2025年10月16日に三菱地所物流リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,764円のところ2,829円で着地しました。
尚、利益超過分配金266円が含まれています。
共用部を専有部の一部とする独自の施策を実施

2025年8月期の外部成長では、スポンサーである三菱地所グループの開発力と、資産運用会社の目利き力を組み合わせた「ハイブリッド型外部成長」を推進しました。当期は、ロジクロス大阪交野およびMJインダストリアルパーク神戸西(底地)の2物件を取得し、取得価格は合計9,029百万円となりました。特に神戸西の底地取得は、鑑定評価額を15%以上下回る価格での取得が実現し、鑑定NOI利回り4.7%という高い収益性を確保しています。また、ブリッジSPC(MRB1)を活用した価格調整も順調に進み、複数の物件で魅力的な利回り水準まで調整が進んでいます。さらに、三菱地所グループ開発の優先交渉権付与予定物件を含むパイプラインは14物件・延床面積949千㎡と豊富で、今後の外部成長余力を十分に確保しています。
内部成長では、物流施設の高い需要を背景に、力強い賃料増額が継続しました。当期の平均賃料改定変動率は+8.0%となり、次期(第19期)も契約済み部分で+7.0%の増額が見込まれています。これにより、三菱地所物流リートは 16期連続での賃料増額改定 を達成する見込みです。契約満了時期の分散も進んでおり、平均残存契約期間は6.9年、賃料改定条項を考慮した残存期間は5.2年と長期安定性が確保されています。
さらに、三菱地所物流リート投資法人独自の内部成長施策も成果を上げています。テナント入替時に共用部の一部を専有部化することで賃貸可能面積を増加させ、収益性を向上させました。空調設置工事をオーナー負担で実施した区画では、収入が約46.3%増加し、年間約1,290万円の収益増加につながっています。今後は太陽光発電設備の設置やLED化など、戦略的CAPEXを通じた付加価値向上も予定されており、内部成長の継続が期待されます。
一定程度の物件売却による資金調達も検討

財務面では、金利上昇局面に対応するため、長期安定的な財務運営を継続しました。当期は複数の借入金のリファイナンスを実施し、有利子負債残高は122,719百万円、簿価ベースのLTVは42.7%となりました。固定金利比率は86.7%、平均調達金利は0.75%と低水準を維持し、返済期限の分散も進んでいます。財務方針としては、固定比率85%以上、平均調達年数5~6年、LTV45%を上限とする規律ある財務運営を掲げています。
資本効率性向上の取り組みとして、2025年4月~7月にかけて初めての自己投資口取得を実施し、約30億円・25,444口を買付しました。平均買付価格は117,903円(P/NAV 0.86倍)と割安水準での取得が実現し、DPUへの寄与は+1.7%となりました。投資口価格がNAVを下回る局面では、自己投資口取得を有効な資金使途と位置づけ、今後もインプライドキャップレートとの比較を踏まえて検討を進める方針です。
サステナビリティでは、三菱地所グループの知見を活かし、環境・社会・ガバナンスの各面で高度な取り組みを進めています。本投資法人は2050年ネットゼロ目標を掲げ、2024年にはSBT認定を取得しました。GHG排出量(Scope1+2)は2021年度比で99.9%削減、エネルギー消費原単位は28.8%削減、水使用原単位は27.0%削減と、主要KPIで高い達成状況を示しています。グリーンビルディング認証の取得割合は97.7%に達し、GRESBでは6年連続「5 Stars」、CDPでは2年連続「Aリスト」選定など、外部評価でも高い評価を受けています。
