三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、日本有数の総合デベロッパーである三井不動産と物流施設事業における戦略的な協働関係(戦略的パートナーシップ)を構築し、物流不動産を主な投資対象として投資主価値の最大化を目指しています。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の概要
名称 | 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人 |
住所 | 東京都中央区銀座六丁目8番7号 |
資産運用会社 | 三井不動産ロジスティクスリートマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 税理士法人令和会計社 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
決算期 | 1月・7月 |
三井不動産との戦略的パートナーシップ
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、三井不動産と物流施設事業における戦略的パートナーシップを組み、「開発(物流施設の開発)」、「マネジメント(物流施設の運営・管理)」及び「保有(物流施設の保有)」という三井不動産の物流施設事業におけるバリューチェーンの中で、「開発」機能については三井不動産が役割を担い、「マネジメント」機能、すなわち、アセット・マネジメント又はリーシングを含むプロパティ・マネジメントについては資産運用会社又は三井不動産がそれぞれ役割を担い、また、「保有」機能については本投資法人が役割を担うことによって、高い成長力を有する三井不動産の物流施設事業とともに、本投資法人が持続的な成長を果たすことで投資主価値の最大化を目指すことを基本方針としています。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人のポートフォリオ構築戦略
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、主として以下のような特徴を有する物流不動産に投資するものとし、中でも三井不動産が開発する先進的物流施設を中心とするMFLP(三井不動産クオリティを備えた先進的物流施設)へ重点的に投資を行います。様々な物流ニーズ、テナントタイプ、敷地規模に対応して開発された多様なタイプの先進的物流施設の取得によりバランスのとれたポートフォリオを構築します。
立地 | 消費地、生産拠点、交通インフラへのアクセスが良好であること、及び労働力の確保が可能であること |
建物 | 物流機能の集約・統合が可能な規模を有し、効率的な保管と荷役作業を可能にする機能が確保されていること |
機能 | 十分な搬送機能を確保できる、トラックバース(※1)、スロープ(※2)、ランプウェイ(※3)、垂直搬送設備を備えていること |
環境 | 地球環境への影響や、建物内環境(従業員のアメニティ等)にも配慮された施設であること |
防災 | 免震・耐震性能等、自然災害に備えた構造上・設備上の安全性やBCP(※4)機能(非常用発電機等)が確保されていること |
(※1)「トラックバース」とは、荷物の積卸しのためにトラックを接車するスペースをいいます。
(※2)「スロープ」とは、地上階から上層階(一部のフロア)までを繋ぐ傾斜上の車路をいいます。
(※3)「ランプウェイ」とは、地上から上層階までを繋ぐ螺旋状の車路をいいます。
(※4)「BCP」とは、英文のBusiness Continuity Planの頭文字をとった略称であり、事業継続計画をいいます。
MFLP(三井不動産クオリティを備えた先進的物流施設)への重点投資
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、主要な投資対象とする物流不動産の中でも、MFLPに重点投資を行い、「ロケーション」、「クオリティ」及び「バランス」を重視したポートフォリオの構築を目指しています。
三井不動産は、物流施設の投資にあたって、外環道、国道16号及び圏央道の3つの環状道路からの交通利便性や港湾からのアクセスの良さ、人口集積地への時間距離、周辺人口などを勘案したうえで、三井不動産の戦略エリアを設定して開発を行っています。また、総合不動産会社として培ってきた不動産事業における多様な知見と豊富なノウハウを活かし、当該用地の面積、区画形状や法的規制等の土地特性、ロケーション特性(主要幹線道路及び高速インターチェンジへのアクセス並びに公共交通機関の利便性等)や土壌汚染のリスク、物流施設として想定されるテナント及び賃料水準、所在エリアの将来性並びに物流施設以外の代替可能性等も含めて、様々な角度から詳細な検討を行っています。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、この物流施設適地の厳選取得を経て三井不動産が開発した物流施設を中心とし、首都エリア及び関西エリアの幹線道路等の交通結節点へのアクセスや広域的な立地状況、雇用環境、将来の環境変化、需給バランス等を考慮して、物件取得を行っています。
投資対象エリア(取得価格ベース)
首都エリア | 70%以上 |
関西エリア | |
その他エリア | 30%以下 |
用途及び投資比率(取得価格ベース)
類型 | 用途別投資比率 | 地域別投資比率 | |
国内不動産 | 海外不動産 | ||
物流不動産 | 80%以上 | 85%以上 | 15%以下 |
インドスタリアル不動産 | 20%以下 |
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の外部成長戦略
三井不動産の物流施設事業の成長力及び豊富なパイプラインを活用した外部成長
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、物流施設事業において高い成長力を有する三井不動産との間で締結された優先情報提供契約に基づく優先情報提供及び優先交渉権を活用した、MFLPへの重点投資により、継続的な成長を目指しています。
スポンサーとの優先情報提供契約
資産運用会社は、三井不動産との戦略的パートナーシップのもと、三井不動産との間で優先情報提供契約を締結しています。優先情報提供対象物件を三井不動産が売却する場合において、本投資法人が取得意向を通知した場合には、原則として、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は優先的に情報提供を受けることができ、一定期間、三井不動産と優先的に取得に向けた交渉を行うことができます。
総合不動産会社である三井不動産の総合力を活かした物件取得
MFIP(三井不動産インダストリアルパーク)への投資
