いちごホテルリート投資法人は、スポンサーであるいちご株式会社の「心築」を軸としたビジネスモデルを最大限活用してホテル用不動産等に投資を行う、「ホテル特化型リート」です。高い付加価値を持つホテル用不動産等への重点投資、安定性および成長性の両面を追求した中長期的な運用により、投資主価値の最大化を目指しています。
いちごホテルリート投資法人の概要
名称 | いちごホテルリート投資法人 |
住所 | 東京都千代田区内幸町一丁目1番1号 帝国ホテルタワー |
資産運用会社 | いちご投資顧問株式会社 |
資産保管委託会社 | みずほ信託銀行株式会社 |
一般事務受託会社(会計事務) | 税理士法人令和会計社 |
投資主名簿管理人 | みずほ信託銀行株式会社 |
会計監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
決算期 | 1月・7月 |
いちごホテルリート投資法人のポートフォリオ戦略
ホテル用不動産等を主な投資対象とし、安定的なキャッシュ・フローを確保するとともに、宿泊需要の増加を背景に収益成長の可能性を有するポートフォリオの構築を目指します。投資対象とするホテル用不動産等を「宿泊主体・特化型ホテル」、「フルサービスホテル」、「リゾートホテル」、「その他宿泊施設」の各ホテルタイプに分類し、個別物件の特性及び競争力等を見極めるためのデュー・ディリジェンスを行った上で、ポートフォリオの質又は収益性の向上に資することが期待されるホテル用不動産等に対して厳選投資を行います。
アセットタイプ | 特徴 |
宿泊主体・特化型ホテル | 駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣、高速道路のインターチェンジ付近等に位置し、付帯施設を限定、又は最小限にして宿泊を主体としたホテル及び宿泊に特化したホテル。なお、カプセルホテルを含みます。 |
フルサービスホテル | 駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、大都市圏、政令指定都市、県庁所在地等の都市及び市街地近郊に位置し、宿泊施設に加え、レストランなどの料飲施設・設備、宴会・会議場等の付帯施設を備えており、フルラインのサービスを提供するホテル。 |
リゾートホテル | 観光地、景勝地、レジャー施設近隣に位置し、比較的ゆとりのある宿泊施設とレストラン、宴会場、会議場、スポーツ施設などより多様な付帯施設・設備を有するホテル。 |
その他宿泊施設 | 交通の利便性が高い都市部、都市近郊、駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣等に位置し、旅館業法に定める旅館業を経営するための宿泊施設で、ホテル以外の各宿泊施設及びサービスアパートメント等。 |
物件選定の基準
物件選定にあたっては、それぞれ下記の5点に着目して、総合的な判断を基に投資を行います。
立地 | 十分な集客が見込める主な都市圏の駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、景勝地、観光地、レジャー施設等の近隣に所在していること。 |
建物 | 宿泊設備及びその他必要な付帯設備が整っている点、改修によって利用可能な状態となり得る点を加味し、ホテル用不動産等として競争力が高い設備を有しているかを総合的に判断します。 |
バリューアップ余地 | 効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することで、安定的な運営又はアップサイドを獲得する可能性を考慮します。 |
オペレーター | オペレーターとしての信用力、適切な運営を可能とする運営能力については、これまでのオペレーターの運営実績及び今後の成長性等を総合的に判断します。 |
キャッシュ・フロー分析 | ポートフォリオ全体のキャッシュ・フローの安定と成長を図るため、個別ホテルごとのキャッシュ・フロー分析と適切な賃料契約形態による契約の締結を実施します。 |
いちごホテルリート投資法人の外部成長戦略
・ホテル用不動産等の大きな取得ポテンシャルを背景に、いちごの「心築」を軸としたソーシング力を最大限活かした資産規模の拡大
・いちごのウェアハウジング機能、バックアップサポートを活用した取得
・取得余力を活用した機動的な物件取得
いちごグループの「心築」を軸としたソーシング
国内のホテルは築20年以上経過した物件が多く、今後も築古物件は増加していくことが想定されます。いちごグループにより、一定程度築年数が経過した物件であっても、適切なバリューアップ等の投資を実施することにより、資産価値を向上させ、その付加価値を高めることが可能です。
物件のコンバージョンを通じたパイプラインの拡充
いちごグループが首都圏に保有する住宅物件のコンバージョン、サービスアパートメントの組入れ等により、中長期的にパイプラインの拡充を図ることを検討します。独自の物件取得ルートに加え、いちごグループによる不動産の資産価値向上のノウハウとウェアハウジング機能を最大限活用し、更なる成長の実現を目指します。
投資不動産の基本スペック
投資対象物件の取得にあたっては、原則として、専門性・客観性・透明性確保のため、建物状況評価、耐震性調査、環境調査、不動産鑑定評価及び市場調査を利害関係を有しない独立した外部業者へ委託し、その結果を基に詳細に検討し、原則として下記「投資不動産の基本スペック」に定める「基本スペック」の基準を考慮のうえ、投資判断を行います。ただし、「基本スペック」の一部を満たさない物件であっても、物件の競争力・収益性等を勘案した上で総合的に判断して取得することがあります。
事 項 | 基 準 | |
立地 | 用途(ホテル用不動産等の場合そのタイプ)、地域、規模等の特性を、総合的に分析・検討した上で投資判断を行うこととします。 | |
築年数 | 宿泊施設としての機能及び資産の質等を考慮し、必要なリノベーションを行うことも含め総合的に判断します。 | |
面積・仕様・設備 | 用途(ホテル用不動産等の場合そのタイプ)、地域、規模等の特性を、総合的に分析・検討した上で投資判断を行うこととします。 | |
