NTT都市開発リート投資法人の概要
NTT都市開発リート投資法人は、 NTT都市開発をスポンサーとしオフィスとレジデンスの複合型のJ-REITです。主として、人口及び産業集積度が高く、経済の基盤が確立されている東京経済圏及び地方主要都市に投資を行います。
名称 | NTT都市開発リート投資法人 |
住所 | 東京都港区赤坂八丁目4番14号 |
資産運用会社 | プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三井住友信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | PwCあらた有限責任監査法人 |
決算期 | 4月・10月 |
NTT都市開発リート投資法人は、プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社のメイン・スポンサーであり、不動産開発事業及び賃貸事業等を展開するエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社を中心に、同じくスポンサーであり、国内屈指の不動産アセットマネジメント会社であるケネディクス株式会社が培ってきた専門的な知識と経験を活かした資産運用を行っています。
NTT都市開発リート投資法人のポートフォリオ構築戦略
オフィスとレジデンスを投資対象不動産とする複合型運用
●賃料相場における変動の相関性が低い組み合わせにより景気変動による影響を軽減
●法人や個人といったタイプの異なるテナントの分散化
アセットタイプ | 性質 | テナントの需要 |
オフィスビル | 収益性 | 賃料動向が景気変動等の経済動向の影響を受けやすい |
レジデンス | 安定性 | 賃料動向が相対的に経済・社会情勢の変動の影響を受けにくい |
運用資産の東京経済圏への集中投資
主として、人口・産業集積度が高く経済の基盤が確立されている東京経済圏及び地方主要都市に投資を行います。
投資対象エリアを都心5区、東京23区(都心5区を除く)、東京周辺都市及び地方主要都市のカテゴリーに区分し、都心5区を中心としつつ、地域別のバランスにも配慮したうえで、オフィスとレジデンスとの用途の分散化を図ります。
投資対象エリア
都心5区 | 千代田区、中央区、港区、新宿区及び渋谷区 |
東京23区(都心5区を除く) | 都心5区を除いた東京特別区 |
東京周辺都市 | 東京23区を東京都、神奈川県(横浜市、川崎市等)、埼玉県(さいたま市等)、及び千葉県(千葉市等)の1郡3県 |
地方主要都市 | 札幌市、仙台市、静岡市、名古屋市、大阪市、京都市、神戸市、広島市、岡山市、福岡市等 |
運用基準
オフィスとレジデンス各々の用途について、各々を100%とした場合に、以下のような地域別の分散状況となることを目途として分散投資を行います。
用途/地区 | 都心5区 | 東京23区(都心5区を除く) | 東京周辺都市 | 地方主要都市 |
オフィス | 50%以上 | 0%~20% | 0%~40% | 0%~20% |
レジデンス | 50%以上 | 0%~40% | 0%~20% | 0%~20% |
※地区別の配分割合は、オフィスとレジデンス各々の用途別の内訳を指します。表の数値は幅を持って記載しているため、合計は100%とはなりません。また、この比率を目指して投資を行いますが、投資対象不動産の取得の過程でこの表のとおりとならないことがあります。
NTT都市開発リート投資法人の外部成長戦略
NTT都市開発のパイプラインによる物件取得
NTT都市開発がメイン・スポンサーに参画して以降、投資法人は、同社から継続的な物件供給を受けています。
物件選定基準
選別に際しては、規模、立地、建築及び設備・仕様等を考慮の上総合的に判断します。なお、以下の表に記載する項目は考慮にあたっての主な検討事項であり、本投資法人が取得した又は取得する不動産等が結果的に以下の項目の全てを満たさないこともあります。
規模 | オフィス | 原則として、賃貸可能面積約2,000㎡(約700坪)以上、かつ標準的な各階床面積が約300㎡(約90坪)以上の建物 | |
レジデンス | 原則として、用途タイプ分類に従い以下の規模を投資の目安 | ||
ワイドタイプ | 10戸以上(1戸当たりの専有面積模80㎡以上) | ||
ファミリータイプ | 20戸以上(1戸当たりの専有面積模60㎡以上) | ||
DINKSタイプ | 20戸以上(1戸当たりの専有面積模40㎡~80㎡) | ||
シングルタイプ | 30戸以上(1戸当たりの専有面積模25㎡~40㎡) | ||
立地 | ・街路の状況、鉄道等主要交通機関からの利便性、主要交通機関の乗降客数 | ||
・利便施設、経済施設、官公署、娯楽施設の配置、接近性及び周辺土地の利用状況並びに将来の動向 | |||
・日照、眺望、景観、騒音等の状況 | |||
・地域の知名度及び評判、規模等の状況 | |||
建築及び設備・仕様 |
・<各用途共通> 意匠、主要構造、築年数、施工業者等 |
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・内外装の部材の状況 <オフィスビル> |
