2026年9月14日にサムティ・レジデンシャル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,600円のところ2,637円で着地しまし2た。
尚、利益超過分配金171円が含まれています。
地方都市を軸とした成長戦略で収益基盤を強化

2026年7月期は、地方都市を中心とした住宅ポートフォリオの強みを活かしながら、外部成長と内部成長の両面で着実な成果を積み上げた期となりました。期末時点の保有資産は189物件、取得価格ベースで約1,715億円となり、主要地方都市や周辺都市へ幅広く分散されたポートフォリオを維持しています。地方都市比率は71.4%に達しており、人口流入や世帯数増加が続くエリアを重点投資対象とする戦略を継続しています。
外部成長では、スポンサーサポートを活用しながら新規物件取得を進めました。当期には「S-RESIDENCE葵」「S-FORT豊平三条」「S-FORT古出来fiore」の3物件を取得し、資産規模を拡大しています。また、スポンサー関与物件がポートフォリオ全体の9割超を占めており、安定した物件供給体制が継続しています。さらに、翌期には資産譲渡と取得を組み合わせた入替も予定しており、資産規模の維持とポートフォリオの質向上を進める方針です。
内部成長では、賃料上昇局面を捉えたリーシング施策が大きな成果を上げました。ポートフォリオ全体の平均稼働率は96.7%と高水準を維持しながら、調整後賃料単価は前期末の104.0から105.3へ上昇しました。入替時の賃料増額率は9.1%、契約更新時の増額戸数比率は33.1%となり、特にシングルタイプやファミリータイプを中心に高い賃料増額を実現しています。首都圏だけでなく主要地方都市でも賃料上昇トレンドを取り込み、着実な収益成長につなげました。
安定した財務運営とESG推進による持続的価値向上

財務面では、金利上昇環境を踏まえながらも安定性を重視した資金調達を継続しました。当期は返済期限を迎えた92.3億円の借入金をリファイナンスし、返済期限の分散と資金調達基盤の強化を図りました。また、新たに大垣共立銀行との取引を開始するなどレンダーフォーメーションを拡充し、調達先の多様化を進めています。
期末の有利子負債残高は916.5億円、LTVは51.4%となりました。平均調達金利は上昇傾向にあるものの、格付はJCRの「A+(安定的)」を維持しており、財務基盤の安定性は引き続き高い水準にあります。固定金利比率や返済期限の分散も継続し、市場環境の変化に対応できる財務体制を整えています。
サステナビリティへの取り組みも着実に進展しました。環境面では、再生可能エネルギー電力プランを当期中に12物件へ新たに導入し、累計118物件まで拡大しています。また、CASBEE不動産評価認証を3物件で取得し、環境認証取得物件は39物件となりました。さらに、LED照明化や省エネ設備導入を継続し、2030年までの温室効果ガス排出量50%削減、2050年ネットゼロ達成という目標に向けた取り組みを進めています。
社会面では、宅配ボックスや置き配サービス、IoT設備、カーシェアリング、シェアサイクルなどの導入を拡大し、入居者満足度向上を図りました。加えて、大規模修繕や共用部改修による資産価値向上にも継続的に取り組み、競争力の維持・強化を進めています。
分配金成長と資産価値向上を両立する次のステージへ
2026年7月期は、不動産譲渡益のない平常収益ベースでの実力が問われる期となりましたが、賃料増額と高稼働率維持により安定した成果を残しました。営業収益は59億円、当期純利益は19億円となり、利益分配金に圧縮積立金の取崩しを加えた結果、1口当たり分配金は2,466円となりました。さらに利益超過分配金171円を加え、投資主還元を継続しています。
また、1口当たりNAVは128,411円まで上昇し、含み益も270億円超に拡大しました。賃料上昇を背景に資産価値の向上が進んでいることに加え、保有物件の価値向上施策や戦略的な外部成長が着実に成果につながっています。
今後は、スポンサーの開発する住宅ブランドを活用した物件取得と、賃料増額を軸とした内部成長を組み合わせながら、さらなる分配金成長を目指していく方針です。地方都市への強い投資基盤、安定した財務運営、そして継続的なESG施策を背景に、持続的な投資主価値向上に向けた取り組みを一段と加速させた期であったといえます。
