2026年3月17日にヘルスケア&メディカル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,250円のところ3,286円で着地しました。
尚、利益超過分配金344円が含まれています。
高齢化社会を支える成長戦略と資産基盤の拡充

2026年1月期のヘルスケア&メディカル投資法人は、高齢化の進展に伴い拡大する介護・医療需要を背景に、ヘルスケア施設への投資を通じて安定収益の拡大と資産規模の成長を推進しました。第22期末時点の保有資産は57物件、取得価格総額865億円となり、総賃貸可能面積は24万㎡超、稼働率は100%を維持しています。
外部成長では、既存パイプラインを活用し、「星ヶ丘ドクターズビル」「サニーライフ船橋」「メディカル・リハビリホームくらら京王東府中」の3物件を総額37億円で取得しました。これによりポートフォリオの資産規模は拡大し、三大都市圏投資比率も上昇しています。取得物件はいずれも安定した収益基盤を有するヘルスケア施設であり、ポートフォリオの質の向上にも寄与しています。
さらに、2025年10月には東急不動産と京阪神ビルディングの2社が新たにスポンサーに加わり、スポンサー体制は5社へと拡充されました。これにより、開発案件への関与やウェアハウジング機能の強化、不動産ネットワークの拡大が実現し、将来の投資機会創出に向けた基盤が一段と強化されています。加えて、約250億円規模のパイプラインを確保しており、今後もポートフォリオの質向上につながる外部成長を目指しています。
内部成長では、保有施設の価値向上と賃料上昇機会の創出を着実に進めました。ポートフォリオ全体の平均賃貸借契約残存年数は10.2年と長期である一方、今後5年間で約48%の契約が更新時期を迎える見込みです。本投資法人では、この機会を活用して賃料改定や契約条件見直しの交渉を推進する方針です。実際に当期はサブテナントへの賃料交渉や、省エネ投資と連動したグリーンリース契約の導入によって賃料増額を実現しました。また、予防修繕を含めた計画的なメンテナンスを行うことで、施設競争力と資産価値の維持・向上にも取り組んでいます。
財務健全性の維持とサステナビリティ経営の深化
財務面では、成長投資と財務規律の両立を重視した運営が行われました。当期は新規取得資産の取得資金として37.5億円を調達したほか、既存借入金の借換えも実施しました。その結果、有利子負債残高は465.7億円となりましたが、平均残存年数は3.0年へ延長され、借入期間の安定化が進んでいます。
また、金利上昇局面ではあるものの、市場環境を踏まえて変動金利によるリファイナンスを実施し、固定化コストの抑制を図りました。LTVは総資産ベースで52.5%、時価ベースで45.7%となっていますが、運用方針では総資産ベース55%、時価ベース50%を上限の目安としており、引き続き適切な水準でコントロールされています。さらに、JCRからA+(安定的)の格付を維持するなど、安定した資金調達基盤も確保しています。
サステナビリティへの取り組みでは、高齢化社会を支える社会インフラとしての役割を強く意識した運営を推進しました。資産運用会社ではESG委員会を設置し、サステナビリティ推進体制を整備しています。その成果として、GRESBリアルエステイト評価で「1 Star」を取得するとともに、「グリーンスター」とGRESB開示評価の最上位「Aレベル」を獲得しました。
また、「シップ千里ビルディング(ウエルハウス千里中央)」では、介護付有料老人ホームとして初となるDBJ Green Building認証(ヘルスケア版)4つ星を取得しました。加えて、グリーンリース契約によるLED化投資やエネルギー効率向上施策を進めることで、環境負荷低減と収益向上の両立を図っています。
社会的価値と投資価値の両立を目指す次のステージへ

2026年1月期のヘルスケア&メディカル投資法人は、高齢者施設や医療関連施設への投資を通じて、社会課題の解決と投資主価値向上を両立する取り組みを着実に前進させました。スポンサー体制の強化による成長機会の拡大、優良資産の取得によるポートフォリオ強化、さらにはサブテナントへの賃料交渉やグリーンリース契約による内部成長など、多面的な施策が進展しています。
業績面では、営業収益26億34百万円、当期純利益10億57百万円を計上し、1口当たり分配金は3,286円と前期比3.9%増加しました。また、1口当たりNAVは140,872円まで上昇し、含み益も131億円へ拡大しています。
今後は、約250億円のパイプライン活用やスポンサーとの連携強化を通じて外部成長を進めるとともに、契約更新時の賃料改定や施設価値向上施策による内部成長を加速させる方針です。社会インフラとしてのヘルスケア施設への投資を通じて、高齢化社会への貢献と安定的な投資主リターンの実現を目指す姿勢が鮮明となった決算であったと評価できます。
