ヒューリックリート投資法人は、投資主やテナントをはじめとする全てのステークホルダーの利益に貢献することを目的とし、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を実現することで、投資主価値を最大化していくことを目指しています。
ヒューリックリート投資法人の概要
名称 | ヒューリックリート投資法人 |
住所 | 東京都中央区八丁堀二丁目26番9号 |
資産運用会社 | ヒューリックリートマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | みずほ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | みずほ信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | みずほ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
決算期 | 2月・8月 |
ヒューリックリート投資法人のポートフォリオ構築戦略
ヒューリックリート投資法人は、中長期にわたり競争力を有するポートフォリオを構築するため、周辺環境を含めた立地の選定を最も重視しつつ、用途、規模、クオリティ、スペック(仕様)及びテナント等の個別要素を総合的に勘案したうえで慎重に投資判断を行います。
ヒューリックリート投資法人は、東京コマーシャル・プロパティは、我が国の経済成長とともに、都心への人口・企業集中による収益を享受することが期待できる優位な投資対象であると考えています。
「東京コマーシャル・プロパティ」への重点投資
オフィスビル | 商業施設 |
①東京都及び東京都近郊の政令指定都市 | ①東京都及び投資京都近郊の主要都市 |
②原則として「最寄駅から徒歩5分以内」 | ②原則として「最寄駅から徒歩5分以内」又は「繁華性のあるエリア」 |
日本の行政機関の多くが東京都に所在し、経済活動や文化活動も東京都を中心として展開されていることから、東京都に人口が集中していく傾向は、今後も継続すると考えられます。
したがって、基本的に東京都の「駅近」又は「繁華性のある地域」に立地する東京コマーシャル・プロパティは、我が国の経済成長に加え、東京都への人口・企業集中による収益を享受することが期待できる優位な投資対象であると考えています。
オフィス
東京都は、我が国の経済活動の一大中心地であり、東京都に本社をかまえる企業だけでなく、大阪圏や名古屋圏をはじめとする東京都以外の地域に本社のある企業や、我が国に進出する外資系企業の多くも、東京都にオフィスを置く傾向があります。また、東京都はグローバルな比較においても、JR・私鉄・地下鉄といった大量輸送交通網が充実しているという企業活動に有利な特性と優位性を有しており、その勢いは東京都近郊の政令指定都市へも拡大しつつあります。
また、東京23区には、他の国内主要都市を大きく上回る賃貸オフィスビルのストックが存在しており、国内外の多様な投資主体が参画する売買マーケットが形成されており、東京都近郊の政令指定都市にも同様の賃貸オフィスビルのストックが集積しつつあります。本投資法人は、立地とスペックを中心に選別的に投資をすることで、投資主価値の最大化を目指ています。
商業施設
東京圏への人口集中傾向は変わらず、東京都及び東京都近郊の主要都市に立地する商業施設の商圏人口の増加は継続すると見込んでおり、特に広域な商圏をターゲットとすることができる「最寄駅から徒歩5分以内」又は「繁華性のあるエリア」は、今後も商業施設立地としての優位性を保持していくエリアであると考えています。
日本の一大消費地である東京圏の中で、広域な商圏をターゲットとすることが期待できる立地にあり、かつ、立地エリアの特性に適合した物件タイプの商業施設は、商圏人口の多さと潜在的な消費力の大きさに着目して出店するテナントのニーズに応えることができ、安定的な稼働とマーケット賃料の上昇局面における賃料増加額が期待できる優位な投資対象であると本投資法人は考えており、重点投資対象である「東京コマーシャル・プロパティ」の一つの柱として、東京都及び東京都近郊の主要都市に所在する商業施設に投資します。
「次世代アセット・プラス」への投資
現在の投資対象は「有料老人ホーム」、「ネットワークセンター」、「ホテル」、「その他次世代アセット・プラスの投資対象資産」となっています。
投資法人が投資対象とする次世代アセット・プラスについては、堅実な需要が見込まれ長期的に安定した収益の獲得や、中長期的な投資主価値の最大化に資すると判断しています。
有料老人ホーム
有料老人ホームの事業運営は、ホスピタリティサービス(コンシェルジェ、食事、トランスポーテーション、イベント等コミュニティ関連のサービス)からヘルスケアサービス(介護、看護、リハビリテーション、医療連携等のサービス)まで多岐にわたるため、運営の安定性の観点からその内容と経済合理性について十分に検証する必要があります。
また、介護事業者には中小事業者、新規参入事業者が多数存在するため、介護事業者としての事業継続性について検証を行うことも必要です。
