2026年2月25日にジャパン・ホテル・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,461円のところ5,061円で着地しました。
ポートフォリオにおける東京エリア及びフルサービスホテルの投資比率は上昇

2025年12月期のジャパン・ホテル・リート投資法人は、旺盛なインバウンド需要と堅調な国内宿泊需要を背景に、外部成長と内部成長の双方を推進しました。2025年の訪日外国人数は過去最高となる4,268万人に達し、宿泊・観光市場は極めて良好な環境が続きました。こうした市場環境を捉え、本投資法人はホテル特化型REITとして資産規模の拡大とホテル収益力の向上に取り組みました。
外部成長では、2025年1月に博多中洲ワシントンホテルプラザを売却し、同年2月にヒルトン福岡シーホークを643億5,000万円で取得しました。固定賃料主体で賃料上昇余地の限定的だった資産から、国内外のレジャー需要拡大が期待される大型フルサービスホテルへ資産を入れ替えることで、ポートフォリオの質を大きく向上させました。その結果、保有資産は51物件、取得価格総額は5,153億円へ拡大しました。さらに2026年3月にはハイアット リージェンシー 東京を1,260億円で取得しており、取得価格ベースの資産規模は6,413億円に達しています。
内部成長では、ホテル運営会社や賃借人との連携によるアクティブ・アセットマネジメントを継続しました。客室改装を通じたADR向上、精緻なレベニューマネジメントによる高単価需要の取り込み、マーケティング施策の強化などに取り組んだ結果、変動賃料等導入28ホテルのRevPARは18,545円と前年比14.3%増加し、GOPは294億97百万円と前年比16.5%増加しました。また、2025年のホテル売上高は817億円超となり、利益率も向上しています。
加えて、収益力向上を目的とした戦略的CAPEXも積極的に実施しました。なんばオリエンタルホテル、オリエンタルホテル東京ベイ、オリエンタルホテル沖縄リゾート&スパなどで客室改装や施設刷新を実施し、ホテル競争力を高めています。こうした施策により、取得後のホテルではNOI利回りや鑑定評価額の上昇が確認されており、内部成長戦略の成果が着実に表れています。
毎期返済額の平準化を上手く行っている

財務面では、資産取得と財務健全性の両立を重視した運営が行われました。2025年2月のヒルトン福岡シーホーク取得に際しては、643億5,000万円の新規借入を実施し、借入期間の長期化と返済期限の分散を図りました。さらに、既存借入金310億円の借換えを行い、そのうち194億円はグリーンローンで調達しています。また、投資法人債についてもグリーンボンドを含む新規発行を実施し、資金調達手段の多様化を進めました。
当期末の有利子負債残高は2,693億円、時価LTVは35.3%、固定金利比率は80.1%となりました。平均残存年数は3.5年と安定した水準を維持しており、保守的な財務運営方針のもとで成長投資を継続しています。また、㈱日本格付研究所(JCR)及び㈱格付投資情報センター(R&I)からは、いずれも見通し「ポジティブ」を伴う格付を取得しており、財務基盤の強さが評価されています。
サステナビリティへの取り組みでは、環境負荷の低減を重要課題として位置付けています。2050年までに床面積当たりGHG排出量を2017年度比で30%削減する目標を掲げ、省エネルギー対応や環境認証取得を推進しています。2025年末時点で環境認証取得物件は16物件、延床面積ベースで59.5%に達しました。
また、GRESBリアルエステイト評価では8年連続で「Green Star」を取得し、2025年は「GRESB Rating」で3スター評価を獲得しました。加えて、グリーンファイナンス・フレームワークを活用し、累計259億円のグリーンファイナンス調達を実現するなど、環境配慮型の資金調達も積極的に進めています。
総括
2025年12月期のジャパン・ホテル・リート投資法人は、好調な宿泊マーケットを背景に、ホテル特化型REITとしての強みを最大限に発揮した一年となりました。ヒルトン福岡シーホークの取得による外部成長と、客室改装やブランド戦略、収益管理強化による内部成長を両立させたことで、ポートフォリオ全体の収益力を大きく高めています。
その結果、営業収益は455億64百万円、当期純利益は271億45百万円となり、いずれも大幅な増益を達成しました。1口当たり分配金は5,061円となり、前年同期比28.5%増加しています。また、変動賃料収入が総収益の過半を占めるまで成長しており、ホテル市場の拡大を着実に取り込める収益構造が形成されています。
今後は、ハイアット リージェンシー 東京の取得や大規模改装後の収益拡大に加え、ヒルトン東京お台場や沖縄ハーバービューホテルでの大型リニューアルによる価値向上も予定されています。国内宿泊需要とインバウンド需要の中長期的な成長を背景に、アクティブ・アセットマネジメントを軸とした差別化戦略を継続し、さらなる資産価値向上と分配金成長を目指す姿勢が明確に示された決算であったといえるでしょう。
