2022年7月15日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が6,000円のところ3,030円で着地しました。
尚、利益超過分配金1,264円が含まれています。
紋別太陽光発電所の取得による外部成長と既存設備の安定運用

2022年5月期は、北海道紋別市の紋別太陽光発電所(パネル出力15.7MW、取得価格6,654百万円)を新規に取得し、資産規模の拡大を進めた期となりました。これにより保有物件数は9物件、合計パネル出力は155.5MWへと増加し、地域分散の面でも北海道エリアの初号案件としてポートフォリオの安定性向上に寄与しています。紋別太陽光発電所は稼働初年度の想定設備利用率11.11%を前提とした発電事業であり、当期の発電量実績は計画4,622MWhに対して4,929MWhと106%を達成しました。
内部成長の面では、既存設備の運営を担うエネクス電力が遠隔監視システムを活用し、O&M業者と連携しながら稼働状況の把握とデータ解析を進めました。PCS不具合や積雪、ケーブル盗難など個別の不具合は散見されたものの、全体の発電量は計画80,023MWhに対して79,219MWhと99%を確保し、賃料安定化スキームの効果も相まって収益への影響は限定的となりました。こうした運営体制により、発電設備の性能維持と収益安定化が継続的に図られています。
コミットメントライン増額と金利固定化による財務基盤強化

財務面では、紋別太陽光発電所の取得資金として三井住友信託銀行から7,000百万円を調達し、当期末の借入金残高は39,629百万円となりました。LTVは57.2%で推移し、財務の健全性を維持しています。さらに、コミットメントラインの借入極度額を従来の3,000百万円から7,000百万円へ増額し、将来の資産取得に向けた機動的な資金調達力を高めました。
金利面では、借入金の固定化を大幅に進め、固定化率を前期末の50%から95%へ引き上げています。固定化後の加重平均利率は1.00%となり、変動金利リスクの低減が進みました。これにより、金利環境の変動が収益に与える影響を抑え、中長期的な安定運営を可能とする財務体制が整備されています。
当期の業績は、営業収益2,784百万円、営業利益1,032百万円、経常利益856百万円、当期純利益855百万円となり、期首予想を大きく上回りました。特に松阪太陽光発電所の発電効率保証に伴う精算金226百万円や紋別太陽光発電所の収益107百万円が寄与し、利益分配金(利益超過分配金を含まない)は1口当たり1,766円となりました。
地域分散と収益安定化が進んだ期
2022年5月期は、北海道エリアの新規取得によりポートフォリオの地域分散が進み、資産規模は63,139百万円へと拡大しました。発電量は全体で計画比99%を確保し、賃料安定化スキームの効果により、出力制御や設備不良の影響を最小限に抑えた運用が実現しています。財務面ではコミットメントラインの増額と金利固定化の進展により、将来の外部成長に向けた資金調達力と財務安定性が強化されました。
こうした取り組みの結果、当期純利益855百万円を確保し、投資口1口当たり分配金は3,030円となりました。営業期間が6か月へと変更された初期の期でありながら、収益基盤の強化と資産成長を両立した期として位置付けられます。今後もスポンサーのパイプラインを活用した外部成長と、エネクス電力による内部運営の高度化を通じて、安定した収益と持続的な成長が期待されます。
