2026年10月20日に三井不動産アコモデーションファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,397円のところ2,445円で着地しました。
戦略的資産入替えによるポートフォリオの安定性と成長性の向上

2026年8月期の三井不動産アコモデーションファンド投資法人は、外部成長戦略として戦略的な資産入替えを推進しました。当期はキャンパステラス九大学研都市、パークアクシス押上レジデンス、パークアクシス西馬込、パークキューブ八王子の4物件を総額80億円で取得する一方、パークアクシス月島およびドーミー西荻窪の2物件を売却しました。取得物件は築浅かつ賃料上昇余地の大きい物件を中心に選定されており、ポートフォリオの競争力強化を図っています。
内部成長面では、賃貸住宅市場の需給逼迫を追い風に、積極的な賃料引き上げに取り組みました。月末稼働率の期中平均は97.2%と高水準を維持しながら、入替え時の賃料変動率は15.2%、更新時の賃料変動率は2.9%と、いずれも高い伸びを実現しました。特に入替え住戸の9割超で賃料引き上げを実施しており、東京23区を中心とした賃貸住宅市場の旺盛な需要を収益向上へと結び付けています。
また、大川端賃貸棟に加え、パークキューブ亀有やパークキューブ小岩でも専有部リノベーションを実施し、収益力向上を推進しました。芝浦アイランドエアタワーやパークキューブ板橋本町では大規模修繕工事を行うなど、資産価値の維持・向上にも継続的に取り組みました。
高水準の内部成長を背景に増収増益を達成

財務面では、内部成長と物件譲渡益の寄与により大幅な増収増益を達成しました。当期の営業収益は14,592百万円、営業利益は7,524百万円、経常利益は6,836百万円、当期純利益は6,835百万円となりました。さらに、パークアクシス月島の譲渡益の一部を圧縮積立金として内部留保しながら、1口当たり分配金は2,445円を実現しています。
資金調達面では、市場環境や金利動向を踏まえながら借入金のリファイナンスを進め、借入先の分散と長期化を継続しました。期末時点の総有利子負債は1,732億円、LTVは51.7%、長期負債比率は98.8%となっています。また、格付投資情報センター(R&I)からAA−の発行体格付けを維持しており、安定した財務基盤を保持しています。
サステナビリティ面では、省エネルギー化と環境負荷低減を引き続き推進しました。賃貸住宅全123物件で共用部照明のLED化を完了したほか、電力量計測装置の設置拡大やFIT非化石証書の購入を実施しています。また、CASBEE不動産評価認証の取得や環境データに対する第三者保証の取得を通じて、ESG施策の高度化を進めました。加えて、地域コミュニティ活動への協力や企業版ふるさと納税への参画など、社会的価値創出にも取り組んでいます。
東京23区中心の賃貸住宅ポートフォリオを軸に持続的成長を実現
2026年8月期は、東京23区を中心とした高品質な賃貸住宅ポートフォリオを活用し、外部成長と内部成長の双方で成果を挙げた期となりました。厳しい取得環境の中でも4物件を取得して資産の新陳代謝を進める一方、賃料上昇局面を的確に捉えた賃料改定やリノベーション施策によって、既存資産の収益力を大きく高めています。
また、増収増益を達成しながら内部留保を積み増し、財務健全性と将来の分配原資を確保した点も特徴的でした。環境対応や地域社会との共生にも着実に取り組んでおり、収益性向上とサステナビリティ推進を両立した運用が進展した期であったと評価できます。今後も都心部の堅調な賃貸需要を背景に、戦略的な資産入替えと積極的な内部成長施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上が期待されます。
