2026年10月22日にオリックス不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,450円のところ2,504円で着地しました。
DPU年率3%成長に向けたポートフォリオの入替を加速

2026年8月期のオリックス不動産投資法人は、持続的な分配金成長を実現するため、ポートフォリオの質と収益性の向上を目的とした資産入替を積極的に推進しました。当期はオフィスの「蒲田プライム」、住宅の「ベイサイドパークOSAKAサウスレジデンシス」および「ベイサイドパークOSAKAノースレジデンシス」、さらに「天神ノースフロントビル」の追加取得と「那覇新都心センタービル」の追加取得を実施しました。一方で、「青山サンクレストビル」および「浜松アクトタワー」の持分売却を行い、成長性の高い資産へのシフトを進めています。
こうした物件入替により、取得資産の平均築年数は11.6年となり、売却資産の36.1年から大幅に若返りました。また、取得資産の鑑定NOI利回りは4.5%と売却資産の収益性を上回っており、将来的な収益拡大につながるポートフォリオ改善が図られています。2025年8月期以降の累計では10物件を取得し、4物件を売却することで年間NOIを43.7億円押し上げる成果も示されました。
内部成長面では、オリックスグループのネットワークを活用したハンズオン型運用を継続し、保有資産の競争力向上を推進しました。当期末のポートフォリオ稼働率は99.2%と高水準を維持しています。オフィスでは首都圏を中心に増額改定が進み、既存物件ベースで前期比1.9%の賃料成長を達成しました。商業施設では首都圏ハイストリートを中心とした旺盛な需要を背景に前期比3.8%の賃料上昇を実現し、住宅も入替時・更新時ともに着実な賃料増額が進みました。
ホテル分野では大阪エリアが調整局面にあったものの、「ホテル京阪札幌」の変動賃料化や「東京ベイ舞浜ホテルファーストリゾート」の契約更改を実施し、収益向上策を進めています。この結果、既存物件のNOIは前期比年率2.1%増加し、ポートフォリオ全体の収益力向上が着実に進展しました。
高水準の格付を維持しながら財務健全性とESGを推進

財務面では、借入金の返済および新規物件取得資金の確保を目的として、2026年3月から8月にかけて43,097百万円の長期借入および短期借入を実施しました。その結果、当期末の有利子負債残高は359,697百万円となりましたが、長期負債比率86.3%、固定金利比率83.9%を維持し、金利上昇局面においても安定した財務基盤を確保しています。また、R&IおよびJCRからAA格付を維持し、平均調達コストは1.19%に抑えられています。
業績面では、営業収益31,807百万円、営業利益17,091百万円、経常利益14,944百万円、当期純利益14,921百万円を計上しました。売却益を活用しながら圧縮積立金として1,099百万円を内部留保し、1口当たり分配金は2,504円となりました。さらに、1口当たりNAVは111,724円まで上昇し、含み益も2,752億円へ拡大しています。
サステナビリティへの取り組みについても着実に前進しました。本投資法人は2050年ネットゼロを目標に掲げており、温室効果ガス排出量については2021年比24.0%削減、排出量原単位では26.7%削減を達成しています。また、グリーンビルディング認証取得割合は床面積ベースで79%に達しました。加えて、廃棄物リサイクル率は53%となり、環境負荷低減に向けた取り組みを継続しています。LED化工事などの環境投資も進められ、環境性能向上と収益力向上の両立を図る姿勢が鮮明となりました。
収益性向上と資産価値向上を両立した成長ステージ
2026年8月期のオリックス不動産投資法人は、分配金の年率3%成長を軸に据えながら、外部成長、内部成長、財務戦略をバランスよく進めた期となりました。成長余地の高いオフィスや住宅を取得し、築年数の古い資産や収益性の低い資産を売却することで、ポートフォリオの収益力と将来性を高めています。
また、オフィス、商業施設、住宅を中心とした賃料増額が順調に進み、高稼働率を維持しながら内部成長を実現しました。さらに、高格付を背景とした安定的な資金調達とESGへの継続的な投資によって、中長期的な競争力強化にも取り組んでいます。
