性及びポートフォリオ構成における重要性等を考慮した上で、総合的に判断します。

オリックス不動産投資法人の内部成長戦略

オリックスグループのネットワーク

 資産運用会社とオリックス株式会社、オリックス不動産株式会社及びオリックス・エム・アイ・シー株式会社とのスポンサー・サポート契約等に基づく、オリックスグループからの不動産関連資産取得に係る情報の提供及び資産の運用に関連する各種業務のノウハウの提供を通じ、本投資法人は、リーシングや物件取得、施設運営等に際して、オリックスグループの広範なネットワークと知見を活用すること(オリックスシナジー)で投資主価値の安定的成長を目指します。

管理企画

 不動産の管理計画の企画・作成を行います。区分所有物件、借地物件及び共有物件においては、投資法人又は本件管理業務の委託者を代理して、他の区分所有者、借地権設定者及び他の共有者等との折衡・調整業務を行います。

リーシング・マネジメント業務

 不動産の賃貸の代理・媒介、テナントの誘致及びテナントとの交渉・折衝、並びにテナント入退去時の調整・立会い・テナントが負担すべき金銭の請求及び代理回収(弁護士法に抵触しない範囲に限ります。)等、不動産の賃貸に付随する業務を行います。

コンストラクション・マネジメント業務

 不動産の保全を長期的な観点から検討の上、不動産及び不動産に付帯する設備・造作等の新増設・改修・修繕計画を立案し、投資法人又は本件管理業務の委託者に対してかかる新増設・改修・修繕業務の発注の助言を行います。また、不動産の改修・修繕に伴うテナントとの交渉等の業務を行います。

建物等の不動産の管理業務

 不動産及び不動産に付帯する設備・造作等の保守、点検、清掃、衛生管理及び保安警備等に関する業務、並びに管理組合の集会及び理事会等への代理出席等の建物等の不動産の管理業務(投資法人又は本件管理業務の委託者が当該業務を第三者に委託した場合の、当該第三者に対する指図を含みます。)を行います。

ダイレクトPMを用いた運用

 オリックスグループの専門性と全国ネットワークをオリックスシナジーとして活用し、ダイレクトPMによる物件の競争力向上やテナントとの関係性強化を図ります。また、ダイレクトPMを通じた各施策推進のため、物件の取得から運営管理まで一貫して行う専任チームを配置。テナント側の意思決定者と直接コミュニケーションをとることのできる関係性の構築や、物件メンテナンス会社への直接差配による的確な管理・把握等を行っています。

ダイレクトPM 具体策
物件の競争力向上 ・テナントニーズに対応した柔軟なリーシング(賃貸区画の分割対応、用途変更等)
・テナント・マーチャンダイジングの推進(商圏に未進出の業態や相乗効果の高いテナントの誘致)
・戦略的CAPEX(資本的支出)による物件の質の向上(美装工事や省エネ設備の導入等)
テナントリレーションの強化 ・テナントの業況・業容の把握
・テナントの各種潜在ニーズの発掘
・オリックスグループの幅広い事業基盤と顧客基盤を活用したビ ジネスマッチング等によるテナント満足度の向上

質の悪い物件を入札してしまったら

 入札案件への参加等に際して複数の不動産関連資産をポートフォリオとしてまとめて取得することがあります。このようにまとめて取得した不動産関連資産の中には、運用方針に適合しないものが含まれる場合がありますが、そのような不動産関連資産に関しては、取得後に、資産運用会社において用途変更、改修・修繕作業及び早期売却等を行うことを検討します。

オリックス不動産投資法人の財務戦略

 オリックス不動産投資法人は、運用理念に基づき、投資主価値の安定的成長のための資金コストの低減と財務の安定性の維持・向上を図りながら、適切なキャッシュマネジメントを実施します。また、環境の変化に対応した財務戦略も実施します。財務戦略方針は以下のとおりです。

エクイティ・ファイナンス 投資口の追加発行は、資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、市況を的確に把握し、かつ、投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下、本投資口の1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮した上で、機動的な投資口の追加発行を行うものとします
デット・ファイナンス 資本市場及び金利の動向、投資法人の資本構成又は既存投資主への影響等を総合的に考慮し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態といった観点から効率的な資金調達手段を選定します。
LTV水準 LTV上限は70%とします。ただし、新たな不動産関連資産を取得する場合等に、短期的に借入等比率が予定範囲を超える場合があります。

■財務戦術

・固定金利比率を高水準で維持しつつ、借入期間の長期化および返済期日の分散を推進
・グリーンボンド含む投資法人債等の多様な調達を図る
・機動的な物件取得のための適正な借入余力と手元キャッシュの維持
・取得物件の収益性、安定性、成長性のバランスを考慮しながら投資主価値向上に適した資金ソースの選択

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