2021年1月14日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が6,000円のところ6,000円で着地しました。
尚、利益超過分配金3,607円が含まれています。
長崎琴海太陽光発電所の取得による外部成長と既存設備の安定運用

2020年11月期は、長崎県長崎市の長崎琴海太陽光発電所を1,097百万円で取得したことが外部成長の中心となりました。パネル出力2.6MWの新規物件を組み入れたことで、期末の取得済資産は6物件・合計パネル出力40.2MWへと拡大し、資産規模の着実な積み上げが進みました。スポンサーグループが保有するパイプラインを背景に、継続的な取得余地を確保している点も特徴です。
内部成長については、エネクス電力がオペレーターとして各発電所の稼働状況を遠隔監視し、定期点検やデータ分析を通じて発電性能の維持に努めました。期中の発電量は計画比93%となり、天候不良や出力制御の影響を受けたものの、賃料安定化スキームにより賃料収入は計画通りに確保されました。こうした運用体制により、発電設備の収益性と資産価値の維持が図られています。
格付の向上と長期借入による財務基盤強化、再エネ制度改正への対応

財務面では、長崎琴海太陽光発電所の取得に伴い、新生銀行から1,210百万円の長期借入を実施し、返済期限を2038年まで確保することでリファイナンスリスクを抑制しました。期末の借入残高は10,407百万円、LTVは54.4%となり、安定的な財務運営が継続しています。また、日本格付研究所からの格付はA(安定的)へ引き上げられ、ポートフォリオの安定性とキャッシュフローの確実性が評価されました。
サステナビリティ対応では、再生可能エネルギーの主力電源化を掲げる国の政策動向を踏まえ、FIT制度の継続性やFIP制度への移行議論、廃棄費用積立制度の創設、発電側基本料金の検討など、制度改正の影響を丁寧に分析しています。保有物件はすべてFIT制度下で稼働しており、認定失効制度の導入後も認定が失効する可能性は低いと判断されています。こうした制度環境の変化を見据えつつ、再生可能エネルギー資産の長期安定運用を支える姿勢が明確に示されました。
コロナ禍でも計画通りの運用を達成した安定した期の総括
2020年11月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大により金融市場が大きく揺れ動いた一年でしたが、同投資法人は再生可能エネルギー発電設備の安定した賃料収入を背景に、営業収益1,570百万円、営業利益316百万円、経常利益221百万円、当期純利益219百万円を確保し、いずれも予想値を上回る結果となりました。分配金は1口当たり6,000円となり、前期から20円増加しています。
外部成長として新規物件を取得し、内部成長として既存設備の安定運用を継続し、財務面では格付向上と長期借入による基盤強化を進めるなど、複数の取り組みがバランスよく進展した期でした。制度改正への対応姿勢も明確であり、再生可能エネルギーを基盤とするインフラファンドとして、長期的な成長と安定性を両立する運用が実現した期であったと総括できます。
