2026年3月17日に日本ロジスティクスファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,150円のところ2,300円で着地しました。
賃料成長を原動力としたポートフォリオ強化への挑戦

2026年1月期の日本ロジスティクスファンド投資法人は、物流不動産市場の需給改善と賃料上昇局面を捉えながら、外部成長と内部成長の両面から資産価値向上を推進しました。
外部成長では、2025年12月に石狩物流センターの準共有持分45%を取得する一方で、門真物流センターを売却し、資産入替によるポートフォリオの質的向上を図りました。今回の取得物件は賃料増額余地を有する資産として位置付けられており、将来的な収益向上への寄与が期待されています。また、売却によって創出した資金については、新規物件取得や自己投資口取得といった投資効率の高い施策へ振り向ける方針を継続しました。さらに、1000億円超の取得パイプラインを確保し、CRE提案やスポンサー案件、共同開発案件など多様なルートを活用した成長機会の拡充を進めています。
内部成長では、物流施設市場の需給改善を背景として賃料増額戦略を積極的に展開しました。首都圏を中心にテナントとの再契約や入替交渉を進めた結果、2026年1月期の賃料増額率は5.3%を達成しました。また、3年以内に契約満了を迎える契約比率が53.2%と高い水準にあることから、今後も賃料改定機会を豊富に有しています。契約更改時には市場賃料との乖離解消を図るとともに、CPI参照条項の導入を進めることで、インフレ局面における収益成長力を高めています。こうした取り組みにより、FFOPU(1口当たりFFO)の持続的な成長を実現する基盤づくりが進展しました。
安定財務と環境変化への適応力を高める経営基盤

財務面では、金利上昇局面への備えを重視した運営が進められました。有利子負債総額は1,211億円となりましたが、鑑定評価額ベースのLTVは29.0%に抑えられており、物流系REITの中でも保守的な財務運営を維持しています。また、返済期限の分散や固定金利化を推進した結果、固定金利比率は88.8%を確保し、平均残存年数も3.8年を維持しました。加えて、17社から20社へとレンダー数を拡大し、調達基盤の強化も図っています。
業績面では、不動産賃貸事業収益が増加し、NOIは82億94百万円、当期純利益は64億6百万円となりました。FFOPUは2,373円と前期を上回り、門真物流センターの売却益も寄与したことで、1口当たり分配金は2,300円へ増額されました。将来的にはFFOPU2,500円を目標に掲げ、賃料成長と資産入替を通じて継続的な収益拡大を目指しています。
サステナビリティ対応については、環境負荷低減と収益性向上を両立する取り組みを推進しました。特に「CAPEX plus」と呼ばれる成長投資を活用し、テナントニーズに応じた設備投資を実施することで、賃料増額や資産価値向上につなげています。実際に空調設備導入などの施策では高い投資効率が確認されており、NOI拡大に貢献しています。また、CPI参照条項の導入拡大により、インフレ環境への対応力向上にも取り組みました。さらに、ESGを意識した運営体制の継続や透明性の高いガバナンスの維持を通じて、中長期的な投資主価値向上を目指しています。
物流REITの先駆者として描く持続的成長シナリオ
2026年1月期の日本ロジスティクスファンド投資法人は、単なる資産規模拡大ではなく、収益成長力を重視した運営へと一段と軸足を移した期であったといえます。需給改善が進む物流マーケットを追い風に、賃料増額を通じた内部成長を加速させる一方で、資産入替によるキャピタルリサイクルを進め、より収益性の高い物件への再投資を実現しました。
また、豊富な取得パイプラインと低水準のLTVを背景に、今後の外部成長余地も十分に確保されています。加えて、賃料改定機会の多い契約構成やCPI参照条項の拡大により、インフレ環境下でも収益成長を取り込める体制が整っています。物流REITのパイオニアとして培ってきた運営ノウハウとスポンサーの強固なリーシング力を活用しながら、分配金の安定成長とNAV向上の両立を目指す姿勢がより鮮明になった決算だったと評価できます。
