2026年9月17日に三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,503円のところ2,503円で着地しました。
物流需要の追い風を捉えた資産入替と成長投資の加速

三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は2026年7月期において、物流施設需要の拡大とインフレ環境を追い風に、外部成長と内部成長の両面から収益力の強化を進めました。当期末の保有資産は49物件、取得価格ベースで5,725億円となり、物流不動産を中心とした大規模ポートフォリオを維持しています。三井不動産と伊藤忠グループによるダブルスポンサー体制を活用し、優先情報提供や優先交渉権を通じて良質な物流資産への投資を継続しています。
当期には、MFLP新木場Ⅱ、MFLPつくばみらい、MFLP・OGUD大阪酉島、アイミッションズパーク春日井の4物件を取得し、首都圏や中京圏、関西圏における物流機能を強化しました。また、今後の成長戦略として、熊本の半導体集積地に位置する「on-L旭志伊坂」、中京圏の物流拠点である「MFLP一宮」、物流と研究開発機能を融合した「MFIP海老名&forest」の取得を決定しており、従来の物流施設に加えて成長産業や新たなアセットタイプへの展開も進めています。
内部成長の面では、物流市場の需給改善や賃料上昇環境を背景に、高い成果を残しました。当期の平均賃料改定率は12.7%と大幅なプラスを記録し、前期の6.8%を大きく上回りました。さらに、空室物件のリーシングが進展したことで期末稼働率は98.4%まで上昇し、次期には100%稼働を見込んでいます。テナントニーズに対応した戦略的CAPEX投資や、CPI連動条項、段階賃料契約の導入も進めることで、継続的な賃料成長を実現できる体制を構築しています。
強固な財務基盤と先進的なESG施策による持続的価値創造

財務面では、資産取得に伴う借入れを実施しながらも、安定性を重視した運営を継続しました。当期末の有利子負債残高は2,222億円、LTVは39.9%と引き続き低位に抑えられており、J-REIT市場でも高水準の財務健全性を維持しています。また、日本格付研究所(JCR)からは長期発行体格付「AA(安定的)」を維持しており、高い信用力が評価されています。平均調達金利は0.88%と低水準を確保しつつ、長期固定金利比率は86.0%となっており、金利上昇局面への備えも進めています。
さらに、売却益を活用した投資主還元にも積極的です。IPO時から保有するMFLP横浜大黒を段階的に売却し、約23.8億円の売却益を投資主へ還元する方針を示しました。同時に、売却資金は成長性の高い新規物件取得や財務健全性向上にも活用し、資本効率の最適化を図っています。内部留保も198億円を確保しており、将来的な分配金の安定化を支える十分な余力を備えています。
サステナビリティの取り組みでは、物流施設運営を通じた環境負荷低減を推進しています。当期取得の4物件はいずれも高い環境認証を取得済みであり、グリーンビルディング認証取得比率は97.9%に達しています。LED照明導入率は100%を維持し、オーナー管理部分のCO₂排出原単位は基準年比95.8%削減を実現しました。また、TNFDフォーラムへの加盟により自然関連リスクへの対応も強化しています。地域社会との関わりでは、施設周辺の清掃活動や障がい者支援団体との連携によるアート展示販売イベントを実施し、地域共生にも積極的に取り組んでいます。
上場10周年を迎えた新たな成長ステージへの挑戦
2026年7月期は、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人にとって上場10周年という節目の期となりました。当期は営業収益166億円、当期純利益58億円を計上し、1口当たり分配金は2,503円となりました。NOIは128億円、FFOは101億円へ拡大し、賃料上昇と高稼働率を背景に着実な成長を遂げています。
今後は、物流施設に加えて半導体産業集積地や研究開発機能を備えたインダストリアル施設など、新たな成長領域への投資を進める方針です。成長ポテンシャルの高い資産への入替を進めながら、継続的な賃料増額、戦略的CAPEX投資、安定した財務運営を組み合わせることで、分配金成長を加速させる構えです。
物流不動産市場の追い風を的確に捉えながら、スポンサー力を活かした外部成長、高い運営力による内部成長、先進的なESG施策を三位一体で推進したことが、2026年7月期の大きな特徴でした。上場10周年を経て、さらなる投資主価値の向上に向けた基盤を一段と強固にした期であったといえます。
