2026年1月15日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,000円のところ2,000円で着地しました。
尚、利益超過分配金852円が含まれています。
高崎太陽光発電所の底地取得協議を推進

2025年11月期における外部成長では、新規物件の取得実績はなく、FIP資産の組入れ、第三者開発案件、スポンサー・パイプラインの活用についても大きな進展は見られませんでした。一方で、中長期運用方針に基づき、スポンサー案件8物件、合計設備容量25.3MWのパイプラインを維持しながら、将来の成長機会の確保を継続しています。
内部成長では、既存資産の価値向上に向けた取り組みが進められました。胎内風力発電所についてはFIP転換を見据え、転換後の環境価値販売先の選定を継続しています。また、太陽光発電所の事業用地取得を推進する方針のもと、高崎太陽光発電所において底地所有者との具体条件の協議が進められました。これにより賃借料負担の軽減や、FIT終了後を見据えた資産価値向上を目指しています。
しかし当期は、高崎太陽光発電所A・Bのパワーコンディショナー焼損、紋別太陽光発電所の蓄電池故障、胎内風力発電所の風況不良などの影響を受けました。特に高崎太陽光発電所Bでは発電量達成率が76%、紋別太陽光発電所では80%にとどまり、保有資産全体の発電量は計画135,965MWhに対して126,046MWh、達成率93%となりました。一方で、松阪太陽光発電所は計画を上回る発電量を確保し、収益を下支えしました。
第2回自己投資口取得による資本効率向上を実現

2025年11月期の財務面で最も特徴的だったのは、第2回自己投資口取得の実施です。資本効率の向上と投資主還元を目的として、2025年7月16日から10月31日にかけて9,638口を取得し、取得総額は約5億円となりました。取得した自己投資口は消却され、発行済投資口総数は527,337口となっています。この施策によりEPUの向上を図り、投資主価値の向上を推進しました。
また、当期は新規の資金調達を実施せず、約定返済2,290百万円を進めた結果、借入金残高は53,209百万円まで減少しました。LTVは55.5%となり、安定した財務運営を継続しています。加えて、将来の金利上昇リスクへの対応として、金融機関との間でリファイナンスの具体条件に関する協議を進めました。
サステナビリティ対応においては、再生可能エネルギーの普及拡大を通じた持続可能な社会の実現という基本理念のもと、環境・社会・ガバナンスの各分野で継続的な取り組みを実施しました。環境面では再生可能エネルギー発電設備への投資を継続し、内部成長策としてFIP転換の検討を進めました。社会面ではエネルギーの安定供給を重視し、ガバナンス面では情報開示の充実やスポンサーによるセイムボート出資を通じて透明性向上に取り組んでいます。
高崎パワコン焼損と紋別蓄電池故障の影響を受けながら安定運営を継続
2025年11月期は、高崎太陽光発電所のパワーコンディショナー焼損や紋別太陽光発電所の蓄電池故障など、設備トラブルへの対応が大きな課題となった期でした。また、関東・中部地域を中心に電力会社による系統停電の影響も拡大し、発電量および収益に影響を及ぼしました。さらに、高崎関連および高萩太陽光発電所のケーブル盗難に係る保険金230百万円の入金が翌期にずれ込んだことも、当期業績の押し下げ要因となっています。
その結果、当期の業績は営業収益4,243百万円、営業利益1,205百万円、経常利益607百万円、当期純利益606百万円となりました。一方で、1口当たり分配金は2,000円を維持しており、安定した投資主還元を継続しています。新規物件取得による外部成長は見られなかったものの、自己投資口取得による資本効率向上、FIP転換の検討、底地取得協議の進展など、中長期的な資産価値向上に向けた施策を着実に進めた期であったといえます。