遵法性 | 都市計画法・建築基準法等の各種公法上の法規制を遵守していることを原則とします。ただし、既存不適格物件、また各種法規制に適合していない物件であっても、将来的にその違法性が是正されることが見込まれている物件については、投資することがあります。 | |
耐震性能 | 新耐震基準又は同等の耐震性能を有するものとします。 | |
地震PML | 非超過確率90%信頼値で投資不動産単体のPML20%以下。ポートフォリオのPMLは10%以下を維持するものとします。 | |
アスベスト・PCB等の有害物質についての基準 | アスベスト | 原則として、アスベストを使用している建物は、投資不動産の対象外とします。ただし、環境調査等によりアスベストの飛散防止措置がなされており飛散の可能性が極めて低いと判明した場合は、法令遵守のために建物解体時に発生する費用等を考慮して、取得することも可能とします。アスベストに関する法的規制の動向を、注意深く見守り、将来的に規制が変更強化された場合には、本スペックも速やかに見直すこととします。 |
PCB | PCBがポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号。その後の改正を含みます。)に従って保管されていれば投資不動産の対象とします。ただし、保管費用等を考慮して取得価格を決定するものとします。 | |
その他 | 上記以外の有害物質についても十分に考慮します。 | |
土壌汚染 | 投資不動産の所在土地が、指定区域に指定、又は過去に指定区域に指定されていた場合は投資対象外とします。また、投資不動産について、環境調査により土壌汚染が存することが判明した場合は、汚染の分布状況・除去等に要する費用を考慮して取得価格を決定するものとします。 |
いちごホテルリート投資法人の内部成長戦略
いちごの価値向上ノウハウおよび強固な運用体制を活用したバリューアップ戦略
ホテル用不動産等は効果的かつ戦略的なCAPEXの実施等を通じて物件のバリューアップを図ることで、テナント(オペレーター)の売上の安定や増加に直接的に貢献し得るアセットタイプであると考えています。投資法人は、いちごグループの「心築」機能を軸としたビジネスモデルを活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することでアセットのポテンシャルを引き上げ、安全で質の高いホテル用不動産等を中長期的に運用することが可能であると考えています。本投資法人は、ホテル用不動産等への投資・運用を通じて、今後さらにその市場規模の拡大が期待される観光・宿泊産業の成長を反映し、投資主とテナント(オペレーター)がWIN-WINの関係になり得る成長モデルを追求します。
変動賃料によるアップサイドの訴求
投資法人のポートフォリオは、賃料全体に占める変動賃料の割合に照らして、インバウンド旅行者の増加や宿泊需要の拡大を背景にした賃料向上の可能性を捕捉しやすく、賃料のアップサイド・ポテンシャルを追求可能であると、本投資法人は考えています。一方、景気下降局面による収益への影響を考慮し、ポートフォリオの賃料に占める変動賃料割合は賃料ベースで40%程度を目処に、アップサイドの期待できる賃料契約形態を導入することで、投資主価値の最大化の追求を目指します。
積極的なCAPEXの実施による利益成長の実現
ポートフォリオの物件に対する効果的かつ戦略的なCAPEXの実施により、バリューアップの効果をもたらすことによって着実な利益成長を図り、投資主価値の最大化を目指します。バリューアップにあたっては、マーケット分析を基に各対象資産のポジション及びポテンシャルを把握した上で、いちごグループの建築・開発チームのノウハウを最大限に活用し、当該資産のオペレーターともその運営方針を確認しながら収益力の安定化、最大化を目指したリニューアル工事等(コンバージョンによる新たな収益機会の創造を含みます。)を実施します。
ホテル用不動産等のバリューアップには、テナント(オペレーター)も重要な役割を担っていると考えています。効率的で安定したキャッシュ・フローの達成と更なる成長による資産価値最大化のために、本資産運用会社による最適なテナント(オペレーター)の選択と適切な賃貸借契約条件の設定、ホテル運営のモニタリング、収益構造の改革に向けた協議等を可能な範囲で継続的に行うことにより、本資産運用会社とテナント(オペレーター)が協働していく体制を構築することを目指します。
いちごホテルリート投資法人の財務戦略
中長期に安定した収益の確保と運用資産の規模の着実な成長及び運用の安定性を優先し、機動的な財務戦略を実行していきます。
エクイティ・ファイナンス | 新投資口の発行は、経済環境、市場動向、LTVや投資物件の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化に配慮しつつ実行します。 |
デット・ファイナンス | 主要金融機関を中心としたバンクフォーメーションを構築し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス、返済期限の分散を図りながら、効率的な資金調達を実行します。また、LTVは資金余力の確保に留意し、適切な水準の範囲で運営を行います。さらに、投資法人債の発行等による資金調達の多様化にも積極的に取り組みます。 |
LTV水準 | LTVは原則として60%を上限とし、財務健全性を確保するようにします。ただし、新たな投資対象資産の取得、資産評価の変動により一時的に60%を超えることがあります。 |
自己投資口の取得及び消却
資本効率の向上及び投資主還元強化の観点から、財務及び資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことも検討します。自己投資口の取得及び消却の検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上の観点から、財務状況及び金融市場の状況等を慎重に見極めた上で実施すべきか否かを判断します。