2026年2月26日にインヴィンシブル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,127円のところ2,186円で着地しました。
日中関係悪化前の時点で1割未満と限定的

2025年12月期のインヴィンシブル投資法人は、ホテル特化型REITとしての強みを生かし、積極的な外部成長と内部成長の両面で成果を上げました。特に外部成長では、2025年8月に国内ホテル10物件を取得価格総額342億円で取得し、ポートフォリオの拡充を実現しました。取得した物件には「伊良湖オーシャンリゾート」や「霧島国際ホテル」、「亀の井ホテル」シリーズなど地方リゾート型ホテルが含まれており、今後の需要拡大が期待されるエリアへの投資を強化しています。その結果、保有資産は156物件、取得価格ベースで6,873億円規模に拡大し、ホテルポートフォリオは取得価格総額6,465億円となり、J-REITのホテルポートフォリオとして最大規模となりました。
内部成長では、国内ホテル市場の好調な宿泊需要を取り込み、既存保有ホテルの収益力向上が進展しました。主要テナントであるアイコニア・ホスピタリティ㈱グループが運営する91物件では、客室稼働率が85.9%、ADR(平均客室単価)が15,612円、RevPARが13,406円となり、いずれも前年同期を上回りました。売上高は前年同期比7.8%増、GOPは同8.9%増と着実に増加しており、インバウンド需要の拡大や大阪・関西万博による宿泊需要の高まりが追い風となりました。
また、住居ポートフォリオにおいても堅調な成果を残しました。新規契約の約77%で賃料増額を実現し、新規契約賃料は従前比3.8%上昇しました。更新契約でも半数以上で賃料引き上げに成功しており、住居ポートフォリオ全体のNOIは前年同期比1.7%増加しました。さらに、ホテル資産の競争力向上に向けた戦略的CAPEXも積極的に実施し、「ホテルマイステイズプレミア浜松町」や「ホテルマイステイズ福岡天神南」などで客室改装や設備更新を行うことで、将来的な収益拡大基盤の強化を図りました。
有利子負債金利固定化率を6割程度としていたことが功を奏する

2025年12月期の財務運営では、成長投資と財務健全性の両立が意識されました。ホテル10物件の取得に際しては、公募増資を行わず、借入金と手元資金を活用することで投資口価値の希薄化を回避しながら資産規模を拡大しました。期末時点の有利子負債残高は3,486億円となり、有利子負債比率は49.2%、LTVは42.4%と適切な水準を維持しています。平均借入利率は1.30%となりました。
また、金利上昇局面を見据えたリスク管理も進められました。新規借入の約6割を固定金利で調達し、固定金利比率を高い水準で維持することで、将来的な金利上昇リスクへの耐性を強化しています。借入期限の分散にも取り組み、安定的な資金調達基盤の構築を継続しました。
サステナビリティ分野では、資金調達手法にもESGの考え方を取り入れています。当期に実行した借入金のうち約2割をグリーンローンで調達し、環境配慮型のファイナンスを推進しました。また、ホテル資産に対する戦略的CAPEXの実施は、単なる収益向上だけでなく、建物の長寿命化や快適性向上にもつながる取り組みとなっています。こうした施策を通じて、中長期的な資産価値の維持・向上と持続可能な運用体制の確立を進めています。
さらに、ポートフォリオ全体の資産価値向上も顕著でした。期末時点における保有物件の鑑定評価額合計は8,310億円となり、含み益は2,013億円、含み益率は32.0%を記録しました。既存保有物件の鑑定評価額も前期末比で2.7%上昇しており、良好な市場環境と資産運用成果が評価額の押し上げにつながりました。
総括
2025年12月期のインヴィンシブル投資法人は、旺盛なインバウンド需要や宿泊市場の回復を背景として、ホテルポートフォリオの収益力を大きく高めることに成功しました。国内ホテルの業績向上に加え、10物件の新規取得による外部成長も実現し、J-REIT最大規模のホテルポートフォリオをさらに拡大しました。
こうした成果を受け、営業収益は285億9,100万円と前期比13.9%増、当期純利益は166億8,800万円と同16.2%増となりました。1口当たり分配金は2,186円となり、年間では4,081円と、インヴィンシブル投資法人へ改称した2010年以降で過去最高水準を達成しました。
今後についても、スポンサーグループが保有・運営するホテル群を活用した豊富なパイプラインを有しているほか、国内外の宿泊需要拡大や戦略的CAPEXによる既存物件の競争力強化が期待されます。財務面では固定金利比率の維持やグリーンローン活用を進めており、成長性と安定性を両立した運用を継続できる体制が整っています。2025年12月期は、ホテル特化型REITとしての優位性を改めて示した一年であったといえるでしょう。
