2020年9月14日に日本再生可能エネルギーインフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,200円のところ3,200円で着地しました。
尚、利益超過分配金1,180円が含まれています。
東急不動産のスポンサー参画によるサポート体制強化

2020年7月期の日本再生可能エネルギーインフラ投資法人における最も特徴的な出来事は、東急不動産のスポンサー参画です。2020年3月、資産運用会社の株式33.4%を東急不動産が取得し、新たなスポンサーとして加わりました。これに伴いスポンサーサポート契約を締結し、ウェアハウジング機能の提供、共同投資、業務支援、固定価格買取期間終了後の電力売却支援など、多面的なサポート体制が構築されました。
当期は新規物件の取得こそありませんでしたが、保有する46物件の太陽光発電設備の安定運営に注力しました。しかし、九州電力管内では出力制御が従来以上に実施され、保有する8発電所がその対象となりました。その結果、実績売電収入額は予想売電収入額の98.4%にとどまりました。もっとも、本投資法人は発電設備をオペレーターに賃貸し、固定の基本賃料と変動賃料を受け取るスキームを採用しているため、出力制御によって売電収入が減少した場合でも基本賃料は維持され、収益への影響を抑制することができました。
また、O&M業務を担うスポンサーの技術力を活用しながら、独自の発電所管理システム「Solar Value」によるモニタリングや定期点検を継続しました。計画的な修繕や設備管理を通じて、46物件からなる大規模ポートフォリオの安定稼働を実現し、内部成長の基盤強化を進めています。
第三者割当増資と格付維持による財務基盤の強化

財務面では、資本的支出に充当するため、2020年7月に東急不動産を割当先とする第三者割当増資を実施しました。発行口数は1,600口で、これにより発行済投資口数は157,998口、出資総額は14,657百万円となりました。一方で、借入金については約定返済および一部期限前返済を進め、期末残高は19,538百万円、有利子負債比率(LTV)は55.8%となっています。また、㈱格付投資情報センター(R&I)による発行体格付A-(安定的)を維持し、財務健全性に対する評価を確保しました。
業績面では、営業収益1,620百万円、営業利益416百万円、経常利益320百万円、当期純利益319百万円を計上しました。出力制御の影響を受けて売電収入は計画を下回ったものの、固定賃料を中心とした事業構造によって安定した利益を確保しています。1口当たり分配金は3,200円を維持し、収益の安定性を投資主へ示しました。
サステナビリティの面では、再生可能エネルギー発電設備への投資を継続し、脱炭素社会の実現に貢献しました。また、自然災害リスクへの備えとして火災保険や利益総合保険を活用し、設備損傷や売電停止による影響を軽減する体制を整備しています。加えて、全国に分散した発電所ポートフォリオを維持することで、地域ごとの天候リスクや災害リスクの低減にも取り組みました。
コロナ禍と出力制御下でも安定運用を維持
2020年7月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大や九州地域での出力制御など、事業環境にさまざまな不確実性が存在した期間でした。しかし、保有する全発電所は通常どおり運営され、基本賃料を中心とした収益モデルによって分配金への影響を抑制しました。さらに、スポンサーとして加わった東急不動産との連携体制を構築し、今後の外部成長に向けた支援基盤も整備しています。
新規物件取得による拡大局面ではなく、既存46物件の安定運用とスポンサー基盤の強化が中心となった期でしたが、その取り組みは中長期的な成長に向けた重要な土台づくりとなりました。外部環境の変化に左右されにくい運営体制の有効性を示したことが、2020年7月期を象徴する成果であったといえます。