有料老人ホームへの投資に際し、物件のデューディリジェンスに加えて、当該施設のテナントである介護事業者に対し、外部専門家等と協働して介護事業者の事業、財務及び遵法性等に係るデューディリジェンスを実施し、当該介護事業者による長期的に安定した施設運営が可能であると判断できる物件のみに投資します。また、取得後は、当該介護事業者の事業、財務及び遵法性等の状況についてモニタリングを実施することで、運営リスクの管理に努めるものとし、将来において介護事業者の事業継続性に懸念が生じた場合には、運営を引き継ぐ後継テナントの確保等を検討します。
なお、投資法人が投資する有料老人ホームは、優良立地の一定のスペックを備えた施設であり、必要に応じた後継テナントの確保は相対的に容易であると考えています。
ネットワークセンター
近年の通信技術の動向によれば、通信網を介さず端末同士で通信が可能となるP2P通信技術や、地上の基地局ではなく衛星を介して通信を実現する衛星通信等のように、現在のネットワークセンターを必要とする通信手段に対し、代替的なモデルの出現が考えられます。しかしながら、P2P通信方式には、日本全国で通信を可能とする携帯端末を発信源とする長距離向けの電波が存在しないという技術的な問題があり、衛星通信方式には、通信コストが高額であることに加え、衛星1機当たりの利用回線数に限りがあり、ユーザー数が増加してもユーザー1人当たりの負担が軽減できないことから、実用に耐えられないという問題があります。
これらの通信手段が、現在の通信方法を補完する形で存在することは考えられるものの、主流となる可能性は極めて低く、今後もネットワークセンターを必要とする通信手段が中心になっていくと考えています。
ホテル
足許では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響から、訪日外国人旅行者数の減少や日本国内での移動自粛により観光及びビジネス需要が大幅に減少していますが、今後問題が収束するに連れて、需要の回復も見込まれるであろうと現段階では考えています。
「ホテル」という資産区分への投資につきましては、政府による我が国観光立国化への各種の施策等を背景として、新型コロナウイルス感染症の流行等がもたらす影響については注視する必要があるものの、中長期的には観光やビジネス等の安定的な利用に加え、インバウンドによる訪日外国人の増加等により、「ホテル」は中長期的には安定的な需要が見込まれる投資対象であると考えられること、スポンサーであるヒューリックは、3K(高齢者・観光・環境)ビジネスのうち、観光の一環としての「ホテル」にも注力し、テナント管理・運営等のノウハウや経験を培っており、これらを活用することで適切なリスク管理等が可能であること、ヒューリックが今後開発し、又は保有する物件について、一定のパイプライン(取得機会)が見込まれること、等の理由により、原則として長期賃貸借契約を前提とする次世代アセット・プラスとして「ホテル」をその投資対象としています。
ヒューリックリート投資法人の外部成長戦略
ヒューリックリート投資法人は、中長期的に投資主価値を最大化していくために、外部成長及び内部成長の両面においてヒューリックグループによるサポートを活用しつつ、本資産運用会社独自の取組も組み合わせながら、ヒューリックとの間で「資産循環モデル」を実現し、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を目指します。
外部成長 | |
スポンサーサポート契約の内容 | ①優先交渉権の付与 |
②第三者保有物件の売却情報提供 | |
③ウェアハウジング機能の提供 | |
④物件共有への協力 | |
⑤物件取得及び運用業務の補助サービス |
①優先交渉権の交渉
スポンサーは、ヒューリックグループ対象不動産(一部の投資対象については除く)の売却を検討する場合には、原則として、資産運用会社に当該対象不動産に関する合理的に提供戒能な情報を提供し、第三者に優先して交渉する権利を付与しています。
②第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサーは、第三者から対象不動産の売却に関する提供された場合、所有者その他関連当事者の事前承認を得られることを条件に、投資法人及び資産運用会社に対し、当該対象不動産に関する合理的に提供可能な情報を速やかに提供します。
③ウェアハウジング機能の提供
資産運用会社は投資法人による不動産等の機動的な取得を目的として、スポンサーに対し、当該不動産等の投資法人への譲渡を前提とした一時的な保有(ウェアハウジング)を提供することがてき、スポンサーは、当該依頼について真摯に検討します。
④保有資産の再開発サポート
ヒューリックリート投資法人の保有資産について、一定以上の築年数が経過し、資産運用会社が再開発の必要を認めた場合には、資産運用会社は第三者に先立ち、スポンサーに対して再開発討議の検討・提案を実施します。
物件売却方針
ヒューリックリート投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、収益の維持・向上を図ることを基本方針としているため、原則として運用資産を短期間で売却することは企図しないものとします。但し、不動産マーケットの状況及びその分析等を勘案して最適なポートフォリオを維持するために必要であると判断する場合には、保有資産の売却を検討することがあります。
