スターツプロシード投資法人では、最も需要の安定していると考える平均的な所得層を対象にした賃貸住宅を主要な投資対象とすることで、安定的な運用を継続的に行うことを狙いとしています。
スターツプロシード投資法人の概要
名称 | スターツプロシード投資法人 |
住所 | 東京都中央区日本橋3-1-8 スターツ日本橋ビル6F |
資産運用会社 | スターツアセットマネジメント株式会社 |
資産保管委託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 三井住友信託銀行株式会社 |
投資主名簿管理人 | 三井住友信託銀行株式会社 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
決算期 | 4月・10月 |
民営借家の全国平均賃料は約64,000円
民営借家(非木造)の全国平均賃料は63,603円となっています。スターツプロシード投資法人では、各エリアにおける適正な賃料設定がなされた平均的な賃貸住宅に投資を行うことにより、将来における賃料の変動リスクの軽減を目指します。
日本の給与所得者の約88%が年収700万円未満
日本で働く人々の多くが、年収700万円未満となっています。スターツプロシード投資法人では、この最も需要の多い入居者層が適切な家賃負担で入居できる中小規模の賃貸住宅を主要な投資対象とすることで、需要の変動リスクを軽減することを目指します。
スターツグループとの協力関係
スターツプロシード投資法人は、資産運用会社(スターツアセットマネジメント株式会社)とスターツグループとの間のパイプラインサポート契約、物件情報提供契約等を通じて、スターツグループと広範な協力関係を構築しています。かかる協力関係の下で、スターツグループ各社の役割・特徴を生かし、ポートフォリオの安定的な成長を目指します。
スターツグループの概要
資産有効活用コンサルティングに伴う賃貸住宅等の建設等を行うスターツCAM株式会社、不動産営業店舗「ピタットハウス」による不動産仲介事業を行うスターツピタットハウス株式会社、分譲住宅の企画、開発及び販売等を行うスターツデベロップメント株式会社等を中心とした、建設不動産管理事業、分譲事業、注文住宅事業、出版事業、証券事業、ホテル事業及び高齢者介護事業などを営む各社で構成される企業グループです。
スターツプロシード投資法人のポートフォリオ構築戦略
スターツプロシード投資法人は賃貸住宅市場の動向を踏まえつつ、各用途・住戸タイプにおける各種リスクの軽減、地域毎の賃貸住宅需要における経済・社会動向に留意し、用途別・地域別・住戸タイプ別のポートフォリオ構築方針を定めます。具体的には以下のとおりです。
用途別ポートフォリオ構築方針
用途区分 | 説明等 | 価格比率 |
賃貸住宅 | 単身向け、DINKS向け、ファミリー向け等、通常の賃貸住宅です。専門のオペレーターに運営を委託することを想定した学生向けマンションや、法人による数部屋単位の借上げを想定した社宅(又は寮)もこの中に含みます。 | 70%以上 |
マンスリーマンション (=短期滞在マンション) |
家具付きで月単位等の短期契約が可能な賃貸住宅です。独自の運営組織とノウハウが必要なため、専門のオペレーターとマスターリース契約を締結し、一括賃貸することを想定しています。 | 25%以内 |
サービスアパートメント | 家具付きで寝具交換、フロントサービス等のサービス提供がある賃貸住宅です。独自の運営組織とノウハウが必要なため、専門のオペレーターとマスターリース契約を締結し、一括賃貸することを想定しています。 | |
ホテル | 主として宿泊特化型のホテルを想定していますが、これに限りません。独自の運営組織とノウハウが必要なため、専門のオペレーターとマスターリース契約を締結し、一括賃貸することを想定しています。 | |
高齢者向け施設 | 有料老人ホーム等の形式の賃貸住宅及び介護老人福祉施設等の介護保険施設(これらに付随する医療施設等を含みます。)を想定していますが、これらに限りません。独自の運営組織とノウハウが必要なため、専門のオペレーターとマスターリース契約を締結し、一括賃貸することを想定しています。 | 10%以内 |
その他 | 賃貸住宅等のいずれにも該当しない用途であり、主として資産運用会社であるスターツアセットマネジメント株式会社が兼業する不動産コンサルティング業務により建築企画等を行ったPFI、PPP、市街地再開発事業等による開発物件等を想定していますが、これに限りません。 | 25%以内 |
