トーセイ・リート投資法人の配当金と利回り・資産規模拡大の運用戦略

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トーセイ・リート投資法人の概要

 トーセイ・リート投資法人は、日本の不動産市場に存在する『膨大な既存建築ストック』のうち、相対的に中小規模のオフィス、商業施設、住宅及び物流施設をバリューアップの可能性までを視野に入れた投資運用を行ない、投資主価値の向上を目指しています。かかる運用により、既存建築ストックの活用・再生を通じた日本の不動産市場のより一層の活性化と、J-REIT市場の裾野拡大に貢献することも目指しています。

名称 トーセイ・リート投資法人
住所 東京都港区虎ノ門四丁目2番3号
資産運用会社 トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社
資産保管委託会社 三菱UFJ信託銀行株式会社
一般事務受託会社(会計事務) 税理士法人令和会計社
投資主名簿管理人 三菱UFJ信託銀行株式会社
会計監査人 新創監査法人
決算期 4月・10月

トーセイ・リート投資法人のポートフォリオ構築戦略

高い収益力を生み出す3つの要素

 資産運用会社及びスポンサーであるトーセイが、これまで数多くの投資を行ってきた東京経済圏を投資のメインターゲットとしております。また、都心部の取得競争の激しい物件は避け、プライムエリアではなくとも、その不動産の所在するエリア内で競争力の高い物件をサブマーケットレベルで分析のうえ、投資を行います。

用途 建物規模 ターゲット
オフィス 延床面積1,000㎡以上 過度の取得競争に晒されにくい、限られた高度商業エリアではない、地域の中心拠点エリアの中小規模オフィス
商業施設 延床面積1,000㎡以上 主要駅等に隣接及び主要環境の繁華性が高く、高い集客性と視認性を有する小商圏都市型商業施設
住宅 主となる住戸の専有面積1住戸当たり20㎡以上 一定の人口集積が見られ、都心部へのアクセスが比較的容易な郊外部又は縁辺部エリアの中小規模の賃貸住宅
ホテル 延床面積1,000㎡以上 シングルユースを主体とする中小規模ホテル
物流施設 延床面積1,000㎡以上 中小規模物流施設

築年数にとらわれない高ポテンシャルを有する不動産  

 一般的に築年数が経過した物件は、修繕コストの負担が重いイメージがありますが、築年数が経過した場合であっても、適正な賃料設定をおこない、効率的なリニューアルを行うことによって、不動産の潜在する収益力を見出すことは可能であると考え、以下の方針に基づき、築年数のみにとらわれない投資を行います。

投資判断に際しての確認事項

 投資を検討する物件が下記3項目の少なくともいずれか1つに該当していることを確認するものとします。

 ●エリアや立地、アクセス等の面に加え、日常的な維持管理や修繕、設備の更新等が適切に行われており、取得以後も安定的に底堅い賃貸需要が見込める物件
 ●資産価値が概ね安定しており、売却機会があらかじめ見込まれ、運用状況に応じては、資産の入替えを目的とした機動的な売却も選択肢になりうる物件
 ●トーセイによるソーシングサポートの活用等により取得する物件であり、物件管理の不十分さや建物の物理的な減価への対応や改善等に加え、改修・改装工事等によるバリューアップがあらかじめ図られ、上記2項目と同等の運用成果が見込まれる物件

50億円以下のボリュームゾーンへ

 ボリュームゾーンの不動産への投資に注力することにより、 豊富な投資検討機会を確保
 規 模 |原則として50億円以下の不動産をターゲットとした投資

●1物件あたりの投資金額を上記水準とし、数多くの不動産に投資を行うことは、ポートフォリオ全体として、稼働率の急激な低下等のリスクの分散につながり、収益変動リスクを抑制することに寄与
●中小規模オフィス賃貸市場は、大規模オフィス賃貸市場に比べ、件数ベースでテナント層が厚く、かかる意味において市場規模が大きく、相対的に安定した賃貸需要が見込まれる
●豊富な投資検討機会を確保するという観点に加え、トーセイのコア・コンピタンス活用機会を追求する観点からも、ボリュームゾーンの不動産への投資に注力

トーセイ・リート投資法人の外部成長戦略

トーセイによるスポンサーサポートを活用した外部成長

 トーセイグループの事業エリアは東京都の都市部を中心としています。トーセイは、主として東京都の都市部に所在する不動産に対する投資を行い、不動産の規模、用途ともに豊富なトラックレコードを積み重ね、東京の不動産に対する目利き力を培ってきました。