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、物流不動産を主たる投資対象としますが、ITが物流不動産及びインダストリアル不動産の発展を急速に後押ししているという時代の流れを取り込むため、三井不動産の顧客ネットワークからもたらされる不動産開発又は不動産売却等に関する物件情報を活用してインダストリアル不動産にも投資し、ポートフォリオの分散及び成長性を高めていきます。第一弾として、本投資法人は、三井不動産が開発した、データセンターである「MFIP印西」を取得・運用しています。
第三者が開発した物流不動産の取得
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、三井不動産が開発するMFLPに加えて、三井不動産グループのネットワーク及び本資産運用会社の独自のルートを活用して、三井不動産以外の第三者が開発した物流施設についても、個別投資基準の充足状況及びポートフォリオに与える影響を十分検討した上で、取得を行う予定です。
海外不動産への投資
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、中長期的なグローバルニーズに対応出来る様に、規約上は海外不動産も取得可能性があります。
三井不動産によるCRE戦略提案等を通じた物件取得
三井不動産は、総合不動産会社としてのプラットフォーム(事業基盤)及び幅広い顧客ネットワークを活用し、CRE戦略の提案や不動産に関するコンサルティング等を通じて、顧客企業における不動産に関する潜在的ニーズを掘り起こし、かかる顧客企業のニーズに適合した不動産開発又は不動産売却等のソリューションを提供するといったCRE戦略の助言サービスに取り組んでいます。本投資法人は、CRE戦略の提案において、三井不動産と緊密な連繋を図ることによって、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の外部成長並びにポートフォリオのさらなる多様化及び安定化に繋がると考えています。
物件売却方針
不動産及び不動産信託受益権を、中長期的観点から保有して安定的な収益を確保することを原則とし、短期的にこれらを売却しないものとします。但し、個別物件の評価を定期的に実施し、物件の所在エリアの賃貸マーケットや売買マーケットの動向、物件の中長期収支見込み、建物劣化等による費用の増大、資産価値の中長期的見通し、投資法人全体の損益やポートフォリオ全体への影響等、総合的な観点から、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資すると判断される場合には、かかる不動産及び不動産信託受益権の短期的な売却を検討するものとします。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の内部成長戦略
三井不動産グループのプラットフォーム(事業基盤)及び顧客ネットワークを活用した安定運用
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、三井不動産グループが長年培ってきた総合不動産会社としてのプラットフォーム(事業基盤)及び顧客ネットワークを有効活用することにより、安定的な運用を目指しています。
プロパティ・マネジメント業務における三井不動産グループのノウハウの活用
本投資法人は、原則として取得資産におけるプロパティ・マネジメント業務を三井不動産グループに委託します。本投資法人は、三井不動産グループがオフィスビル事業や商業施設事業等において培ってきた専門性が高くかつ先進的な管理・運営ノウハウ及び総合不動産会社として培ってきた幅広く強固な顧客ネットワークを、保有する物流施設における管理・運営及びリーシングに有効活用することは、ポートフォリオの中長期的な収益の維持及び拡大に寄与するものと考えています。
リーシングにおける三井不動産グループの顧客ネットワークの有効活用
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、物流施設のテナントリーシングにあたり、三井不動産グループが培ってきた幅広くかつ強固な顧客ネットワークをもとに、荷主となるテナント企業、物流企業(3PL事業者等)、あるいはその両社に仲介業者を介することなく直接営業できるという総合不動産会社としての強みを活用することで、ポートフォリオの安定した運用を実現できると考えています。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の財務戦略
安定性と効率性を重視した財務運営及びキャッシュマネジメント
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、新投資口の発行、借入等の資金調達に際しては、安定的な財務運営を行うとともに、分配金については、キャッシュフロー(FFO)に基づき継続的に利益超過分配を行うことを通じて、安定的な分配金水準の確保及び効率的なキャッシュマネジメントを両立させることを目指します。
安定的な財務運営
エクイティ・ファイナンス | 投資口価格の推移及び金融市場環境の動向等を総合的に勘案しながら、新投資口の発行及び投資法人債の発行についても検討していきます。 |
デット・ファイナンス | 有利子負債については、リファイナンスリスク(借換えリスク)や金利変動リスクに配慮して、長期負債比率及び固定金利比率の適切なマネジメントに留意するとともに、借入期間の長期化、金利の固定化及び返済期限の分散化等を考慮し、最適な資金調達を検討します。国内有力金融機関からの調達を中心とした、安定したバンク・フォーメーションの構築を目指します。 |
LTV水準 | LTVについては保守的な水準で運営することを基本方針とします。中長期的には40~50%程度を目標として運営していく方針です。 |
効率的なキャッシュマネジメント
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、一般的に土地価格に比べて建物価格比率が高いという物流施設の特性を踏まえ、安定的な分配金水準の確保及び効率的なキャッシュマネジメントを両立させる観点から、利益超過分配を含む金銭の分配を原則として毎期継続的に行う方針です。また、当面の間は、当該営業期間におけるFFO(但し、不動産売却損益等を除きます。)の70%に相当する金額を目処として継続的な利益超過分配の算定を行い、総合的な判断を行った上で決定します。
利益を超える金銭の分配のポイント
利益超過分配の水準 | 当面の間、当該営業期間におけるFFO(但し、不動産売却損益等を除きます。)の70%に相当する金額を目処として算定した利益超過分配を、利益分配に加えて原則として毎期継続的に行う方針です。 |
長期的な建物維持管理支出の確保 | 各営業期間において、エンジニアリング・レポートに記載された資本的支出相当額の6ヶ月平均額の2倍以上の金額を留保できる範囲内で、利益超過分配を実施するものとします。 |
財務安定性の確保 | 各営業期間において、鑑定LTVが60%を超える場合には、利益超過分配を実施しないものとします。 |