2026年7月16日に阪急阪神リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,270円のところ3,300円で着地しました。
関西重点戦略を軸にした資産拡大と収益力向上

2026年5月期の阪急阪神リート投資法人は、関西圏を中心とする商業施設特化型ポートフォリオの強みを活かしながら、外部成長と内部成長の両面で着実な成果を上げました。当期末の運用資産は38物件、資産総額は1,829億円となり、商業用途区画比率83.5%、関西圏比率82.8%という特色あるポートフォリオを維持しています。
外部成長では、2026年3月に「スギ薬局大東御領店(敷地)」を取得しました。これは重点投資エリアである関西圏における地域密着型商業施設への投資であり、安定的な収益確保と将来の成長を目的としたものです。また、2026年7月から12月にかけて取得予定の「ライフ高殿店(敷地)」「コーナンりんくう羽倉崎店(敷地)」「PMO梅田(準共有持分30%)」「西宮北口プライマリーワン」の4物件についても取得を決定しており、これらにより年間125円程度の分配金押上げ効果を見込んでいます。
内部成長では、オフィス、商業施設ともに着実な賃料増額を実現しました。オフィスでは、新規取得物件の寄与に加え、芝浦、グランフロント大阪オフィスタワー、上六Fビルディングなどで積極的な賃料増額改定を進めました。好調なオフィス市況を背景に賃料増額交渉を継続しており、将来的な賃料アップサイドの確保につなげています。
商業施設では、阪急西宮ガーデンズやHEPファイブなどの旗艦物件が堅調に推移しました。都市型商業施設では中国人団体客の減少を他のアジア地域や欧米からの訪日客需要が補完し、歩合賃料が好調に推移しています。また、地域密着型商業施設においても契約更新や賃料改定により増収を実現し、丸太町や堺北花田などで着実な賃料上昇を達成しました。
安定した財務基盤とサステナビリティ経営の推進

財務面では、金利上昇環境への対応と財務安定性の維持を両立しました。当期は適格機関投資家向け私募形式による第7回無担保投資法人債(グリーンボンド)および第8回無担保投資法人債を総額33億円発行し、既存借入金の期限前返済に充当しました。また、長期借入金48億円の調達も実施しています。
その結果、当期末の有利子負債残高は868億円、総資産LTVは47.5%、鑑定ベースLTVは39.8%となりました。平均借入期間は7.2年、固定化比率は83.6%を維持しており、JCRからAA-、R&IからA+の格付を取得しています。健全性と資金調達余力を両立した財務基盤を維持しています。
業績面では、営業収益62億9,700万円、経常利益22億8,700万円、当期純利益22億8,600万円を計上しました。分配金は1口当たり3,300円となり、予想を30円上回って着地しています。都市型商業施設の歩合賃料上振れや修繕費の減少が業績を支えました。
サステナビリティへの取り組みでは、2026年に重要課題(マテリアリティ)の見直しを行い、新たな環境目標を設定しました。2030年までにスコープ1・2のGHG排出量を2022年比42%削減、スコープ3を25%削減する目標を掲げています。また、全保有物件で再生可能エネルギー由来電力を導入し、環境認証取得率は85.2%に達しました。
さらに、CASBEE認証取得やLED化推進、省エネルギー設備導入に加え、GRESBや各種ESG評価への対応も継続しており、環境負荷低減と資産価値向上の両立を図っています。
分配金目標3,500円に向けた成長ステージへ
2026年5月期は、阪急阪神リート投資法人にとって、内部成長と外部成長の成果が明確に表れた期となりました。商業施設では高いテナント需要を背景とした賃料増額、オフィスでは良好な市場環境を活かした賃料改善が進み、着実な収益拡大を実現しています。
また、スポンサーグループとの連携を活かした物件取得や、関西圏への重点投資戦略も順調に進展しています。今後は、既に取得を決定している関西圏の商業施設・オフィス・レジデンスの寄与に加え、賃料増額やホテル需要回復による内部成長が見込まれています。
本投資法人は、2028年頃に1口当たり分配金3,500円、年間分配金7,000円水準を目標に掲げています。関西圏を中心とした優良資産への投資、継続的な資産入替、そして賃料アップサイドの追求を通じて、中長期的な投資主価値の向上を目指していく方針です。
