2026年8月21日にジャパンエクセレント投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,050円のところ3,070円で着地しました。
成長性を高める資産入替と賃料上昇の取り込み

2026年6月期のジャパンエクセレント投資法人は、オフィスを中心としたポートフォリオの質的向上を目指し、積極的な資産入替と内部成長の推進に取り組みました。当期は、前期に一部売却を実施していたJEI浜松町ビルの残余持分売却を完了したほか、BIZCORE赤坂見附の売却契約を締結しました。一方で、アクアタウン納屋橋を取得するとともに、赤坂インターシティAIRの持分追加取得を実施し、ポートフォリオの成長性向上と利回り改善を進めています。これらの取組みによって資産規模は2,974億円へ拡大しました。
さらに、第40期以降も戦略的な資産入替を継続しています。取得資産は平均築年数4.1年と築浅で成長余地の大きい物件を中心としている一方、譲渡資産は平均築年数39.7年となっており、ポートフォリオの若返りを実現しています。また、取得資産の平均償却後NOI利回りは4.5%超と、譲渡資産を上回る収益性を確保しています。
内部成長では、堅調なオフィス市況を背景に賃料増額が加速しました。当期の賃料改定における増額割合は69.0%、増額改定率は5.7%となり、前期から大きく改善しています。賃料改定による月額賃料増加額は約1,520万円となり、契約更新による増額面積も13,000坪を超える水準となりました。
テナント入替時の賃料増額率も5.6%を実現しており、一部特殊案件を除けば10%を超える水準となっています。オフィス市場での空室率低下と賃料上昇により、レントギャップはマイナス8.4%まで拡大しており、今後もさらなる賃料引き上げ余地を有しています。住宅についても高稼働率を維持しながら、新規契約時8.2%、更新時2.0%の賃料増額を実現しました。
強固な財務運営とESG経営の深化

財務面では、金利上昇局面の中でも資金調達の安定性を維持しました。当期は新規取得に伴う短期借入れ85億円、既存借入金101.5億円の借換えに加え、30億円のグリーンボンド発行を実施しました。その結果、総資産LTVは45.5%、時価LTVは35.6%となっています。また、有利子負債の平均残存期間は3.9年、固定金利比率は74.7%を維持しています。
格付面では、株式会社日本格付研究所(JCR)からAA-(安定的)の格付を維持しており、良好な信用力を背景とした資金調達を継続しています。長期借入と投資法人債を組み合わせながら、金融コスト上昇の抑制に努めています。
業績面では、営業収益116億400万円、経常利益44億円、当期純利益43億9,900万円を計上しました。1口当たり分配金は3,070円となり、前期比34円増加しています。物件売却益や内部成長による賃貸収益増加が分配金を押し上げました。
サステナビリティへの取り組みも着実に進展しています。2030年度までにCO₂排出原単位を2023年度比42%以上削減し、2050年度ネットゼロを目指す目標を掲げています。当期はFORECAST博多呉服町でBELS5つ星認証を取得したほか、NORE伏見でCASBEE不動産評価認証Sランク、グリーンオーク九段及びグリーンオーク高輪台でAランク認証を取得しました。これにより環境認証取得率は賃貸可能面積ベースで87.8%まで拡大しています。
また、GRESBリアルエステイト評価では11年連続で「Green Star」を取得し、GRESBレーティングでは「4 Star」、CDP気候変動プログラムでは「Bスコア」を獲得しました。環境対応と情報開示の両面で高い評価を維持しています。
ポートフォリオ強靭化を通じた持続的成長へ
2026年6月期は、ジャパンエクセレント投資法人が掲げる「ポートフォリオ強靭化」が具体的な成果として表れた期となりました。低成長・低利回り資産の売却と、築浅で成長性の高い物件への投資を進めることで、資産の質と収益性を高めています。さらに、高稼働率を維持しながら賃料増額を進めたことで、オフィス・住宅ともに内部成長が加速しました。
今後は、引き続き資産入替によるポートフォリオの改善を進めるとともに、賃料上昇局面を活かしたレントギャップ解消に注力する方針です。また、創出された譲渡益や内部留保を活用しながら、成長投資と投資主還元の両立を図る考えです。
オフィス市場の改善基調、豊富な含み益、高い環境認証取得率を背景に、今後も安定的な収益拡大と投資主価値向上が期待される内容となりました。