※店舗等と併用される物件についても投資できるものとします。但し、こうした店舗併用物件については、原則として上記①乃至③の用途の面積が建物全体(駐車場、駐輪場等の面積は除きます。)の50%以上を占める物件であることを基準とします。
地域別ポートフォリオ構築方針
入居者ニーズが堅調な首都圏主要都市を主たる投資対象としつつ、特定の地域に集中することによる偏在リスクを軽減することを目的とします。
地域区分 | 価格比率 |
首都圏主要都市 | 70%以上 |
政令指定都市(上記に含まれる都市を除きます。) | 20%以内 |
地方主要都市(上記に含まれる都市を除く県庁所在地等) | 10%以内 |
住戸タイプ別ポートフォリオ構築方針
ライフスタイルを分析し、各住戸タイプの収益特性を的確にポートフォリオに反映させ、かつ特定の入居者層への偏在リスクを軽減することを目的とします。PML(Probable Maximum Loss)の数値は、対象施設あるいは施設群に最大の損失をもたらす地震(今後50年間で10%を超える確立で発生する大地震)が発生し、その場合の90%信頼水準の相当する物的損失(最大の損失を超えない確率が90%の水準における損失)を示します。数値は再調達価格に対する予想最大損失額の比率で表されます。
住戸タイプ区分 | 特徴 | 面積比率 | |
シングルタイプ | 主な想定入居者像 | 学生や社会人を中心とした単身者 | 20%~50% |
想定入居人員 | 1人 | ||
専有面積 | 18㎡~28㎡程度 | ||
間取り | ワンルーム、1K、1DK | ||
DINCSタイプ | 主な想定入居者像 | ゆとりを求める単身者や利便性を重視するDINKSや幼児1人程度がいる家族 | 5%~25% |
想定入居人員 | 1人~3人 | ||
専有面積 | 28㎡~45㎡程度 | ||
間取り | 1LDK、2DK | ||
ファミリータイプ | 主な想定入居者像 | 利便性とともに住環境の良さを重視する、子供がいる家族世帯 | 30%~60% |
想定入居人員 | 2人以上 | ||
専有面積 | 45㎡程度以上 | ||
間取り | 2LDK、3DK、3LDK以上 |
個別物件の選定方針
個別物件の取得に当たっては、賃貸住宅を中心とし、収益性とリスクを総合的に勘案して安定的収入が見込める物件を選定することとしています。かかる物件を選定するための基準は以下のとおりです。
項目 | 物件選定方針 |
構造 | 木造(但し、耐火建築物であるものは除きます。)及び軽量鉄骨造以外の構造であること |
築年数 | 新耐震設計基準に適合する物件であること |
立地 | 地域性に鑑み賃貸需要が見込めると判断できる立地であり、中長期的に良好な住環境が維持される見込みがある物件であること |
耐震性 | 取得時におけるPMLは20%以下であること |
デューデリジェンス基準
運用資産の選定に際しては、投資家の利益を最大化することを目的として、外部の第三者である専門家によって作成された不動産鑑定評価書、エンジニアリングレポート及び地震リスク診断報告書等の各種デューデリジェンスレポートの作成を委託する等、外部の専門家の調査や助言を得ながら、当該物件に存在するリスクを明確にした上で、収益性とリスクを総合的に勘案して的確な判断を行うものとします。具体的な調査項目は以下のとおりです。
スターツプロシード投資法人の外部成長戦略
パイプラインサポート契約及び物件情報提供契約による協力関係
資産運用会社は、スターツプロシード投資法人の資産運用業務に関連して、スターツコーポレーション株式会社、スターツデベロップメント株式会社及びスターツアメニティー株式会社からのウェアハウジング機能の提供や物件情報の取得等を目的としてパイプラインサポート契約を締結し、また、スターツCAM株式会社からの物件情報の取得を目的として物件情報提供契約を締結し、もって、スターツコーポレーション株式会社、スターツデベロップメント株式会社、スターツアメニティー株式会社及びスターツCAM株式会社(サポート会社)による協力体制を構築しています。
