2026年4月17日にセントラル・リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,171円のところ3,238円で着地しました。
中部圏を核とした成長戦略とポートフォリオ拡大への第一歩

2026年2月期のセントラル・リート投資法人は、名鉄都市開発とザイマックスグループをスポンサーとする新体制へ移行し、新たな成長ステージに入りました。2025年10月に資産運用会社が事業承継を実施し、総合デベロッパーとしての開発力と、不動産マネジメントの専門性を融合した運営体制を構築しています。
外部成長施策では、中部圏を重点投資エリアと位置付け、成長余地の大きいオフィス資産への投資を実行しました。2026年3月には名古屋駅エリアに位置する「エニシオ名駅」と、栄エリア近接の「上前津KDビル」の2物件を合計67.3億円で取得しています。いずれも名鉄都市開発から取得した資産であり、将来的な賃料上昇や需要拡大の恩恵を享受できる立地特性を備えています。これにより、資産規模は572億円から646億円へ拡大し、中長期的には1,000億円、さらに2,000億円規模への成長を目指す方針が示されました。
既存資産の内部成長も着実に進展しました。オフィスでは契約稼働率99.7%、経済稼働率99.1%という高水準を維持しながら、更新契約時の賃料増額率9.1%、新規契約時の賃料増額率15.8%を実現しています。全体のレントギャップはマイナス9.2%となっており、今後も賃料増額余地が残されています。住宅についても稼働率98.7%を維持し、新規契約時の賃料上昇率は6.7%、更新時は1.6%と過去最高水準に達しました。さらに、ホテルではACCESS by LOISIR HOTEL Nagoyaやクインテッサホテル札幌などで高い稼働率とRevPARの成長が続いており、変動賃料収入の増加が内部成長をけん引しました。
安定財務とESG経営による持続可能な成長基盤づくり

財務面では、資産取得を進めながらも健全性を維持する運営が行われました。2026年2月末時点の有利子負債残高は199億円、総資産LTVは40.7%、鑑定LTVは32.1%と、J-REITの中でも比較的低い水準を維持しています。加えて、2026年3月にはグリーンローンを含む借換えを実施するとともに、中部圏の地方銀行や信用金庫を新たにレンダーフォーメーションへ加え、資金調達基盤を強化しました。
業績面では、営業収益21億56百万円、経常利益8億9百万円、当期純利益8億8百万円を計上しました。オフィス・商業施設での賃料増額やホテル収益の伸長が寄与し、1口当たり分配金は3,238円となり、前期を上回る水準を確保しています。また、2026年8月期予想では3,343円までの増配を見込んでいます。
サステナビリティ面では、2025年10月にサステナビリティ方針と関連規程を整備し、代表取締役社長を最高責任者とする推進体制を構築しました。保有物件におけるグリーンビルディング認証取得を推進した結果、CASBEE認証やBELS認証を取得した物件は12物件となり、延床面積ベースの認証取得率は76.1%に達しています。また、取得したエニシオ名駅はBELS最高評価の5つ星とZEB Oriented認証を取得しており、環境性能の高さが評価されています。
さらに、保有するオフィス全物件で再生可能エネルギーを導入し、グリーンリースの推進やLED化工事、省エネルギー改修工事を実施しました。GRESBリアルエステイト評価では「4スター」へランクアップし、「Green Star」も取得しています。加えて、GRESB開示評価では最上位の「Aレベル」を獲得しており、ESG情報開示や環境対応が高く評価されています。
地域密着型REITから中部圏成長を担う存在へ
2026年2月期のセントラル・リート投資法人は、新スポンサー体制のもとで成長戦略を明確化し、本格的な拡大フェーズへ移行した期となりました。中部圏を中心としたオフィス取得により外部成長を加速させる一方、オフィス・住宅・ホテルでの賃料増額や稼働率向上による内部成長も着実に成果を上げています。
また、資産規模拡大だけでなく、レントギャップの解消や環境性能向上、地域コミュニティとの共生を意識した運営を進めることで、質の高い成長モデルを構築しています。今後は資産規模1,000億円の早期達成を目指しながら、中部圏比率50%以上を将来的な目標として掲げています。
中部圏の成長ポテンシャルを取り込み、名鉄都市開発の開発力とザイマックスグループの運営力を融合した新たな体制のもと、安定した分配金成長と投資主価値向上を目指す基盤が整った決算であったと評価できます。
