日本プロロジスリート投資法人は、物流施設を主な投資対象とする上場不動産投資法人として、安定的な収益の確保並びに保有する特定資産の規模の拡大及びその価値の向上を通じ、投資主価値の最大化を目指しています。
日本プロロジスリート投資法人の概要
名称 | 日本プロロジスリート投資法人 |
住所 | 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 東京ビルディング21階 |
資産運用会社 | プロロジス・リート・マネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三井住友信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
決算期 | 5月・11月 |
日本プロロジスリート投資法人は、プロロジス・グループのサポートを活用して、着実な資産規模の拡大とその価値の向上に努めます。そして、物流施設の堅実な運営を行うことにより、賃貸借契約の直接の当事者であるテナントだけでなく、荷主を含む物流施設の利用者、消費者及び地域社会などの様々なステークホルダーと良好な関係を構築していき、これにより投資主価値の最大化を実現することを目指しています。
日本プロロジスリート投資法人のポートフォリオ構築方針
投資対象エリア
日本プロロジスリート投資法人は、日本国内をグローバル・マーケットとリージョナル・マーケットに区分し、それぞれを投資対象として、地域の経済変動及び災害等の特定地域に重大な影響を及ぼす事情による収益変動を最小化するべく、地域分散を図ったポートフォリオを構築します。
投資対象エリア | 比率 | |
グローバル・マーケット | 関東エリア | 70%以上 |
関西エリア | ||
リージョナル・マーケット | 中部エリア | 30%以上 |
東北エリア | ||
九州エリア | ||
その他の消費地や生産地に近い等、物流拠点として適地である地域 |
①グローバル・マーケット
●国際的な貿易・物流の重要拠点/エリア
●国内の最大消費地を背景に控えた、国内物流の最重要拠点
②リージョナル・マーケット
●国内物流の重要拠点/エリア
●グローバル・マーケットに次ぐ規模の国内消費地を背景に控えた、国内広域物流に必須のエリア
物件タイプ
マルチテナント型物流施設とビルド・トゥ・スーツ型物流施設の両タイプの物件を取得することにより、ポートフォリオの収益性と安定性の向上を目指します。
物件タイプ | 比率 |
マルチテナント型物流施設 | 80%程度 |
ビルド・トゥ・スーツ型物流施設 | 20%程度 |
①マルチテナント型物流施設(複数企業向け物流施設)
●Aクラス物流施設としての機能を有し、幅広いカスタマーのニーズに対応可能な設計・仕様
●5年を基本とした賃貸借契約
●複数のテナントに賃貸することによるテナントと業種の分散化とキャッシュフローの安定化
●プロロジス・グループの国内外のカスタマーとのリレーションに基づくリーシング力の活用
②ビルド・トゥ・スーツ型物流施設(特定の企業向け物流施設)
●Aクラス物流施設としての機能を有し、カスタマー固有の要望を取り入れた施設
●当初のテナントとの賃貸借毛役満了後に新しいテナントへの対応を可能にする、又はマルチテナント型物流施設への転換を可能にする物件の汎用性確保
●10~15年を基本とした賃貸借契約とし、シングルテナントから中長期安定的なキャッシュフローを獲得
●個別のカスタマーのニーズを満たすプロロジス(日本)の開発に関する専門的知識の活用
物件の投資比率の割合はマルチテナント型物流施設80%程度、ビルド・トゥ・スーツ型物流施設が約20%程度としています。
日本プロロジスリート投資法人の外部成長戦略
投資基準
日本プロロジスリート投資法人の投資対象は、道路・鉄道・港湾等と同様に重要な基幹インフラである物流施設のうち、主としてAクラス物流施設を中長期的な観点に立って保有・運営することにより、我が国の物流機能の発展に貢献しつつ、保有する特定資産の収益性、安定性及び将来性を確保し、投資主価値の最大化を目指しています。
また、対象物流施設が所在するエリアと施設の仕様・機能を重視して、投資を行います。投資対象エリアとしては、特定地域への集中投資は行わず、物流拠点として競争力のある地域における戦略的物流拠点として優位性を有する不動産への厳選投資を行っています。
テナント | ポートフォリオの収益性確保の観点から、テナントの信用状況、業種及びその業況トレンド、継続使用の蓋然性、賃料水準及び賃貸借条件について評価します。 | |
