森ヒルズリート投資法人は、東京都心部を中心とする「都市」の競争力と価値創造力に着目し、「都市」への集中投資を行うことにより成長し、運用資産の収益性とその資産価値の更なる向上を目指します。
森ヒルズリート投資法人の概要
名称 | 森ヒルズリート投資法人 |
住所 | 東京都港区六本木一丁目8番7号 アーク八木ヒルズ |
資産運用会社 | 森ビル・インベストメントマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 税理士法人令和会計社 |
投資主名簿管理人 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
決算期 | 1月・7月 |
森ヒルズリート投資法人が考える「都市」とは、単なるビルの集合体ではなく、職・住・遊・憩・学など多彩な機能を複合的に併せ持ち、そこに集う人々の経済的・文化的活動を融合させる場の総体です。あらゆる都市機能が提供されることにより、人・モノ・情報が集積、交流し、新しいビジネスモデルやライフスタイルが生み出され、新しい付加価値が創造されると、投資法人は考えています。
森ヒルズリート投資法人が、「都市」への投資を実現するための重要なパートナーとして位置付けているのが、森ビル株式会社を中核とする森ビルグループです。東京都心部において大規模再開発を次々に実現してきた森ビルグループの総合力を最大活用して、希少なプレミアム物件の取得、運用資産の資産価値向上を図ります。
森ヒルズリート投資法人の名称「ヒルズ」とは、「六本木ヒルズ」、「アークヒルズ」、「表参道ヒルズ」、「虎ノ門ヒルズ」等の、森ビルグループが長い歳月をかけて完成・成熟させてきた創造的かつ付加価値の高い大規模再開発に冠する名称です。職住近接型のコンパクトシティを創造し、「安心・安全」「環境と緑」「文化・芸術」をキーワードに森ビルグループの都市づくりの思想を具現化した大規模プロジェクトのブランド名称が「ヒルズ」です。
森ヒルズリート投資法人は、「ヒルズ」に象徴されるような21世紀のライフスタイル、ワークスタイルをリードすると考えるエリア及び物件を中心とする選別的な投資、すなわち「Investment in the city~『都市』への投資」を通じて、ポートフォリオの着実な成長と投資主価値の最大化を図ります。
森ヒルズリート投資法人のポートフォリオ構築戦略
プレミアム物件を重視した投資
森ビルグループのブランド力、営業力及び施設運営能力等が十分に発揮できるプレミアムエリア(東京都心5区及びその周辺地区)に所在する物件。その中でも、クオリティ、規模、スペック等から見て、将来にわたり競争力を維持できる物件。森ヒルズリート投資法人は、これら「プレミアム物件」を主な投資対象として投資を行います。
主たる用途 | 立地 | 規模 |
オフィスビル | 東京都心5区及びその周辺地区 |
一棟当たり延床面積10,000㎡以上 基準階賃貸可能面積1,000㎡以上 |
住宅 | スリーAエリアを中心とした東京都心5区及びその周辺地区 | 一棟当たり延床面積2,000㎡以上 |
商業施設 | (百貨店、都心型ショッピングセンター、大型専門店及び複合商業施設等 | |
東京都心5区及びその周辺地地域で繁華性の高い地域 | 一棟当たり延床面積10,000㎡以上 | |
(高級ブランド店等の路面店舗型店舗) | ||
銀座周辺エリア、青山・表参道周辺エリア等、希少性・社会性・認知性が極めて高い地域 | 一棟当たり延床面積1,000㎡以上 |
上記プレミアム物件の各内容に加えて、組み入れる物件自体の耐震性能、物件が立地するエリアの安全性や震災対策等を重視した投資を行います。
用途別投資比率
不動産関連資産のクオリティ | 組入比率(取得価格ベース) |
プレミアム物件 | 50%以上 |
プレミアム物件以外 | 50%以下 |
また、上記の用途以外の物件については、各用途の特性等諸条件を考慮してプレミアム物件への該当性を判断します。ただし、底地については、立地及び底地上の建物がプレミアム物件の条件を満たす場合に、プレミアム物件として位置付けるものとします。
プレミアム物件以外も投資対象
なお、プレミアム物件以外の物件については、オフィスビル、住宅及び商業施設等の用に供される不動産関連資産に関して、以下の基準を満たし、市場規模及び流動性の点で相対的に優れていると考えられる場合には、収益機会の確保のため当該不動産関連資産を投資対象に加えることができるものとします。
立地 | 物件規模 | |
オフィスビル | 東京都心5区及びその周辺地区を中心に、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び地方主要都市部(東京圏以外にある政令指定都市及びこれに準ずる全国主要都市)の都市機能の高い地域に所在すること | 原則として、建物の延床面積が3,000㎡以上、かつ建物の基準階賃貸可能面積が330㎡以上であること |
住宅 | 東京圏及び地方主要都市部に所在すること | 原則として、建物の延床面積が1,000㎡以上であること |
商業施設等 | 東京圏及び地方主要都市部に所在すること | 原則として、建物の延床面積が1,000㎡以上であること |
エリア別投資比率