ヒューリックリート投資法人の内部成長戦略
内部成長 | |
スポンサー契約の内容 |
①リーシングサポート |
②プロパティ・マネジメント業務の受託 | |
③環境配慮投資・ノウハウの活用 | |
④マーケット情報の提供 | |
⑤人的サポート・ノウハウの提供 | |
⑥保有資産の再開発サポート | |
⑦固定賃料のマスターリース | |
⑧商標(ヒューリックブランド)の使用 |
①リーシングサポート
スポンサーは最新の賃貸需要動向に関する情報を本資産運用会社に提供するものとします。
また、スポンサーは、本投資法人が保有又は取得を検討する物件に関して本投資法人が依頼した場合には、ヒューリックグループによるリーシングサポートの提供につき真摯に検討するものとします。
②プロパティ・マネジメント業務の受託
スポンサーは、資産運用会社から要請された場合には、原則として、プロパティ・マネジメント業務を受託します。
③環境配慮技術・ノウハウの提供
スポンサーは、本資産運用会社が依頼する場合には、リニューアル工事や物件運営において、テナント満足度の向上、水道光熱費の節約等に資する環境配慮技術・ノウハウを提供するよう可能な範囲で努力するものとします。
④マーケット情報の提供
スポンサーは、不動産の売買、開発に関するマーケット情報を提供するとともに、不動産の賃貸マーケットに関する情報を提供するものとします。
⑤人的サポート・ノウハウの提供
スポンサーは、本資産運用会社から要請された場合には、人材の確保(本資産運用会社による本投資法人の運営に必要な物件取得・物件管理・財務・IR等のノウハウを有する人材の派遣(出向・転籍)を含みます。)に合理的な範囲で協力するものとします。
⑥保有資産の再開発サポート
投資法人の保有資産について、一定以上の築年数が経過し、資産運用会社が再開発の必要を認めた場合には、資産運用会社は第三者に先立ち、スポンサーに対して再開発計画の検討・提案を要請します。なお、資産運用会社は、再開発された物件について優先交渉権を付与されます。
⑦固定賃料のマスターリース
スポンサーは、投資法人が保有し又は取得を検討する物件につき、投資法人の運用資産の安定収益確保を目的として、資産運用会社から要請がなされた場合には、ヒューリックグループによる、固定賃料のマスターリース契約の締結及び諸条件につき真摯に検討するものとします。
投資主の利益とヒューリックグループの利益の一体化
ヒューリックリート投資法人は、投資主の利益とヒューリックの利益とを一致させ、ヒューリックリート投資法人とヒューリックが協働して事業を行う体制を築いています。
ヒューリックによるセイムボート出資
ヒューリックは、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に関して以下のことを本資産運用会社に対して表明しています。
・投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと
・投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について、特段の事情がない限り、継続して保有するように努めること
スポンサーとの物件共有
ヒューリックリート投資法人は、規模や個別特性を勘案し、必要に応じてヒューリックとの共有も含めて検討を行う方針です。
ヒューリックリート投資法人の財務戦略
エクイティ・ファイナンス | 新投資口の発行は、運用資産の規模と価値の成長を目的として、既存投資主の権利の希薄化およびそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期およびスポンサーのウェアハウジング機能の活用可能性、LTV、有利子負債の返済時期および返済までの残存期間ならびに経済市況等を総合的に勘案して決定します。 |
デット・ファイナンス | 資金の借入れおよび投資法人債(短期投資法人債を含みます。)の発行に際しては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランスに配慮した資金調達を行います。具体的には長期比率、固定比率、返済期限の分散、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。 |
LTV水準 | LTVは原則として60%を上限とします。但し、新規投資や資産評価の変動等により、一時的に60%を超えることがあります。当面はポートフォリオ規模等を考慮して40%から45%程度の水準で保守的に運営し、中長期的には40%から50%の水準で運営することを目指します。 |
自己投資口の取得及び消却
中長期的な投資主価値の向上の観点から、資本効率の向上及び投資主還元を目的として、自己投資口の取得及び消却を行うことがあります。
キャッシュ・マネジメント
保有するポートフォリオにおける資金需要を常にモニタリングし、的確に把握して、効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行うものとします。