2024年3月15日に森ヒルズリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,060円のところ3,282円で着地しました。
ラフォーレ原宿の分割譲渡で売却益を確保

2023年12月1日にスポンサーである森ビル㈱へラフォーレ原宿(底地)の準共有持分7%を1,545百万円で譲渡しました。今回は2回目の譲渡となります。譲渡の理由はラフォーレ原宿(底地)は事業用定期借地権が設定された底地であり、当該借地権に係る設定契約が2030年9月に終了した後は原則として契約更新はされず、建物が撤去されて返還される定めとなっており、投資法人としては、将来的に譲渡等の対応が必要となります。また、ラフォーレ原宿(底地)がポートフォリオ全体に占める割合を考慮すると、譲渡後の賃貸収益の減少は比較的大きな水準となり、分配金の安定性が損なわれる課題があります。 譲渡先となるスポンサーの森ビル㈱については、小分割した持分の取得が可能であるとともに、譲渡と並行して実施する方針である新規取得における物件パイプラインとなります。なお、同社は本物件に付随する建物である「ラフォーレ原宿」を含め国内外に多数の優れた開発実績があり、投資法人の将来的な選択肢としては、持分を全て譲渡する他に、同社が主導する将来の再開発にマイノリティ持分で参画することも考えられるとしています。また、小分割して譲渡を行うとともに、特定資産の買換え特例を活用することにより、譲渡益の一部は分配金として還元しながらも一部は内部留保して新規物件の取得に活用することで、ポートフォリオ全体の賃貸収益の維持向上を図ることが、投資主利益の向上に資すると判断したようです。
既存物件は、テナントニーズを把握した効率的かつ計画的な運営管理及び修繕工事によりテナント満足度の維持向上に努めるとともに、賃貸市況の動向を見据えながら新規及び既存テナントに対する積極的なリーシング活動を展開し、稼働率及び賃料水準の維持向上を図りました。2024年1月期末現在における投資法人の不動産ポートフォリオは、保有物件ベースで11物件、既投資額で404,670百万円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積180,797.12㎡、期末稼働率は97.2%となっています。2024年1月期の営業収益は11,176百万円、営業利益は6,803百万円、経常利益は6,291百万円、当期純利益は6,289百万円となりました。
金利の固定化・投資法人債発行等取組みは多彩

森ヒルズリート投資法人は財務方針の中で運用資産の中長期的に安定した収益の確保と着実な成長に資するため、不動産関連資産の取得費及び修繕費、投資法人の運営に要する資金及び分配金、並びに債務の返済金(不動産関連資産に係る敷金及び保証金並びに本投資法人の借入金、投資法人債及び短期投資法人債の債務の返済金を含む。)等の資金の手当てを目的として、財務活動の機動性、資金繰りの安定性及び収益の向上等の諸点に留意しつつ、最適な手段と判断する方法により、投資法人の投資口若しくは投資法人債及び短期投資法人債の発行又は借入れを決定するとしています。
2024年1月期において、既存の長期借入金11,200百万円の借換えのため、5,900百万円の長期借入れを行い、3,300百万円の投資法人債を発行するとともに、手元資金2,000百万円を返済に充当しました。その結果、2024年1月期末の借入金残高は166,822百万円(全て長期借入金。うち1年内返済予定の長期借入金15,800百万円)、投資法人債残高は23,600百万円(うち1年内償還予定の投資法人債2,000百万円)となり、有利子負債残高は190,422百万円となっています。これらの借入れのうち、固定金利である投資法人債23,600百万円及び長期借入金9,379百万円に加えて、変動金利である長期借入金157,443百万円のうち119,483百万円については、金利上昇リスクに対応するため金利スワップの活用により実質的な金利の固定化を行っています(2024年1月期に有利子負債に占める固定金利比率は80.1%です。)。なお、投資法人は、今後の借入れに関して、借入金の返済期限を分散することにより、リファイナンスリスクの軽減を目指します。2024年1月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付けの見通し:安定的