具体的には、パイプラインサポート契約及び物件情報提供契約に基づき、運用資産の取得に関連してサポート会社の保有する物件情報のすべてを資産運用会社が優先的に受領することが可能となっており、これにより、サポート会社の分譲住宅事業における物件情報を活用し、また、サポート会社が土地の有効活用事業で培った賃貸住宅開発のノウハウを傾注して、様々な物件を安定的に取得することを目指しています。さらに、サポート会社がPFIや公募プロポーザルコンペ等により優先交渉権等を獲得した開発事業を通じて、大型賃貸住宅物件を取得することが可能となっています。
スターツグループが有する開発ノウハウの有効活用
スターツグループは土地仕入から建物の企画・設計・施工・リーシングまでを一貫して実施しており、スターツグループの開発物件について本投資法人が取得を検討する場合には、パイプラインサポート契約に基づき、稼働率が一定の基準に達するまでサポート会社又はサポート会社が設立した特別目的会社が物件を取得して保有する機能(ウェアハウジング機能)を利用することが可能であり、かかるウェアハウジング機能により、完工及び稼働率安定までの物件保有リスクを回避することが可能となっています。
スターツグループの「住まい」に関する開発ノウハウを活かした物件への投資により、投資物件の多様性を確保します。また、スターツグループの地域密着型の事業展開によるネットワークを通じたきめ細かな物件情報を入手、分析することによって、地域内で安定的に稼働が見込める物件に投資し、もって資産規模の着実な成長を目指します。
物件売却方針
運用資産については、原則として短期での譲渡は行わず、中長期的に保有することとします。運用資産を譲渡する場合は、不動産市況、当該運用資産が所在するエリアの将来的な不動産市況、当該運用資産の将来的な収益の予測、当該運用資産について今後発生する大規模修繕に関する計画、ポートフォリオ構成を考慮して総合的に判断した上で、譲渡の是非を決定するものとします。
スターツプロシード投資法人の内部成長戦略
物件の運営管理方針
プロパティマネジメント業務については、入居者に対する24時間体制での対応が行える等のきめ細やかな対応を広範な物件所在地において均質かつ適切な運営管理コストで行えるよう、一貫した業務体制の構築を目指します。そのため、プロパティマネジメント会社へすべての物件について一括委託するものとします。また、原則として、プロパティマネジメント業務のうちリーシング業務については、募集力があり、リーシングコストが適切なリーシング会社にプロパティマネジメント会社から再委託させることで、プロパティマネジメント会社とリーシング会社の緊密な連携を図り、効率的な集客等による稼働率の上昇を実現することを目指します。かように運営経費を低コスト化し、高稼働率を確保することで収益性を高めることを目指します。
スターツアメニティー株式会社へのプロパティマネジメント業務の一括委託
スターツグループは、賃貸住宅管理戸数約60万戸の管理実績を有しており、その多くはスターツアメニティー株式会社が担当しています。入居者に対してきめ細やかな各種サービスを提供し、入居者満足度の向上、ひいては稼働率の向上を目指しています。
・地域密着型の営業体制に基づく情報力
・24時間365日の顧客応対コールセンター
・スケールメリットを活かした修繕費用の低減
・金融機関と直結した精算管理
・未然予防の徹底された滞納管理システムの活用
・システム化された退去業務、巡回業務、修繕業務による工期の短縮と費用の削除
・入居者ニーズを反映した営繕工事による資産価値の維持
・リノベーションによる資産価値の向上
不動産営業店舗「ピタットハウス」が担うリーシング業務
全国600店舗を超えるネットワークを有する賃貸・売買仲介店舗「ピタットハウス」が、入居者募集を担当し、稼働率及び収益の向上を目指します。
・店舗網の大きさを活かした相互顧客紹介
・多様な情報媒体によるメディアミックス
・テレビコマーシャルや看板等による宣伝広告
・ホスピタリティーを重視した接客
・入居者ニーズに合った商品設定
・サービスシステムの開発
・募集条件や地域の賃貸住宅市場についての豊富な知識に基づく適切な賃料設定
マスターリース契約を活用した収益の安定化
スターツプロシード投資法人は、信託受託者及びスターツアメニティー株式会社と締結している各種のマスターリース契約の形態を組み合わせて活用することで、物件が所在する地域の賃貸市場やその中で当該物件が有する競争力を勘案して収益の向上を目指しつつ、一時的な賃貸市場の変動や新築時の稼働率の変動を回避し、本投資法人の収益の向上及び安定化を目指します。
