2026年7月16日にアクティビア・プロパティーズ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,169円のところ3,204円で着地しました。
資産入替と成長アセットへの投資で描く次なる収益基盤

2026年5月期のアクティビア・プロパティーズ投資法人は、「お客様に選ばれ続ける不動産」を軸としたプロアクティブな運用を継続し、資産入替と内部成長を通じて投資主価値の向上に取り組みました。期末時点の保有資産は46物件、取得価格総額5,421億円となり、都市型商業施設、オフィス、ホテルを中心としたポートフォリオを形成しています。
外部成長では、2026年5月に「神戸旧居留地25番館」の準共有持分24%を譲渡する一方、「ネストホテル那覇久茂地」を取得しました。譲渡資産は含み益の顕在化を通じて投資主還元に貢献し、取得資産は高い収益性と将来の賃料成長余地を有するホテルとして位置付けられています。さらに、2026年9月取得予定の「A-FLAG京都四条」をはじめとするホテル投資を進めることで、インバウンド需要の取り込みと変動賃料によるアップサイド獲得を目指しています。
中期成長戦略では、2025年から2027年にかけてポートフォリオの約10%に相当する資産入替を進める方針を掲げています。当期までの累計取得額は733億円、累計譲渡額は624億円となり、ポートフォリオの質的改善が着実に進展しました。譲渡資金を新たな成長資産へ振り向けることで、将来の収益基盤強化を図っています。
内部成長では、オフィスが大きな成果を上げました。2026年5月期のオフィス賃料改定・入替による平均賃料増額率は12%、増額面積割合は75%となり、賃料ギャップの充足率は108%を達成しています。特に広域渋谷圏では、スポンサーグループのリーシング力を活かし、マーケット賃料を上回る条件でテナント入替や賃料改定を実現しました。オフィス全体の賃料ギャップは期当たり18.6億円相当まで拡大しており、今後の増額余地も大きい状況です。
商業施設でも積極的なリーシング戦略が奏功しました。「東急プラザ表参道『オモカド』」や「キュープラザ心斎橋」では大型テナントの入替や用途変更を伴う再構築を実施し、50%を超える賃料増額事例も創出しています。ホテル部門では、変動賃料型ホテルの賃料収入が拡大し、福岡や京都などインバウンド需要の高いエリアを中心に収益成長が進みました。
安定財務とESG推進による持続可能な成長体制

財務面では、金利上昇局面への対応を進めながら、安定した資金調達基盤を維持しました。当期は総額207億円の借換えを実施し、資金調達手法の多様化や借入期間の調整によって金利上昇リスクの抑制を図っています。当期末の有利子負債残高は2,647億円、LTVは47.1%、固定金利比率は86.3%となりました。格付はJCRからAA(安定的)を維持しています。
業績面では、営業収益177億3,200万円、経常利益84億5,700万円、当期純利益84億5,600万円を計上しました。分配金は1口当たり3,204円となり、前期比91円増、予想比でも34円増となりました。内部成長による賃料収入増加や商業施設・ホテルの収益拡大が業績を押し上げています。
サステナビリティの取り組みでは、2026年4月にマテリアリティを見直し、7月には新たな環境目標を公表しました。2030年までにスコープ1・2の温室効果ガス排出量を2022年度比42%削減、スコープ3を25%削減する目標を掲げています。 また、再生可能エネルギーについては全保有物件で調達を継続し、グリーン認証取得割合は85.2%に達しました。
当期は「マーケットスクエア相模原」でCASBEE不動産認証を取得したほか、「A-PLACE代々木」では空調更新工事を実施し電力使用量を約24%削減する見込みです。「恵比寿プライムスクエア」では節水効果の高いトイレ改修工事も進められており、環境負荷低減と運営効率化の両立を進めています。
「賢守×成長」で実現する持続的な投資主価値向上
2026年5月期は、アクティビア・プロパティーズ投資法人が掲げる「賢守×成長」の戦略が具体的な成果となって表れた期でした。オフィスでは賃料改定とテナント入替が加速し、商業施設では戦略的リーシングによる収益性向上、ホテルではインバウンド需要の取り込みによる変動賃料の増加が進みました。
また、資産入替による含み益の顕在化とホテル取得による将来成長の確保を両立し、中長期的な収益力強化へつなげています。2029年5月期までにEPU成長率を年平均3%以上へ引き上げる目標も掲げており、DPUの持続的な成長も見込まれています。
今後もスポンサーグループのリーシング力や開発力を活用しながら、資産入替、賃料成長、バリューアップ投資を組み合わせることで、ポートフォリオの競争力向上と投資主価値最大化を目指す方針です。都市型資産を中心とした成長戦略は、今後も安定した分配金成長を支える原動力として期待されます。