東京圏を主な投資対象エリアとします。その上で、東京都心5区及びその周辺地区に重点的に投資を行い、その中でも港区に積極的に投資を行っていきます。
また、地方主要都市部の不動産関連資産についても、ポートフォリオ合計額の20%以下を目処に投資を行うものとします。
投資対象エリア | 具体的なエリア | 組入比率 |
東京圏 | 東京都心5区及びその周辺地区 | 50%以上 |
上記以外の東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県 | 80%以上 | |
地方主要都市部 | 東京圏以外にある政令指定都市及びこれに準じる全国主要都市 | 20%以下 |
複合性を重視した投資
知識情報社会では、職・住・遊・憩・学などの都市機能の複合化が進むエリアに、人、モノ、情報が集積する傾向が高まっています。森ヒルズリート投資法人は、この複合性が顧客満足度を高め、資産価値を高める重要な要素と考えています。
職住が近接し多彩な都市機能が集約されることにより、経済、文化、教育、エンターテインメント等様々な要素が高度に融合し、空間的・時間的ゆとりが生まれることで、豊かな都市型ライフスタイルやワークスタイルが可能になると考えます。知識情報社会では、こうした特徴を有するエリアに、人、モノ、情報が集積する傾向が高まっており、多種多様な人的交流やモノのやりとり、情報の共有が一段と進むことで、都市における新しい価値が生み出されていくものと考えます。そして、新しい価値の創出は、更に多くの人や情報を引き寄せることにつながります。このような好循環を生み出すポテンシャルを備えたスペースやサービスを提供することが、都市における個々の物件のプレゼンスを高め、ひいてはその資産価値の維持・向上につながるものと考えています(都市発展のサイクル)。
森ヒルズリート投資法人の外部成長戦略
「都市」への投資と価値向上を実現させるために、森ヒルズリート投資法人は、森ビルグループがこれまで物件開発・大規模再開発やプロパティ・マネジメント業務を通じて培ってきた不動産関連のノウハウを積極的かつ最大限に活用することを、成長戦略の核と位置付けています。
森ビルのサポート契約
森ヒルズリート投資法人及び資産運用会社は森ビル株式会社との間で、サポート契約を締結しています。これらの契約により、森ビル株式会社が保有する不動産の売却に関する優先交渉権の付与、外部物件情報の提供及び不動産関連ノウハウの提供等のサポートを受けます。
●保有不動産の売却に関する優先交渉権の付与
●外部物件情報の提供
●人材の派遣その他必要なサポート
森ビルのアドバイザリー業務委託契約
更に資産運用会社は森ビル株式会社との間で、アドバイザリー業務委託契約を締結しています。
●リサーチ関連業務の提供
●不動産の取得及び運用に関する助言及び補助業務の提供
ブランドライセンス契約
森ヒルズリート投資法人は、森ビル株式会社のブランド力とサポート機能を積極的に活用する一環として、同社との間で商標使用許諾契約(ブランドライセンス契約)を締結しています。
資産運用会社独自の情報収集
資産運用会社には、多様な経歴と専門性を持ったメンバーが参画しています。森ヒルズリート投資法人は、かかるメンバーが有する、多様な経験、高い専門性及び森ビル株式会社において培った幅広いネットワークを活用することにより、本資産運用会社独自の情報収集ルートを開拓し、着実な外部成長を目指します。
物件売却方針
森ヒルズリート投資法人投資法人は、運用資産の運用に際し、原則として、中長期的な保有を目的として不動産関連資産を取得し、短期売買を目的とした取得は行わないものとします。
ポートフォリオの見直しを定期的に行うものとし、中長期的な不動産市況、収益予測、資産価値の上昇又は下落の見通し、立地する地域の将来性及び資産劣化に対する資本的支出の見込み等、個々の不動産関連資産の競争優位性を考慮した上で、当該不動産関連資産の売却を検討することができるものとします。
取得した個々の不動産関連資産の全部又は一部の売却において売却益の実現が可能であると考えられる場合、当該売却益が投資主に対する分配金に寄与するタイミング、投資主の利益への貢献度、ポートフォリオへの影響等を考慮の上、売却を検討することができるものとします。
森ヒルズリート投資法人の内部成長戦略
森ヒルズリート投資法人は、ポートフォリオ全体の中長期的に安定した収益の確保と資産価値の維持向上を目的として、運用資産に係る不動産を利用するテナントの満足度を高め、中長期的な信頼を獲得すべく、合理的、効率的、かつ計画的に運営管理を行います。
マーケットの把握と適切な条件設定
地域及び用途ごとの需給の現状と将来の動向予測、中でも競合物件の特性、テナントニーズ及びテナント動向を十分に分析し、運用資産に係る不動産が属するマーケットの把握を行います。また、運用資産に係る不動産の立地、交通利便性、顧客層及び築年数等の物件特性、並びにマーケットにおける相対的な競争力の有無を十分に把握し、最適な賃料等の条件設定を行います。
新規テナント誘致
上記の「マーケットの把握と適切な条件設定」を踏まえ、新規テナント候補へのアプローチ方法を検討し、的確な営業活動を行います。新規テナント候補の様々な要望に対し、移転スケジュールの調整、所要設備の有無又は新増設対応及び入居内装工事等の多岐にわたる項目について、的確な提案を行います。なお、賃貸条件の決定に際しては、当該テナント候補の信用力、ポートフォリオ全体の収入に対する賃料収入の割合、及び契約形態(契約期間、定期建物賃貸借であるか否か等)を総合的に判断します。