立地 | 物流拠点としての用途地域、周辺環境の適格性(自然環境や夜間操業の可否等) | |
物流拠点としての交通立地上の優位性・競争力の把握(消費地及び生産地への近接性、高速道路及び主要道路へのアクセス、港湾・空港・鉄道・トラックターミナルへのアクセス等) | ||
施設利用者の通勤の利便性 | ||
物流拠点としての周辺環境における地域将来性 | ||
法規制や開発計画に対する公的助成制度の有無 | ||
規模 | 則として、延床面積16,500㎡(5,000坪)以上の大型施設とします。また、1物件当たりの取得価格がポートフォリオ全体に占める割合は、原則として当該物件取得後の投資総額の20%以内とします。 | |
耐震性 | 個別物件のPML値は原則15%以下とし、15%を超えた場合には、地震保険の付保を検討します。 | |
建物の状況 | 主要施設 | 有効天井高、柱間隔、車路、床荷重、トラックバース、駐車場・トラックヤードの広さ、事務所、休憩室等 |
設備 | エレベーター、垂直搬送機、空調・照明、電気通信容量、ドックレベラー等 | |
汎用性 | 他テナントへの汎用性 |
日本プロロジスリート投資法人が考えるAクラス物流施設
①物流機能の集約・統合が可能な概ね延床面積16,500㎡(5,000坪)以上の規模を有する
②人口集積地、高速道路のインターチェンジなどの交通の結節点又は主要な港湾若しくは空港に近接している
③効率的な保管と作業を可能にする広大な倉庫スペース(概ね1フロア5,000㎡超)、十分な床荷重(概ね1.5トン/㎡以上)、有効天井高(概ね5.5m以上)、柱間隔(概ね10m以上)が確保されている
④上層階の倉庫スペースへ直接トラックがアクセス可能な車路を有するか、又は十分な能力の垂直搬送設備を備えている
⑤免震性能又は高い耐震性能等、自然災害に備えた構造上・設備上の安全性が確保されている
プロロジス・グループの物流不動産開発及び運営における特徴
プロロジス・グループは、日本における大型賃貸用物流施設開発のパイオニアとして、これまでの経験に裏打ちされた専門的知識や独自に開発したノウハウを活用し、物流施設開発用地の選定・取得から施設の管理・運営(プロパティ・マネジメント)までにわたる一貫した業務(ワンストップ・サービス)を提供しています。
物件売却方針
投資対象資産について、中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを目的としており、短期的な売却は原則として行わないものとします。ただし、不動産マーケットの状況及びその分析等から勘案して最適なポートフォリオを維持していくために、投資主価値が長期的に向上すると判断できる場合においては投資対象資産の売却を検討します。
売却に際しては、必要に応じて鑑定評価などの第三者意見を参考にしつつ、マーケット調査、取引事例及び当該投資物件の将来にわたる収益性等を勘案した上で、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的にその可否及び売却価格を判断します。
日本プロロジスリート投資法人の内部成長戦略
収益の安定性
日本プロロジスリート投資法人は、アセットクラスとしての物流施設を他の用途の不動産と比較した場合、以下の理由等により収益の安定性とリスクの分散に優れていると考えています。
●テナントとの長期契約の締結が可能なため、稼働率が安定する傾向があります。
●施設のメンテナンスコストや、テナント退去後に新たなテナントを入居させるために必要な設備投資コストを低く抑えられます。
更に、物流施設の中でもとりわけAクラス物流施設については、構造的な供給不足、産業構造の変革によるテナントからのニーズの高まり及びそれらを背景としたリーシング活動による賃料増額の可能性の存在等の要因により、収益の安定性がより高まっていると考えられます。
また、日本プロロジスリート投資法人は、マルチテナント型物流施設とビルド・トゥ・スーツ型物流施設の両タイプの物件を取得し、両タイプの物流施設をバランスよく組み合わせたポートフォリオを構築することにより分散効果を追求します。すなわち、テナントと業種の分散及びシングルテナントとの長期の契約を通じての賃貸借期間の分散が図られ、収益の安定性とリスクの分散を図るための基盤を確保することができると思考しています。
資産管理方針
