2024年2月15日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,775円のところ3,775円で着地しました。
尚、利益超過分配金683円が含まれています。
1,000億円規模を目前にした飛躍的な資産拡大と収益基盤の強化

2023年12月期は、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人にとって、外部成長が大きく前進した一年となりました。2023年7月に5物件、同年12月に1物件を取得した結果、保有資産は31物件、パネル出力は226.4MWへ拡大しました。取得価格ベースでは970.1億円となり、新たに掲げた資産規模2,000億円の中期目標に向けて大きく前進しています。発電所評価額も887.5億円となり、ポートフォリオの厚みと競争力が一段と向上しました。
また、外部成長戦略においてはスポンサー開発案件だけでなく、第三者開発案件の取得も進めています。スポンサー開発資産19物件345.8MWに加え、第三者開発資産2物件47.0MWを含む総計392.8MWのパイプラインを確保しており、取得ルートの多様化を進めながら中長期的な成長機会を拡大しました。さらに、100MW級の大型案件であるCSあづま小富士発電所についても優先交渉権を維持しており、将来的な成長余地を確保しています。
内部成長の面では、発電量の安定確保と出力制御対策が成果を上げました。当期は一定程度の出力制御が発生したものの、天候が安定して推移したことや出力制御による影響が前期に比べ大幅に軽減されたことから、実績発電電力量は予想発電電力量比100.81%となりました。出力制御による想定逸失変動賃料は約99百万円にとどまり、前期の約857百万円から大幅に改善しています。これにより営業収益は期初予想を上回る4,537百万円となり、既存資産の収益力向上が業績に貢献しました。
加えて、再生可能エネルギーの環境価値を収益へ結び付ける取り組みも進展しました。CS日出町第二発電所、CS益城町発電所、CS伊豆市発電所、CS大河原町発電所において再生可能エネルギー電気特定卸供給契約を締結したほか、トラッキング情報付き非化石証書の活用を推進しています。こうした施策は再生可能エネルギー価値への需要拡大を取り込み、新たな収益創出につながる内部成長施策として位置付けられました。
成長投資を支えた資本調達と先進的なESG経営

財務面では、大規模な資産取得を支えるため、資本市場と金融機関の双方を活用した資金調達を実施しました。2023年7月に公募増資および第三者割当増資を行い、総額73億円超の資金を調達しています。また、長期借入金116億円と短期借入金11億円を調達しながら、約14.6億円の返済も実施しました。その結果、有利子負債総額は477.7億円となり、LTVは52.59%となっています。平均借入金利は0.865%、DSCRは2.12倍を維持しており、安定した財務体質を確保しています。
さらに、JCRから長期発行体格付「A」、R&Iから「A-(ポジティブ)」の評価を継続取得しました。加えて、23の金融機関との取引関係を維持しながら資金調達基盤を強化しており、将来の成長投資を支える財務インフラの充実を図っています。
サステナビリティへの取り組みでは、再生可能エネルギーの普及に加え、情報開示とグリーンファイナンスの高度化を進めました。資産運用会社は2019年に上場インフラファンド運用会社として初めて国連責任投資原則(UN PRI)へ署名しており、その方針を継続しています。また、ESGレポートの発行やTCFD提言に沿った開示を継続し、気候変動リスクや環境課題に関する透明性向上を図りました。さらに、欧州のサステナビリティ関連開示規則(SFDR)においてArticle8に適合した開示を実施するなど、国際的なESG基準への対応も進めています。
グリーンファイナンスの分野でも先進的な取り組みを継続しました。2023年にはグリーンファイナンス・フレームワークを改定し、JCRから最上位評価である「Green1(F)」を取得しています。既存のグリーンローンやグリーンボンドについても最上位評価を維持しており、成長投資と環境価値の両立を実現する体制を強化しました。
成長再加速と持続的拡大への転換点
2023年12月期は、外部成長と内部成長の双方で成果を上げた一年となりました。営業収益は4,537百万円、営業利益は1,846百万円、当期純利益は1,385百万円となり、いずれも期初予想を上回る結果となっています。発電量の安定推移に加え、工事費用や減価償却費の減少、融資関連費用の低減などが収益改善に寄与しました。
投資主還元については、1口当たり分配金3,750円を維持しました。特に利益分配金部分は3,067円と期初予想を上回り、利益超過分配金への依存度を低下させながら安定分配を実現しています。収益力の向上が投資主還元の質の改善にもつながった期といえます。
また、資産規模は970億円まで拡大し、長年の目標であった1,000億円規模の達成が目前となりました。スポンサーと第三者双方からの取得機会を確保し、出力制御対策や再生可能エネルギー価値の活用も進展しています。2023年12月期は、安定運営を維持しながら次の成長フェーズへ向けた基盤を築いた一年であり、中期目標である資産規模2,000億円に向けた新たな出発点となった期であったと総括できます。
