2025年8月19日にマリモ地方創生リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,189円のところ3,512円で着地しました。
尚、利益超過分配金が301円が含まれています。
地方分散戦略を活かした資産入替と成長投資

2026年6月期のマリモ地方創生リート投資法人は、「地方創生」をテーマにした独自の投資戦略のもと、資産入替と内部成長を組み合わせながら投資主価値の向上を進めました。当期末の運用資産は61物件、取得価格総額623億円となり、地方都市を中心とした分散型ポートフォリオを構築しています。
外部成長では、ヘルスケア施設であるツクイ・サンフォレスト水戸を10.8億円で取得しました。同物件はサービス付き高齢者向け住宅や通所介護施設などを備える複合型施設であり、高齢化が進む地域の社会ニーズに対応する資産として位置付けられています。また、2026年8月には香川県高松市のレジデンスであるアルティザ高松中央町を取得することで、四国エリアへ新たに進出し、地理的分散効果の向上を図っています。
一方で、資産回転型戦略も継続しています。当期はアルティザ相模原を譲渡し、譲渡益を計上しました。今後も年間50億円規模の資産売却を目指し、含み益の顕在化と分配金原資の確保を進める方針です。資産入替によりポートフォリオの質向上と投資主還元を両立する戦略が特徴となっています。
内部成長では、レジデンスを中心に賃料上昇が進みました。レジデンスの入替時賃料上昇率は6.9%となり、入替が発生した住戸の約80%で賃料増額を実現しました。特に東京圏や九州エリアでは高い賃料上昇率を達成しており、堅調な住宅需要を背景に収益改善が進んでいます。
ホテル部門でも成果が見られました。KOKO HOTEL飛騨高山やHOTEL SUI 浜松 by ABESTでは変動賃料が過去最高を更新し、取得時の想定を大幅に上回る収益水準となっています。また、商業施設ではリソラ大府クリニックモールで賃料増額改定を実現するなど、各アセットタイプで内部成長が進展しました。
安定財務とESG推進による持続可能な運営

財務面では、金利上昇環境への対応を進めながら健全な財務基盤を維持しました。当期は2026年1月に24.4億円の借換えを実施し、有利子負債残高は333億円となりました。LTVは48.9%、時価LTVは41.6%となり、財務健全性を確保しています。
また、借入年限の分散や金融機関との関係強化にも取り組んでいます。格付は株式会社日本格付研究所からA-(安定的)を維持しており、今後も資金調達手段の多様化を進めながら財務基盤の強化を図る方針です。
業績面では、営業収益27億800万円、経常利益9億400万円、当期純利益9億300万円を計上しました。投資口1口当たり利益分配金は3,211円となり、さらに利益超過分配金301円を加えた総分配金は3,512円となりました。内部成長や物件譲渡益が分配金水準を支えています。
サステナビリティへの取り組みでは、2025年GRESBリアルエステイト評価において「1スター」を取得しました。また、地方創生への貢献を重要なテーマとして位置付け、地方のレジデンス、商業施設、ホテル、ヘルスケア施設への投資を通じて地域経済の活性化に寄与しています。加えて、環境認証取得やエネルギー効率の改善など、環境面への配慮も継続しています。
含み益の活用と地方創生戦略の深化
2026年6月期は、マリモ地方創生リート投資法人が掲げる「地方創生」と「資産回転型運用」の両立が着実に成果へ結び付いた期となりました。レジデンス、ホテル、商業施設、ヘルスケア施設といった幅広いアセットへ投資することで、安定収益と成長性を両立するポートフォリオを形成しています。
また、18期連続の譲渡益計上や豊富な含み益の活用により、継続的な分配金成長を実現しています。中期的にはDPU4,000円を目標に掲げており、内部成長による賃料上昇と資産入替による売却益還元を通じて達成を目指す方針です。
今後も地方都市における優良資産の取得、ホテルやレジデンスの賃料増額、戦略的な資産売却を組み合わせながら、持続的な投資主価値向上と地方経済への貢献を追求していくことが期待されます。
