2025年1月15日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,995円のところ2,995円で着地しました。
尚、利益超過分配金1,654円が含まれています。
高崎太陽光発電所A・Bの落雷事故への対応と既存資産の価値向上

2024年11月期のエネクス・インフラ投資法人は、新たな物件取得を実施しておらず、保有資産は12物件、合計設備容量243.4MWを維持しました。一方で、将来の外部成長に向けて、スポンサーが保有する太陽光発電所や水力発電所からなる8物件、合計25.3MWのパイプラインを引き続き確保するとともに、FIP資産や風力発電設備の組み入れを見据えた成長戦略を掲げています。
内部成長の面では、高崎太陽光発電所A・Bで発生した落雷事故への対応が当期を象徴する出来事となりました。高崎太陽光発電所Aは発電量達成率81%、高崎太陽光発電所Bは69%にとどまり、収益面にも影響を及ぼしましたが、運営体制の維持と復旧対応を進めた結果、2024年12月末時点では高崎Aの稼働率が100%、高崎Bも94%まで回復しています。
また、既存設備の価値向上策として、風力発電設備のFIP転換の検討や、太陽光発電所の底地取得による賃借料削減と資産価値向上を進める方針を示しました。さらに、高利回り資産との入れ替えによる収益力向上も中長期的な内部成長施策として位置付けています。
自己投資口取得による投資主価値向上方針の公表

2024年11月期の財務面で最も特徴的だったのは、自己投資口取得による資本効率向上の方針を打ち出したことです。決算後の2025年1月には、上限20,000口、取得総額上限12億円の自己投資口取得および消却を決定しました。これは投資口価格や財務状況、手元資金の状況などを総合的に勘案し、投資主価値の向上を図る目的によるものです。
当期中は新たな借入を行わず、約定返済を進めた結果、借入金残高は57,099百万円まで減少し、LTVは55.9%となりました。また、平均固定化率95%を維持し、安定的な財務基盤を確保しています。さらに、将来の機動的な資金調達に備え、決算後には借入極度額30億円の新たなコミットメントライン契約を締結する方針を決定しました。
サステナビリティ対応については、再生可能エネルギーの普及拡大を通じて持続可能な社会の実現を目指す基本理念のもと、環境・社会・ガバナンスの各分野で継続的な取り組みを実施しました。環境面では再生可能エネルギー発電設備への投資を継続し、社会面ではエネルギーの安定供給や地域社会への貢献、人材活用を推進しました。また、スポンサーによるセイムボート出資や積極的な情報開示などを通じてガバナンス強化にも取り組んでいます。
落雷事故の影響を保険金と好調な松阪太陽光発電所で補完
2024年11月期は、高崎太陽光発電所A・Bの落雷事故という大きな設備トラブルに直面したものの、松阪太陽光発電所が計画を上回る発電実績を示したことに加え、経費削減や保険金収入が収益を下支えしました。その結果、営業収益4,118百万円、営業利益1,173百万円、経常利益724百万円、当期純利益723百万円を計上し、落雷事故による影響を一定程度吸収することに成功しています。
また、1口当たり分配金は2,995円を維持しており、安定的な投資主還元も継続しました。当期は大規模な外部成長こそなかったものの、設備トラブルへの迅速な対応により事業の継続性を確保するとともに、FIP活用や底地取得、自己投資口取得など将来の成長と投資主価値向上に向けた具体的な方向性を示した期であったといえます。