 トーセイの不動産流動化事業及び不動産開発事業における実績に基づき、ソーシングサポートを通じたトーセイのパイプラインの活用により、本投資法人はトーセイが棚卸資産として取得、保有する物件の一部の取得を目指しています。

ソーシングサポート トーセイが保有する資産のうち、トーセイが当該資産の売却を検討する場合において、投資法人の投資基準に適合すると合理的に判断した場合には、トーセイは本資産運用会社に対し、当該売却に関する情報を原則として第三者に優先して提供
ウェアハウジングサポート トーセイ・リート投資法人が第三者より取得を検討する物件について、トーセイによる一時的な取得を本資産運用会社がトーセイに相談した場合には、トーセイは当該相談を真摯に検討
コンストラクション・マネジメントサポート トーセイ・リート投資法人が取得を検討する物件に関し、トーセイが本投資法人に代わり一時的に当該物件を取得し、所有者として改修・改装工事等を実施し、またリースアップを実施することについて、資産運用会社がトーセイに相談した場合には、トーセイは当該相談を真摯に検討

資産運用会社独自のパイプライン

 資産運用会社は、私募ファンドの運用、助言業務及びコンサルティング業務を通じ、トーセイのコア・コンピタンスを活用しつつも、独自のパイプラインを構築してきました。本投資法人は、トーセイからの物件取得のみならず、かかる本資産運用会社独自のパイプラインを通じた物件取得も目指します。

築古物件への投資方針

 築古物件への投資判断を行うに際しては、以下のそれぞれの内容について十分に留意し、検討するものとします。

 ●築年数に基づく投資リスクに見合った投資利回りが得られることを確認のうえ、改修・改装工事等の実施によるバリューアップの可能性も踏まえて適正に評価を実施
 ●物件の状況に応じた中長期の資産管理計画を立案し、当該計画の内容を物件の査定に織り込んだうえで築古物件に対する評価を行い取得(物件の状況に応じて改修・改装工事等の実施を織り込むことがある)
 ●特に住宅の築古物件については、適正な賃料設定、稼働率の将来予測等を実施。物件の規模感から機動的な物件の入替えが可能なものがターゲット

物件売却方針

 組入物件については、将来における機動的な売却を妨げません。個々の組入物件の売却は、中長期的な不動産市況、将来における収益予想、資産価値の増減及びその予測、立地エリアの将来性・安定性、不動産の劣化又は陳腐化に対する資本的支出等の見込み、ポートフォリオの構成並びに資金調達環境等を考慮のうえ総合的に判断します。

 ●トーセイによるコンストラクション・マネジメントサポート等を活用し、改修・改装工事等を実施することによるバリューアップの実現等を前提に、不動産市況等を適切に判断したうえで、キャピタルゲイン獲得を目的とした物件売却を実施する可能性は排除しません。
 ●投資法人が適用する会計基準に照らし減損の兆候ありと判定された物件については、減損管理物件として売却の検討を開始します。ただし、減損管理物件であっても資産運用に関する総合的な見地により売却をしないと判断することもあります。
 ●資産売却は新規資産との入替えを原則とします。
 ●上記にかかわらず、売却益による分配金利回りの水準補完を目的とした売却は行いません。 

トーセイ・リート投資法人の内部成長戦略

トーセイによるスポンサーサポートを活用した内部成長

 資産運用会社のスポンサーであるトーセイは、不動産流動化事業及び不動産開発事業の豊富な実績を通じて、設備機能改善、デザイン性向上、リースアップ等、ハード及びソフト両面にわたるバリューアップのノウハウを有しており、これらのノウハウを活用したサポートの提供を享受することで、内部成長に寄与させることが可能となります。

コンストラクション・マネジメントサポート トーセイ・リート投資法人が保有する物件の中で、改修・改装工事等が必要である場合には、トーセイはかかる改修・改装工事等に対して適切なアドバイスを提供
リーシングサポート トーセイ・リート投資法人が取得を検討又は保有する物件につき、稼働率の中長期的な安定を目的として、資産運用会社から当該サポートの要請がなされた場合には、トーセイはテナント・媒介者への物件の紹介、媒介、管理等のサポートを提供

