ヘルスケア&メディカル投資法人は、「介護」「医療」「健康」をキーワードとするヘルスケア施設へ重点投資することで、ヘルスケア施設の適切な維持管理及び新たな供給を促進させ、国民一人ひとりが安心して生き生き生活できる社会の実現を目指しています。
ヘルスケア&メディカル投資法人の概要
名称 | ヘルスケア&メディカル投資法人 |
住所 | 東京都千代田区神田小川町三丁目3番地 |
資産運用会社 | ヘルスケアアセットマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三井住友信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | PwCあらた有限責任監査法人 |
決算期 | 1月・7月 |
ヘルスケア&メディカル投資法人は、ヘルスケア施設への安定的な投資・保有を通じて、社会的なニーズの増大が見込まれ、かつ拡大が期待される介護・医療業界と資本市場をつなぐパイプの役割を担うことを目指しています。
ヘルスケア&メディカル投資法人のポートフォリオ構築戦略
投資対象とするヘルスケア施設の特徴
投資対象 | タイプ区分 | 特徴/概要 |
高齢者向け施設・住宅 | 有料老人ホーム | 老人福祉法に規定された高齢者向けの生活施設(老人福祉施設、グループホーム等を除きます。)。食事サービス、介護サービス、生活支援サービス、健康管理サービス等が提供されています。 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者住まい法に規定された基準に基づき、施設・仕様が高齢者向けに配慮され、少なくとも安否確認・生活相談サービスが提供されている賃貸住宅等。介護サービスについては、入居者は原則として外部の在宅介護サービス等を利用します。 | |
認知症高齢者グループホーム | 介護保険法に定める「認知症対応型共同生活介護」を主に行う施設で、認知症進行緩和のために少人数を単位とした共同生活が行われており、介護サービスやその他の日常生活上の世話及び機能訓練(リハビリ)が行われている施設です。 | |
その他高齢者向け施設・住宅 | 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(介護療養病床)等。 | |
医療関連施設等 | 病院・診療所、診療所及び薬局等が集積している医療モール等。 PETセンターや健診センター、各種先進医療を行っている施設等を含みます。 |
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その他 | 通所介護サービス(デイサービス)等を提供する事業所、フィットネスクラブ等の健康増進施設等。 |
投資対象地域
ヘルスケア&メディカル投資法人は、主として三大都市圏、すなわち首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県)及び中部圏(愛知県)、並びに中核都市圏に立地する物件に投資します。なお、「中核都市圏」とは、三大都市圏以外に所在する政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市をいいます。
地域区分 | 定義 | 組入比率 |
三大都市圏 | 首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県) | 80%以上 |
近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県) | ||
中部圏(愛知県) | ||
中核都市圏 | 三大都市圏以外の政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市 | |
その他 | 三大都市圏及び中核都市圏を除いた地域 | 20%以下 |
投資対象物件
ヘルスケア&メディカル投資法人が投資対象とするヘルスケア施設及びその他の資産については、下表に記載の組入比率をもって運用を行うこととします。但し、運用に際し、短期的にこの比率と一致しないことがあります。
組入施設 | 組入比率 | ||
ヘルスケア施設 | 高齢者向け施設・住宅 | 有料老人ホーム | 80%以上 |
①介護付 | |||
②住宅型 | |||
③健康型 | |||
サービス付き高齢者向け住宅 | |||
認知症高齢者グループホーム | |||
その他高齢者向け施設・住宅 | |||
医療関連施設等 | |||
その他 | 20%以下 |
ヘルスケア&メディカル投資法人の外部成長戦略
スポンサーによる強力なサポート
①シップヘルスケア
シップヘルスケアは、「医療」「保健」「福祉」「介護」「サービス」の5分野に特化した企業で、医療機関とのパートナーシップを核に、病院等の建替えや整備等に関するコンサルティングをはじめ、有料老人ホームや調剤薬局の運営に至るまで、幅広い事業展開を行っています。
シップヘルスケアの有する介護・医療業界における知見とネットワークを活用し、また同社又は同社子会社より介護・医療業界に精通した人材を受け入れることで、専門性の高い安定的な資産運用を行います。
②NECキャピタル
NECキャピタルは、NECグループの総合金融会社で、幅広い顧客層に対してリースや割賦等のファイナンスサービスを提供しています。また、企業、債権、資産の事業領域において、ファンド等を通じた投融資や各種アドバイザリー業務を子会社の株式会社リサ・パートナーズ(以下「リサ・パートナーズ」といいます。)を中心に展開しています。NECキャピタルはこれら多様な機能を活用し、急速に進む我が国の超高齢社会という社会的課題に取り組んでいく方針です。
NECキャピタルグループが有するこれらの機能や専門的ノウハウを活用することで、良質なポートフォリオの構築と安定的な運営を行います。
③SMBC
SMBCを傘下に持つ株式会社三井住友フィナンシャルグループは、企業の社会的責任(CSR)の重点課題を「環境」「次世代」「コミュニティ」の3つのテーマとして、社会課題の解決に取り組んでいます。その中で、少子・高齢化の急速な進展に伴い、重要な社会インフラであるヘルスケア施設の供給促進を金融面で支援することが、活力ある持続可能な社会の実現には不可欠であると考え、SMBCは本投資法人に参画しています。