日本プロロジスリート投資法人は、マーケット動向、テナント動向を把握し、適正な賃貸条件の検討と、プロロジス・グループを活用した優良テナントの確保に努めます。
テナント選定方針 | テナントの選定に際しては、信用度及び反社会的勢力との関係をチェックし、賃料水準、賃貸借契約期間、敷金金額、業種、テナント構成、必要とされる賃貸面積等を総合的に判断します。 |
賃貸条件の決定方針 | 運用資産に係る物件ごとの状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性を総合的に勘案し、テナントとの直接契約、パススルー型マスターリース、サブリース型マスターリースの中からより効率的な方式を選択することを基本とします。 |
定期建物賃貸借契約の活用 | テナント又はエンドテナント(転借人)との賃貸借契約については、借地借家法に基づく定期建物賃貸借契約を原則として活用します。 |
修繕計画に関する方針 | 修繕工事の実施に際しては、原則として個別物件の減価償却費の範囲内で行うものとしますが、ポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して総合的に判断します。ただし、テナントの営業政策上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。 |
日本プロロジスリート投資法人の財務戦略
日本プロロジスリート投資法人は、中長期的に安定した収益の確保及び運用資産の規模・価値 の着実な成長並びに運用の安定性と効率性を確保するため、計画的かつ機動的な財務戦略を立案し、実行しています。
エクイティ・ファイナンス | 新投資口の発行は、運用資産の長期的かつ安定的な成長を目的として、資本市場の動向、経済環境、新たな運用資産の取得時期、投資法人の資本構成及び既存投資主への影響等を総合的に考慮し、投資口の希薄化に十分に配慮した上で、機動的に行うものとします。 |
デット・ファイナンス | 借入金及び投資法人債の限度額はそれぞれ1兆円とし、借入金と投資法人債の合計額が1兆円を超えないものとし、原則として無担保及び無保証で調達するよう努めます。資金の借入先については、信用力、実績、資金量を総合的に判断し、継続的に安定的な取引が可能な金融機関を選定するものとします。 |
LTV水準 | LTVは、原則として、60%を上限とし、平常時の運用において50%前後で運用することとします。ただし、新たな運用資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。 |
減価償却費の活用方法
保有するAクラス物流施設の価値の維持・向上のため、戦略的に資本的支出を行っています。また、保有物件の長期修繕についても、Aクラス物流施設としての競争力が損なわれないような各種の施策を計画的に実施しています。こうした資本的支出の原資としては、保有物件が創出するキャッシュ・フローのうち減価償却相当分から利益超過分配を差し引いたものとして内部留保された現預金を充当しています。物流不動産は、土地価格に比べて建物価格比率が高いという特性を有し、減価償却費が他のアセットクラスに比較して、高めに計上される傾向にあります。また、建物価値の維持に必要な設備投資額(資本的支出)も低く抑えられる傾向にあります。そのため、こうした資本的支出実施後においても、十分な現預金を内部留保し財務の健全性を維持しています。
利益超過分配
●長期修繕計画を勘案して実施する修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当等の他の選択肢についても検討の上、健全な財務の安定性が維持される範囲内で、当該営業期間の減価償却費の60%に相当する金額(ただし、法令等(投信協会の定める規則等を含みます。)において定める金額がこれより低額な場合には、当該金額)を限度として、本投資法人が決定した金額を、継続的利益超過分配として、原則として分配する方針です。
●新投資口の発行等の資金調達行為により、投資口の希薄化又は多額の費用が生じる場合、地震等の自然災害や運用資産における火災その他の事故等の発生により、修繕費等の支出や損失等の発生等が生じる場合、訴訟和解金等の一時的な費用や不動産等売却損が発生する場合等の一定の場合において、一時的に1口当たり分配金の金額が一定程度減少することが見込まれるときに限り、1口当たり分配金の金額を平準化することを目的として、投資法人が決定した金額を、一時的利益超過分配として、一時的に分配することができるものとします。