2025年2月19日にマリモ地方創生リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,058円のところ3,206円で着地しました。
尚、利益超過分配金245円が含まれています。
物流施設やレジデンスへの投資拡大によるポートフォリオの安定化

外部成長では、ポートフォリオの収益基盤強化を目的として、2025年7月に「下妻冷凍冷蔵物流センター」、同年8月にレジデンス物件「アルティザ長崎水辺の森」を取得しました。また、12月には「ヤマダデンキテックランド時津店」の底地を追加取得し、資産価値向上と将来的な収益改善を図りました。これらの取得を通じて、18期に実施した資産譲渡による収益減少分の補完に加え、物流施設やレジデンスへの投資拡大によるポートフォリオの安定化を進めています。加えて、2025年9月には投資対象にヘルスケア施設を追加する方針変更を決議し、新たな投資機会の創出と収益源の多様化を図りました。
内部成長では、各地域の需要特性を踏まえたリーシング活動と賃料改定施策を積極的に展開しました。その結果、2025年12月期末のポートフォリオ稼働率は99.2%、期中平均稼働率は99.3%と高い水準を維持しました。特にレジデンスでは平均1.48%の賃料増額を実現したほか、商業施設では「MRRくまもと」で16.6~20%の賃料増額、「MRRいちはら」では既存契約の20%増額に加えて新規テナントとの契約により大幅な賃料上昇を達成しました。また、「リソラ大府クリニックモール」では空室区画へのテナント誘致に成功し、稼働率を100%まで引き上げています。さらにホテルアセットでは、「ホテルSUI浜松 by ABEST」や「KOKO HOTEL飛騨高山」において変動賃料の恩恵を取り込むことで、収益の増加につなげました。
グリーンローン残高は64億50百万円へ拡大

財務面では、金利上昇局面を迎える中でも安定的な資金調達体制の維持に努めました。2025年8月には返済期限を迎えた長期借入金20億15百万円の借換えとして、同額のグリーンローンを実行しました。その結果、2025年12月末時点の借入金残高は333億40百万円、LTVは49.0%となりました。また、グリーンローン残高は64億50百万円へ拡大し、環境配慮型ファイナンスの活用を進めています。一方で、国内の政策金利引き上げやTIBOR上昇の影響を受けて支払利息は増加しており、利益面では一定の圧迫要因となりましたが、多様な金融機関との取引関係を維持することで財務の安定性を確保しました。
業績面では、営業収益2,514百万円、営業利益1,150百万円、経常利益834百万円、当期純利益833百万円を計上しました。分配金については、1口当たり利益分配金2,961円に加え、利益超過分配金245円を実施し、合計3,206円を分配しています。利益超過分配はキャッシュマネジメントの一環として実施されており、将来の修繕資金や財務健全性を考慮したうえで決定されました。
サステナビリティ対応では、環境・社会・ガバナンス(ESG)を重視した運用を継続しました。その成果として、2025年10月に実施されたGRESBリアルエステイト評価において「GRESBレーティング1スター」を取得しました。また、グリーンローンを活用した資金調達を継続するなど、環境負荷低減と持続可能な不動産運用を意識した取り組みを進めています。さらに、ヘルスケア施設を投資対象へ加えたことは、高齢化が進む地方社会の課題解決に資する社会的意義の高い施策として位置付けられています。
総括
2025年12月期のマリモ地方創生リート投資法人は、外部成長と内部成長の双方で着実な成果を上げた1年となりました。物流施設やレジデンスの取得、底地追加取得などを通じて資産規模の拡充とポートフォリオの質の向上を進める一方で、賃料増額やリーシング活動による収益力向上を実現し、高稼働率を維持しました。
また、金利上昇局面においてもグリーンローンを活用した借換えや金融機関との強固な取引関係により財務基盤を維持し、安定した分配を継続しています。さらに、ヘルスケア施設への投資対象拡大やGRESB評価取得など、将来を見据えたサステナビリティ戦略も着実に前進しました。こうした取り組みにより、同投資法人は地方創生をテーマとする特色あるポートフォリオの成長と、投資主価値の向上を両立させながら、中長期的な収益基盤の強化を進めた期であったと評価できます。