SMBCは国内メガバンクの一角を占める金融機関であり、ヘルスケア施設の所有者やオペレーターを含む、幅広い顧客基盤を有しており、SMBCの顧客が資金調達の選択肢の一つとしてヘルスケア施設の流動化等を検討する場合に、本投資法人は、当該顧客の紹介を受けることができます。また、SMBCは上場不動産投資法人に対するファイナンスの分野でも、国内トップクラスの実績を有しています。SMBCからのサポートを最大限活用し、円滑な資金調達と資産規模の拡大を目指します。
多様なネットワークを活用した物件取得機会の確保
資産運用会社は、上記主要スポンサーを含む計8社のスポンサーとの間で、スポンサーサポート契約を締結し、また、サポート会社との間で、パイプラインサポート契約を締結しています。
このサポート契約を通じて、投資法人が購入するまでスポンサー又はサポート会社に対してヘルスケア施設を一時的に保有すること又はブリッジファンドの組成(ウェアハウジング)を依頼すること、各スポンサー又はサポート会社が保有する物件を売却しようとする場合には、本投資法人が優先的にその取得について交渉を行うことのできる権利(優先交渉権)の付与を受けること等の様々なサポートを得ることができます。
また、稼働中のヘルスケア施設だけでなく、開発中のヘルスケア施設についても、スポンサー及びサポート会社のウェアハウジング機能を活用し、開発後に優先交渉権を用いて取得すること等を検討することがあります。
物件売却方針
ヘルスケア&メディカル投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、安定収益を確保すること基本方針としており、運用資産の短期的な売却は原則として行わないものとします。但し、不動産マーケットの状況及び個別のヘルスケア施設の分析結果等を勘案し、最適なポートフォリオ維持のため必要と判断する場合には、運用資産の売却を検討することがあります。
ヘルスケア&メディカル投資法人の内部成長戦略
オペレーターとの賃料固定・長期の賃貸借契約
厳選したオペレーターと原則として賃料固定・長期の賃貸借契約を締結し、長期安定的な収益を確保しています。介護付有料老人ホームの場合、オペレーターに対しては、入居者からの入居一時金と月額利用料に加えて、入居者の要介護度に応じて市町村等から介護報酬が支払われます。一方、本投資法人は、オペレーターとの間で原則として賃料固定による長期の賃貸借契約を結ぶ方針であるため、入居者や市町村等からの収入の増減にかかわらず、長期安定的なキャッシュフローを獲得することができます。
リーシング方針
マーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行います。オペレーターとの賃貸借契約に際しては、信用度、賃料水準、賃貸借契約形態、期間及び再契約の可能性等を総合的に判断し、また、資産運用会社の社内規程に従い、反社会的勢力との関係をチェックします。
修繕計画・資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、ニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕計画を、オペレーター及びPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び設備投資は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。但し、オペレーター及び入居者/施設利用者の満足度向上に向けた政策上の観点から必要なものについては、早期に実施するものとします。
ヘルスケア&メディカル投資法人の財務戦略
ヘルスケア&メディカル投資法人は、安定的な財務運営を行うために、以下について定めています。
エクイティ・ファイナンス | 投資口の追加発行は、長期的かつ安定的な成長を目指し、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期及びスポンサーのウェアハウジング機能の活用可能性、LTV、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間並びに経済市況等を総合的に勘案し機動的に行います。 |
デット・ファイナンス | 資金の借入れ及び投資法人債の発行は、資金調達の機動性及び財務の安定性のバランスに配慮し、長期比率、固定比率、返済期限の分散、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。 |
LTV | LTVの水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として65%を上限とします。但し、新規投資や資産評価の変動により、一時的に65%を超えることがあります。 |
安定した財務基盤
主要スポンサーであるSMBCを中心とした強固なバンクフォーメーションを構築しています。すなわち、本投資法人は、主要スポンサーであるSMBCを中心とした複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築くことで、運用資産の着実な成長を達成する最適な財務基盤を構築することを目指します。また、借入金の長期化、金利固定化及び返済期限の分散により財務の一層の安定化を図ります。
利益超過分配等
ヘルスケア&メディカル投資法人が対象とする運用資産は、オペレーターとの賃貸借契約上、建物価値の維持に必要な設備投資額(資本的支出)が、他のアセットクラスと比較して、低く抑えられる傾向にあります。減価償却費相当額の余剰資金を以下のように有効活用することで、1口当たりの分配金の最大化を目指します。
①修繕や資本的支出への活用を通じた運用資産の競争力強化
②借入金の返済資金の一部への充当を通じた金利コストの削減
③新規取得物件の取得資金の一部への充当を通じた分配金利回りの向上
④利益を超える金銭の分配(利益超過分配)