2026年4月16日に日本アコモデーションファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,346円のところ2,405円で着地しました。
都心居住ニーズを捉えた戦略的成長への挑戦

2026年2月期の日本アコモデーションファンド投資法人は、東京都心部を中心とした堅調な賃貸住宅市場を追い風に、積極的な内部成長と戦略的な資産入替を推進しました。当期にはパークキューブ錦糸町とパークキューブ上野桜木の2物件を取得し、取得総額は26億円となりました。一方で、福岡市所在のパークアクシス高宮東を譲渡し、ポートフォリオの安定性と成長性の向上を図る戦略的な資産入替を実施しています。これにより運用資産は141物件、取得総額3,496億円へ拡大しました。
厳しい取得環境が続く中でも、三井不動産グループのパイプラインや独自ルートを活用し、東京23区を中心とした築浅・高競争力物件を厳選して取得しています。また、第41期に予定されているパークアクシス押上レジデンス、パークアクシス西馬込、キャンパステラス九大学研都市の取得も含め、ポートフォリオの質的向上を継続しています。
内部成長では、住宅REITの中でも際立った成果を上げました。賃貸住宅の稼働率は期中平均97.6%と高水準を維持しながら、入替え時賃料変動率は15.6%と過去最高を更新しました。さらに更新時賃料変動率も1.9%となり、増額打診率97.3%、応諾率87.5%という成果を残しています。特に東京23区では入替え時賃料変動率が17.1%に達しており、都心居住ニーズの高まりを収益成長へ結び付けています。
加えて、大川端賃貸棟やパークキューブ亀有、パークキューブ小岩では専有部リノベーションを実施し、一部住戸では40%を超える賃料上昇を実現しました。単なる市場環境の追い風に依存するのではなく、バリューアップ投資によって競争力を高め、収益力向上を図る運用が進められています。
保守的財務運営とESG推進の両立

財務面では、長期固定金利を中心とした保守的な資金調達方針を継続しました。当期末の総有利子負債は1,697億円となり、LTVは51.3%、鑑定LTVは32.4%となっています。長期負債比率は98.8%、長期固定負債比率は87.8%と高水準を維持し、平均借入金利は0.72%、借入先金融機関数は31社に分散しています。安定した財務基盤を確保しながら、将来の投資機会に備える体制を維持しました。
業績面では、営業収益137億2,700万円、当期純利益63億5,300万円を計上しました。パークアクシス高宮東の譲渡益による内部留保299百万円を積み増しつつ、1口当たり分配金は2,405円となり、公表予想を34円上回る結果となりました。分配金成長率は前年同期比4.5%、巡航ベースのEPU成長率も3.5%となり、掲げている年率2〜3%の成長目標を上回る実績となっています。
サステナビリティの取り組みでも着実な進展がみられました。GRESBリアルエステイト評価では「1 Star」と「Green Star」を取得し、エネルギー起源CO₂排出量は2015年比で32%削減しています。また、共用部照明のLED化については賃貸住宅120物件で完了しており、計画的な省エネルギー化を推進しています。さらにFIT非化石証書の購入による再生可能エネルギー活用や、電力使用量計測装置の導入なども進めています。
加えて、企業版ふるさと納税を通じた地域貢献や、三井の住まいLOOPによる居住者サービスの充実、大川端賃貸棟での地域コミュニティ活動への協力など、環境面だけでなく社会面での取り組みも継続しています。
賃貸住宅REITとしての強みを磨く次なる成長ステージ
2026年2月期は、賃料上昇局面を最大限に取り込みながら、内部成長と外部成長をバランスよく実現した期となりました。高い稼働率を維持しながら入替え時、更新時ともに過去最高水準の賃料増額を達成したことは、本投資法人の運営力の高さを示しています。東京23区を中心とした賃貸住宅市場の需給逼迫を的確に捉え、収益力の拡大につなげました。
また、戦略的な資産入替によって東京都心部への集中度を高める一方、福岡の学生マンション取得など地域性を活かした投資も進めています。三井不動産グループの豊富なパイプラインを背景に、物件取得と資産入替を機動的に進められる点も大きな強みです。
今後も都心居住需要の拡大と賃料上昇を背景に、内部成長による収益拡大と厳選投資による外部成長を両立しながら、年率2〜3%の分配金成長目標の達成とその先のアップサイド創出を目指す方針です。高品質な住宅ポートフォリオと堅実な財務運営を基盤に、持続的な投資主価値向上への取り組みが期待されます。
