2026年7月15日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,000円のところ2,185円で着地しました。
尚、利益超過分配金161円が含まれています。
高崎太陽光発電所A・Bの底地取得による資産価値向上と安定運用の継続

2026年5月期のエネクス・インフラ投資法人における外部成長および内部成長の最大のトピックは、高崎太陽光発電所A・Bの底地取得です。2026年3月31日に両発電所の底地を追加取得したことで、将来的な土地利用に関するリスクを低減するとともに、資産価値の向上を図りました。あわせて地代負担の軽減効果も見込まれており、中長期的な収益基盤の強化につながる取り組みとなりました。
当期末時点の保有資産は12物件、合計設備容量243.4MW、評価価値ベースで809億円超のポートフォリオを維持しています。新規物件取得による資産規模拡大はありませんでしたが、既存資産の価値向上を重視した施策が進められました。
内部成長面では、エネクス電力による遠隔監視や保守管理体制のもとで安定運営を継続しました。しかしながら、高崎太陽光発電所Bの設備事故や各地で発生した出力制御、系統停電の影響により、ポートフォリオ全体の発電量は計画比93%にとどまりました。一方で、保険金の受領や迅速な復旧対応により収益への影響を一定程度抑制し、安定した運営体制を維持しています。
リファイナンス実行と健全な財務基盤の維持、再生可能エネルギー普及への貢献

財務面では、2026年3月31日にリファイナンスを実施したことが大きな特徴となりました。従来積み立てていた貸付弁済積立金の一部を取り崩し、新たなコミットメントライン契約を締結することで機動的な資金調達体制を構築しました。また、借入金の最終返済期限を延長し、借換え時の再調達リスク低減を図るなど、より柔軟で安定した財務運営体制を整備しています。
その結果、2026年5月末時点の借入金残高は516億円、有利子負債比率(LTV)は53.4%となりました。さらに平均固定化率95%を維持し、株式会社日本格付研究所(JCR)から「A」の格付および「安定的」の見通しを取得するなど、財務の健全性が評価されています。
業績面では、営業収益4,189百万円、営業利益1,309百万円、経常利益1,068百万円、当期純利益1,114百万円を計上しました。高崎太陽光発電所関連の保険金収入や資産除去債務戻入益の計上などが寄与し、当期純利益は予想を上回る着地となっています。
サステナビリティ面では、再生可能エネルギーへの投資を通じて地球環境への貢献と持続可能な社会の実現を目指す方針を継続しました。保有する太陽光発電所や風力発電所の安定運営を通じてクリーンエネルギーの供給を支えるとともに、地域環境の保全、省エネルギー推進、ダイバーシティ推進、積極的な情報開示などESG施策にも取り組んでいます。
底地取得と財務基盤強化を通じて中長期成長への準備を進めた期
2026年5月期のエネクス・インフラ投資法人は、大型の新規物件取得による拡大局面ではなく、既存資産の競争力向上と財務基盤の強化に重点を置いた期であったといえます。特に高崎太陽光発電所A・Bの底地取得は、資産価値向上と将来的な収益安定化の双方に資する重要な施策でした。
また、リファイナンスによる借入期間の長期化やコミットメントラインの拡充によって、将来の資産取得や成長投資に向けた余力も確保しました。発電量は設備事故や出力制御の影響を受けたものの、保険金収入などによって業績は堅調に推移しており、安定した分配を実現しています。今後はスポンサーのパイプラインや外部ソーシングを活用した新規投資の機会を模索しながら、既存資産の運営力向上と持続的な成長を目指す姿勢が鮮明となった決算期でした。