私募ファンドの運用等で培ったアセットマネジメントのノウハウによる内部成長

 資産運用会社は、私募ファンドの運用、助言業務及びコンサルティング業務で培ったアセットマネジメントのノウハウに基づきポートフォリオ全体及び個別資産の特性に適合した施設運営、維持及び管理を費用対効果に配慮して実施していきます。

プロパティ・マネジメントに関する内部成長

 トーセイ・リート投資法人は、業務品質に優れたプロパティ・マネジメント会社を選定し、資産管理体制を恒常的に見直すことで、適切な監督を行い、収益の安定化や資産価値向上の実現を目指します。

リーシング方針

 マーケット動向を調査・把握し、個別物件における適切な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社及びスポンサーサポートを最大限活用し、優良なテナントを選定できるように努めます。なお、当該選定にあたっては、本資産運用会社の社内規程に従い、テナントが後記のテナント選定基準を満たしていることを確認のうえ、賃料水準、賃貸借契約の内容、契約期間、更新の可否等を総合的に判断して決定するものとします。空室に対するリーシング活動にあたっては、当該個別物件の特性と周辺環境や競合物件を精査したうえでスポンサーサポートを十分に活用し、最適なリーシング活動をPM会社と共同して行います。

ML契約に関する方針

 物件取得に際してトーセイによるコンストラクション・マネジメントサポートによる改修・改装工事等が行われる場合等のように、本投資法人の取得を行う時期における稼働率が80%を下回る見込みであると本資産運用会社が判断した場合、又は中長期的な観点からキャッシュ・フローの安定化が必要であると本資産運用会社が判断した場合、賃借人をトーセイ又は第三者とする賃料固定型ML契約の導入の検討を行い、その要否について決定するものとします。ただし、稼働率が80%を下回る場合においても、短期間で稼働が安定すると資産運用会社が判断した場合においては、賃料固定型ML契約を導入することなく物件の取得を行うことができるものとします。

 また、PM業務の委託と関連して、PM会社との間でパススルー型ML契約を締結することがあります。

修繕計画及び資本的支出に関する方針

 中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕計画をPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。修繕及び設備投資は、原則として個別物件の減価償却費の範囲内で行うものとしますが、ポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。ただし、テナントの満足度向上に向けた政策上の観点から必要な修繕及び設備投資については早期に実施するものとします。修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を踏まえ、減価償却費及び修繕計画を考慮したうえで、必要な額を積み立てます。

 なお、投資法人による保有期間が中長期に及んだ場合、当初策定した修繕計画の見直し等の過程において、設備・機能等の陳腐化による建物の競争力の低下を防ぐ観点から、例えば、テナントの立ち退き交渉を行ったうえで、大規模な改修・改装工事等を行う必要性が高いと判断する場合があります。そのような場合には、改修・改装工事等の期間に一定の時間を要すこととなり、かつ、同施工期間中に生じた空室部分の稼働率回復期間を通じて、稼働率が安定していた期間に比べてキャッシュ・フローが著しく低下し、当該期間中の収益計画への影響が少なくないことを考慮し、かかる大規模な改修・改装工事等を修繕計画に織り込むことなく、物件の入替えを含め、他の施策の検討を行うものとします。

トーセイ・リート投資法人の財務戦略

エクイティ・ファイナンス 新投資口の発行は、発行に伴い取得する物件の収益性、取得時期、LTV水準、有利子負債の返済時期等を総合的に考慮し、新投資口の追加発行による持分割合の低下に配慮したうえで適時に実施するものとします。中長期的な投資主価値向上の観点から、投資口価格の水準、手元資金の状況、金融市場の動向や財務状況等を勘案し、必要に応じ、自己投資口の取得及び消却を検討することができます。また、実施する場合には、その規模、市況への影響等にも十分に配慮するものとします。
デット・ファイナンス 安定した収益の確保及び運用資産を着実に成長させることを目的として、資産の取得、修繕、分配金の支払及び本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金及び保証金の返還並びに借入金の返済及び投資法人債の償還を含みます。)等を使途として、借入れ又は投資法人債の発行を行うことができます。
LTV水準 LTVの上限については、資金余力の確保に配慮しつつ、原則として60%を上限としますが、資産の取得及び評価額の変動等に伴い、一時的に前記数値を超えることがあります。
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