2019年8月13日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,600円のところ3,650円で着地しました。
尚、利益超過分配金577円が含まれています。
500億円規模へ到達した資産拡大と発電実績の向上

2019年6月期のカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は、外部成長と内部成長の両面で着実に成果を積み上げました。外部成長では、2019年3月にCS美里町発電所とCS丸森町発電所の2物件を取得し、取得価格合計13.2億円、パネル出力合計3.3MWの資産を新たにポートフォリオへ組み入れました。その結果、保有資産は20物件、パネル出力108.9MW、評価価格合計500億円規模へと拡大し、引き続き上場インフラファンド最大級の資産規模を維持しています。
また、スポンサーであるカナディアン・ソーラー・グループが保有する豊富な開発パイプラインを活用しながら、中長期的な成長基盤の強化を進めました。2019年6月末時点では、スポンサー側に稼働済み資産や建設中資産、開発中資産を含め合計339.5MWのパイプラインが存在しており、将来の資産取得機会の確保につながっています。
内部成長の面では、保有資産の発電実績が好調に推移しました。当期の実績発電電力量は予想発電電力量比103.66%となり、発電量が想定を上回りました。これにより実績連動賃料が増加し、営業収益の拡大に貢献しています。さらに、2019年6月期の営業収益は2,185百万円となり、期初予想を上回る水準を達成しました。安定した設備運営と適切な保守管理が、収益力向上を支える重要な要因となりました。
安定財務の維持とESGを意識した運営体制の強化

財務面では、新規物件の取得資金として2019年3月に7億円の借入れを実施しました。一方で、約定返済を継続的に進めた結果、期末時点の借入金残高は235億円となっています。有利子負債比率は51.1%の水準に管理されており、財務規律を維持しながら成長投資を実現しました。
加えて、財務の安定性向上にも注力しました。借入金の大半を固定金利化しており、2019年6月末時点の固定金利比率は93.61%に達しています。金利上昇リスクを抑制するとともに、LTVも47.00%と比較的低位に維持することで、将来の追加投資に向けた借入余力を確保しました。
サステナビリティへの取り組みでは、再生可能エネルギーの普及を通じて脱炭素社会の実現に貢献しました。当期は九州電力管内で大規模な出力制御が実施されましたが、ポートフォリオ全体への影響は限定的でした。出力制御による逸失変動賃料は約3,254万円で、ポートフォリオ全体の賃料収入に占める割合は1.54%にとどまっています。また、実績発電量は予測を上回っており、運用面への影響を適切に管理しました。
さらに、資産運用会社は2019年8月に国内インフラファンドの運用会社として初めて国連責任投資原則(UN PRI)への署名を表明し、ESG課題への取り組みを明確化しました。責任ある投資運用を推進する姿勢を示すことで、再生可能エネルギー投資を通じた社会的価値の創出をさらに強化しています。
成長と安定分配を両立した飛躍の決算期
2019年6月期は、資産規模の拡大と安定的な収益創出の両立を実現した決算期となりました。営業収益は2,185百万円、営業利益は817百万円、経常利益は711百万円、当期純利益は710百万円となり、いずれも業績予想を上回る結果となっています。発電量の上振れや新規取得資産による収益寄与が業績を押し上げました。
また、投資主還元の面では、1口当たり分配金を前期の3,600円から3,650円へ引き上げました。新規取得資産の継続的な収益貢献を背景に、その後の期においても同水準の分配金維持を見込むなど、安定した分配方針を示しています。
資産規模500億円の達成、予想を上回る発電実績、堅実な財務運営、そしてESGを重視した取り組みの推進により、2019年6月期は持続的な成長に向けた基盤をさらに強固なものとした一年でした。今後の資産取得機会を支える豊富なパイプラインも確保されており、中長期的な成長への期待を高める決算期であったといえます。
