2025年2月14日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,775円のところ3,310円で着地しました。
尚、利益超過分配金9円が含まれています。
1,000億円規模を突破した成長戦略と収益基盤の拡張

2024年12月期は、資産規模の拡大と収益基盤の強化が進んだ一年となりました。外部成長の面では、2024年8月に第三者開発案件であるCS佐倉市発電所を取得し、保有資産は32物件、パネル出力227.7MW、取得価格総額973.3億円へ拡大しました。これにより、長年の目標であった資産規模1,000億円が目前となり、2030年までに資産規模3,000億円を目指す中期経営計画「VISION2030」の実現に向けて着実に前進しました。また、スポンサー案件だけでなく第三者案件の取得を進めることで、取得ルートの多様化と将来の成長余地拡大にも取り組んでいます。スポンサー開発資産と第三者開発資産を合わせたパイプラインは18物件、320.3MWに達しており、継続的な資産拡大を支える体制を構築しています。
内部成長の面では、出力制御の影響低減と環境価値の活用による収益機会の拡大を進めました。当期の実績発電電力量は予想発電電力量比98.27%となり、10月から11月にかけての天候不順の影響を受けたものの、前年同期を上回る水準を維持しました。また、出力制御の実施日数は39日となり、前年同期から減少しています。想定逸失変動賃料も52百万円まで縮小しており、オンライン出力制御装置の導入効果が着実に表れました。さらに、トラッキング付き非化石証書や再生可能エネルギー電気特定卸供給契約の活用を進めることで、保有発電所の環境価値を収益へ転換する取り組みも推進しました。加えて、将来的な内部成長策としてFIP転換や蓄電池併設、リパワリングの検討を進め、FIT終了後を見据えた収益基盤の強化に取り組んでいます。
資本効率を重視した財務戦略とESG経営の推進

財務面では、資本効率の向上と安定的な財務基盤の維持を両立する施策が進められました。当期は14億円のグリーンボンドを発行する一方、第1回投資法人債11億円の償還と約14億円の借入金返済を実施しています。その結果、有利子負債残高は440.7億円、有利子負債比率は49.1%となりました。固定金利比率は88.0%を維持し、平均借入金利は0.942%、DSCRは2.11倍と安定した財務指標を確保しています。さらに、JCRから「A(ポジティブ)」、R&Iから「A-(ポジティブ)」の格付を取得し、上場インフラファンドとして高い信用力を維持しました。
また、2024年12月期の特徴的な取り組みとして自己投資口取得を実施しました。約10億円を投じて11,757口を取得・消却し、1口当たり利益分配金の向上と投資主価値の向上を図っています。これは新たなキャッシュマネジメント方針に基づく施策であり、利益超過分配に依存せず、成長投資や自己投資口取得などへ資金を活用する方向性を明確に示しました。
サステナビリティの分野では、ESGへの取り組みをさらに深化させました。2025年2月にはサステナビリティレポートを発行し、再生可能エネルギーの創出、温室効果ガス削減への貢献、資産価値の最大化、人材育成、地域社会との連携など8つの重要課題を整理しました。また、資産運用会社は上場インフラファンドとして初めて署名した国連責任投資原則(UN PRI)の取り組みを継続するとともに、TCFD提言に沿った情報開示や欧州のSFDR(サステナビリティ関連開示規則)Article8への適合開示も実施しています。さらに、グリーンファイナンス・フレームワークに基づく借入金や投資法人債について、JCRの最上位評価である「Green1」および「Green1(F)」を維持し、環境価値と資金調達を結びつけた運営を推進しました。
ポストFIT時代を見据えた新たな成長ステージへの挑戦
2024年12月期は、発電量が計画をやや下回ったものの、費用の抑制や保険金収入の計上などにより収益性を確保した一年となりました。営業収益は4,455百万円、営業利益は1,686百万円、当期純利益は1,452百万円となり、当期純利益は期初予想を上回る結果となっています。また、自己投資口取得の効果もあり、1口当たり分配金は3,310円と当初予想を上回りました。
さらに、当期は単なる資産拡大だけでなく、その先にあるポストFIT時代を見据えた戦略が具体化した期でもありました。スポンサー開発案件や第三者案件の取得拡大に加え、FIP案件やコーポレートPPA案件への投資、リパワリング、蓄電池導入などの方針を明確化しています。再生可能エネルギー市場が大きく変化する中で、環境価値を収益へ転換する仕組みづくりや新たな収益モデルの構築に着手したことは大きな意義がありました。2024年12月期は、安定した分配を維持しながら資産規模1,000億円達成とその先の成長を見据えた経営基盤を整備した、将来への布石となる一年であったと総括できます。