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耐震性能 | ・新耐震基準(1981年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準を指します。)又はそれと同水準以上の性能の確保 | ||
・地震PML値(予想最大損失率)は20%未満を原則とし、20%以上の物件については耐震補強工事の実施等が取得の条件 | |||
建物管理関係 | ・関係法規(消防法、都市計画法、その他建築法規)の遵守状況等 | ||
・建物状況報告書における将来(10年程度)の修繕費見込み | |||
・管理状況の良否、管理規約の有無・内容、管理会社の質と信用力 | |||
環境・地質等 | ・アスベスト・フロン・PCB等の有害物質の使用・管理状況 | ||
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等 |
開発案件への投資
安定的な賃貸事業収入又はこれに類する収入が生じている、若しくは生じる見込みがある運用資産の取得を原則としており、投資法人が自ら土地を取得して建物を建設することは予定していません。
ただし、第三者が建築中の投資対象不動産については、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断でき、完工・引渡しのリスクが極小化されている場合等においては当該建物の竣工前であっても投資判断を行うことがありますが、この際には当該運用資産を取得するメリットと一定の期間について賃貸事業収入が生じないデメリットその他当該運用資産の取得により投資法人が負担しうるリスクを比較検討して投資判断を行うこととします。
物件売却方針
運用資産の中長期的な保有を基本方針とし、取得から短期間での売却は原則として行わない方針です。
個々の不動産等関連資産の売却は、
●戦略的に売却を行うことが本投資法人の収益に寄与する場合
●魅力的な購入価格を提示する投資家が現れた場合
●戦略的な重要性が失われた場合
●財務上の観点から売却を行う場合
等を考慮のうえ、総合的に判断します。
NTT都市開発リート投資法人の内部成長戦略
投資法人が不動産を管理するに当たっては、中長期的観点から継続的な設備投資による資産価値・競争力の維持・向上を図り、かつ収入拡大(賃料等の増加、空室率の低減、契約期間の長期化及び固定化等)と費用逓減(外注委託費、水道光熱費等の削減)による運用収益の安定的な成長を目指します。
物件運営方針
資産運用会社は、以下に示す定量・定性分析の内容を検討しつつ投資対象不動産に係る過去の関与度合い等を考慮に入れながら、委託業務の内容や報酬等について細部を交渉し、投資対象不動産毎に可能な限り最適なプロパティ・マネジメント業務受託者を選定します。
項目 | 内容 |
企業内容・実績 | ①プロパティ・マネジメント業務受託者としての経験・実績 |
②同一業界内での評判、マネジメント方針の一貫性 | |
③会社財務の健全性 | |
能力・体制 | ①市場への精通度合い |
②テナント探索能力及び仲介ネットワークの有無 | |
③物件に関する経理及びレポーティング能力 | |
手数料 | ●手数料の仕組み及び水準 |
利益相反 | ●近隣における競合プロジェクトの有無 |
NTT都市開発グループへのオフィスPM業務委託
2010年5月にメイン・スポンサーとしてNTT都市開発が参画して以降、本投資法人は同社による新規物件の提供・紹介といったパイプライン・サポートに加え、リーシング面でのサポートやプロパティ・マネジメント業務の提供など幅広いサポートを得ています。
NTT都市開発及びNTT都市開発ビルサービスにプロパティ・マネジメント業務の委託を集中することで、効率的で質の高いマネジメントサービスを享受し、ポートフォリオ価値の維持・向上に努めています。
●災害やテナントの退去等による収益の大幅な減少や変動を回避するため、適切な投資配分比率の維持や損害保険(火災保険、賠償責任保険等)の付保等の諸手段を講じるよう努めます。
NTT都市開発リート投資法人の財務戦略
機動的、かつ健全な財務バランスを堅持します
三井住友信託銀行株式会社等各金融機関との間でローンに関する基本合意書を締結し、物件取得にあわせて機動的なファイナンス(資金調達)を実行できる態勢を整えています。また、安定的な投資口の追加発行等も視野にいれ、LTVを60%以下に抑えることを基本方針とする等、健全な財務状態を堅持します。
※LTV(有利子負債比率)=[有利子負債÷(有利子負債+出資総額)]×100
エクイティ・ファイナンス | 募集投資口の発行を行うことができます。集投資口の発行については、ローン・トゥ・バリュー・レシオ等、本投資法人の財務状態を考慮し、投資口の希薄化にも配慮のうえ決定します。 |
デット・ファイナンス | 資金を借り入れる場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、将来にわたる経済・社会情勢の変化を予測のうえ、借入期間及び固定・変動の金利形態といった観点から効率的な資金調達手段を選定し、低コストの資金調達を図ります。また、運用資産の新規購入、敷金等のテナント預り金の返還等の資金需要への機動的な対応を目的として、コミットメント・ライン契約等の事前の融資枠設定又は随時の借入の予約契約を締結することがあります。 |
LTV水準 | LTVは60%を目途としますが、新たな運用資産の取得等にともない、一時的に60%を超えることがあります。 |