2026年4月16日に大和ハウスリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,637円のところ3,458円で着地しました。
尚、利益超過分配金768円が含まれています。
物件入替と賃料成長がけん引する収益力向上

2026年2月期の大和ハウスリート投資法人は、総合型REITとしての強みを活かしながら、資産入替と内部成長の両輪による収益力向上を進めました。当期は物流施設1物件の準共有持分80%を93億円で譲渡する一方、東京都心に立地するダイワロイネットホテル西新宿を101億円で取得し、さらに首都圏の新築居住施設であるカスタリア西船橋Ⅱを26億円で取得しました。これらの施策により、ポートフォリオの質と将来の成長性を高める資産入替を推進しています。
当期末の資産規模は9,154億円、保有物件数は231物件となりました。物流施設を中心としながら、居住施設、商業施設、ホテルなどを組み合わせた分散性の高いポートフォリオを維持しており、稼働率も99.1%と極めて高い水準を確保しています。
内部成長では、各アセットタイプで賃料増額が進展しました。物流施設では契約満了テナントに対する賃料増額率が4.5%となり、BTS型物流施設では平均6.3%の増額を実現しました。普通借家契約から定期借家契約への切り替えやCPI条項導入など、インフレ対応を意識したリーシング施策も進めています。
居住施設では特に力強い成長が見られました。テナント入替時の賃料増加率は14.6%と過去最高水準を更新し、更新時の賃料増加率も2.0%と過去最高を記録しています。東京都主要5区を中心に賃料上昇が続いており、富裕層向け住戸のリノベーションを通じたバリューアップも進めることで、さらなる収益拡大に取り組みました。
ホテル分野でも好調な運営が続きました。保有ホテルのADR、RevPAR、稼働率はいずれも堅調に推移し、ホテルテナントからの変動賃料は前年同期比29.3%増加しました。インバウンド需要の取り込みや客室設備の改善などを通じて、ホテル資産の収益力向上を図っています。
財務健全性とESG推進を両立する経営基盤

財務面では、金利上昇局面に対応しながら安定的な資金調達を継続しました。当期は複数の借入金の返済期限到来に合わせたリファイナンスを実施し、一部借入金については手元資金を活用した期限前返済も行いました。その結果、有利子負債残高は4,079億円となり、LTVは45.5%と適切なレンジで管理されています。固定金利比率は91.5%、平均残存年数は3.7年となっており、財務安定性を維持しています。
また、投資主還元の強化にも取り組みました。当期は約70億円、発行済投資口数の1.1%に相当する自己投資口取得および消却を実施しています。資本効率向上を目的とした継続的な自己投資口取得を進めており、今後も市場環境を見ながら柔軟に実施する方針です。
業績面では、営業収益320億円、当期純利益122億円を計上しました。物件売却益の還元に加えて内部成長が寄与し、1口当たり分配金は3,458円となり、予想を58円上回る結果となりました。巡航ベースでの分配金成長目標に対しても順調な進捗を示しています。
サステナビリティへの取り組みでは、業界トップクラスの評価を維持しました。2025年のCDP気候変動プログラムでは5年連続で最高評価の「A」を獲得し、GRESBリアルエステイト評価では「4スター」と「Green Star」を取得しています。また、S&P Globalの「Sustainability Yearbook Member」にも2年連続で選定されました。
環境対応としては、グリーンリース契約締結割合が99.8%に達し、環境認証取得物件は80物件となりました。さらにZEB・ZEH対応物件の拡大やクーリングシェルター協定の締結など、環境負荷低減と地域社会への貢献を両立する活動を進めています。
総合型REITの強みを活かした持続的成長へ
2026年2月期は、大和ハウスリート投資法人が掲げる巡航DPU年平均2%成長に向けて順調なスタートを切った期となりました。成長性の限定的な物流施設を売却し、東京都心ホテルや新築居住施設へ資本を再配分することで、ポートフォリオの収益力と成長余地を高めています。
また、物流施設では賃料増額やCPI条項導入、居住施設では高い賃料上昇率、ホテルではインバウンド需要の取り込みといった各資産特性に応じた成長戦略が成果を生みつつあります。これに加え、潤沢なパイプラインを活用した物件取得や自己投資口取得による資本効率向上も進められています。
今後は、物流施設、居住施設、ホテルを中心とした継続的な資産入替と内部成長を推進しながら、売却益の還元や分配金成長を通じた投資主価値の向上を目指していく方針です。総合型REITとしての分散効果とスポンサーである大和ハウスグループのパイプラインを活かし、持続的な成長が期待される内容となりました。