入居テナント対応
日常的なコミュニケーション及びアンケート調査(隔年)を通じて、環境、衛生、美化、安全、防犯及び防災等の施設管理全般、その他の運営管理に関するテナントからのクレームの有無及び満足度を把握しつつ、貸室の拡張、縮小及び移転等の意向の有無を把握し、適切な対応及び提案ができるように努めます。入居テナントの満足と高い評価が、運用資産に係る不動産市場における評価及び新規テナント誘致につながると位置づけ、この点を十分意識してテナントへの対応に努めるとともに、これを「日常的施設運営管理」及び「大規模修繕及びリニューアル」に適切に反映していきます。契約更新又は再契約時の賃料改定に関しては、これが安定した収益の確保にとって重要な交渉であることに十分留意し、テナントの意向を把握しながら的確な提案を行います。また、テナントの退去に際しては、契約条項を踏まえながらも、次の入居テナントを想定した的確な条件交渉を行い、適切な原状回復工事を実施します。
賃貸借スキーム
運用資産に係る不動産ごとの状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性を総合的に勘案し、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は固定型マスターリース等の賃貸借スキームを適宜使い分けていきます。
ダイレクトリース
マスターリースを採用せず、信託受託者又は本投資法人がエンドテナント(賃借人)に直接賃貸する方式
マスターリース
信託受託者又は本投資法人がマスターレッシー(転貸人)に賃貸し、マスターレッシーがエンドテナント(転借人)に転貸する方式
・パススルー型マスターリース
マスターレッシーが支払う賃料と、エンドテナントが支払う賃料が常に同額となるマスターリース方式
・固定型マスターリース
マスターレッシーが支払う賃料を、転借人がマスターレッシーに支払う賃料にかかわらず一定額とするマスターリース方式
なお、上記において、マスターレッシーとは信託受託者又は本投資法人から各物件を一括して借り受け、各物件の区画を他の第三者に転貸する者をいい、また、エンドテナントとは、借り受けた各物件の区画につき、賃貸人に対して実質的に賃料を支払う者(固定型マスターリースにおけるマスターレッシーを含みます。)をいいます。
日常的施設運営管理
所有者として法令上要求される施設管理に加えてテナントの満足度を高めるために必要な施設管理を行い、運用資産に係る不動産の物理的、機能的、かつ美観的なクオリティの維持及び向上に努めます。また、運用資産に係る不動産の長期的収益基盤を強化し、サステナビリティの向上を図るため、費用対効果の検証、各種業務及びコストの適正化、並びに先進技術の導入等を通じ、資産運用計画書に基づく合理的かつ効率的な運営管理を行います。
大規模修繕及びリニューアル
経年劣化による運用資産に係る不動産の物理的、機能的、かつ美観的なクオリティの低下をできるだけ回避し、場合によっては新たな機能やデザインを付加することで、運用資産に係る不動産の競争力を高める大規模修繕及びリニューアルを適宜実施します。当該大規模修繕及びリニューアルの実施については、運用資産に係る不動産ごとに予め必要な項目及び時期をリストアップし、ポートフォリオ全体におけるバランス、優先順位、費用の平準化及び既存テナントへの影響度等を勘案し、サステナビリティにも配慮しながら、資産運用計画書に基づき、合理的、効率的、かつ計画的に実施します。
森ヒルズリート投資法人の財務戦略
エクイティ・ファイナンス | 投資口の追加発行は、中長期的な観点から、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化(新投資口の追加発行による投資口の議決権割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ、本投資法人の運用資産の着実な成長を目的として実施します。 |
デット・ファイナンス | 借入れ又は投資法人債及び短期投資法人債の発行に際しては、資本市場及び金利の動向、本投資法人の資本構成又は既存投資主への影響等を総合的に勘案し、将来にわたる経済及び社会情勢の変化を予測の上、借入期間、固定又は変動の金利形態、担保提供の要否及び手数料等の借入条件を検討するものとします。 |
LTV水準 | LTVは65%を目処とします。ただし、不動産関連資産の取得及びその評価額の変動等に伴い、一時的に上記数値を超えることができるものとします。 |
キャッシュ・マネジメント
①想定される資金需要(不動産関連資産の取得代金、運用資産に係る不動産に要する修繕費用、運転資金、敷金及び保証金等の返還金、小口債務の返済金並びに分配金等)に対応するため、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
②余剰資金の運用は、安全性及び換金性等を考慮し、市場環境及び資金繰りの状況を十分に勘案の上、慎重に行います。
③テナントから預かった敷金及び保証金等を、運用資金として活用することができます。