主なマスターリースの形態は下記①から③のとおりです。なお、物件の個別状況に応じ、事務所・店舗部分と住居部分で別形態のマスターリース契約を採用する等、同一の物件において下記①から③を併用することがあります。
①パス・スルー型マスターリース契約
マスターリース会社とマスターリース契約に基づく転借人たるテナント(エンドテナント)との間で締結されている転貸借契約に基づき現にエンドテナントから支払われた賃料等と同額の金銭がマスターリース賃料となり、これを、信託受託者を通じて投資法人が収受し、修繕費や定期保守代金等の一般的に賃貸事業に必要な費用はすべて信託受託者及び本投資法人が負担する契約形態です。稼働が順調な場合は、収入の上昇分を得られる可能性がありますが、稼働が低迷した場合や退去工事等が重なり修繕費の支払いが集中した場合には、不動産賃貸事業損益が減少する可能性があり、不動産賃貸事業損益の変動が比較的大きい契約形態となっています。投資法人では、原則としてこの形式のマスターリース契約を採用しています。
②固定賃料型マスターリース契約
マスターリース会社とエンドテナントとの間で締結されている転貸借契約に基づき現にエンドテナントから支払われた賃料等にかかわらず、マスターリース会社と信託受託者及び投資法人の間であらかじめ約定した固定賃料を、信託受託者を通じて投資法人が収受する契約形態です。収入の変動が限定的になり、修繕費や定期保守代金等の一般的に賃貸事業に必要な費用のほとんどはマスターリース会社が負担をしますので、収入の上昇分を得られる可能性はありませんが、稼働が低迷した場合や退去工事等が重なり修繕費の支払いが集中した場合でも、不動産賃貸事業損益が減少する可能性が極小化されている契約形態となっています。投資法人では、物件周辺の賃貸住宅市場における物件供給状況や人口動態等の一時的な変動による影響を回避する目的で、この形式のマスターリース契約を採用することがあります。
③最低賃料保証型マスターリース契約
「パス・スルー型マスターリース契約」の持つ収入の上昇分を得られる可能性と「固定賃料型マスターリース契約」の不動産賃貸事業損益の安定化という両契約の特長をあわせた契約形態で、エンドテナントから支払われた賃料等がマスターリース会社と信託受託者及び投資法人の間であらかじめ約定した賃料を下回る場合には、投資法人は信託受託者を通じて当該約定賃料を収受し、エンドテナントから支払われた賃料等があらかじめ約定した賃料を上回る場合には、当該賃料等と同額の金銭を信託受託者を通じて本投資法人が収受することができる契約形態です。具体的には、新築物件で稼働が安定するまでの間の収入が不安定な期間は、約定した賃料を収受し、稼働が安定し、実際の賃料収入が約定賃料を上回った場合には、実際の賃料収入を収受することができる契約形態です。
スターツプロシード投資法人の財務戦略
エクイティ・ファイナンス | 運用資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、金利環境を的確に把握し、投資口の希薄化に配慮しつつ、投資口の追加発行を実行します。 |
デット・ファイナンス | 資金調達コストの低減と金利変動リスクの最小化を図り、金利環境を的確に把握しつつ、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等、資金調達方法のバランスを考慮したうえで、借入先は、機関投資家に限るものとし、資金調達コスト及び金利変動リスクを低減し、固定・変動の金利形態、期間、担保設定の有無等の諸条件を、複数の機関投資家と交渉の上、比較し決定するものとします。また、安定的な資金調達の手段として投資法人債を発行することがあります。必要資金の機動的な資金調達を目的として、コミットメントライン契約等の事前の融資極度設定又は随時借入の予約契約を締結する場合があります。 |
LTV水準 | LTVは上限を60%とし、安定的に推移させることを目標とします。但し、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。 |
自己投資口の取得及び消却
資本効率の向上及び投資主還元を目的として、自己投資口の取得及び消却を行うことを検討します。検討にあたっては、中長期的な投資主価値向上の観点から、投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況、市場環境等を慎重に見極めたうえで実施の可否を判断するものとします。