2025年12月17日にKDX不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,930円のところ4,045円で着地しました。
資産入替によるポートフォリオの新陳代謝」と「多様な内部成長ドライバーの強化

2025年10月期は、キャッシュフロー成長に資するアセットの取得に注力しつつ、選択的な資産入替を継続しています。商業施設「いなげや新ゆりヨネッティー王禅寺前店」と宿泊施設「ホテルJALシティ名古屋錦」を取得し、CF成長が期待できる宿泊施設や大型商業施設へのシフトを進めました。
一方で、オフィスビル「KDX東品川ビル」、居住用施設「レオパレスFlat新栄」、商業施設「COMBOX光明池」「コナミスポーツクラブ渋谷」の4物件を譲渡し、累計600億円超の資産取得・譲渡を通じてポートフォリオの新陳代謝と含み益の顕在化を図っています。
さらに、期末後には物流施設「KDXロジスティクス昭島Ⅰ」と商業施設「イーアス高尾」の取得契約を締結し、AUM1兆5,000億円に向けた外部成長のパイプラインを確保しています。
内部成長面では、オフィス・住宅・宿泊を中心に賃料増額ペースが加速しています。テナント入替・更新時の月額賃料増額は、オフィスビルで+10.1百万円、居住用施設で+14.4百万円、宿泊施設で+18.7百万円となり、ポートフォリオ全体では月額賃料+42.5百万円、DPUインパクト+63円/期を実現しています。
オフィスではマーケット賃料の上昇を背景にレントギャップが拡大し、入替・更新時の賃料増額率が二桁台で推移、居住用施設では東京経済圏・ファミリータイプを中心に新規・更新賃料の増額率が上昇しています。
宿泊施設では、変動賃料型ホテルの稼働率・ADR・RevPARが好調に推移し、変動賃料収入は年平均で+76.6%増加する見通しとされています。新大阪江坂東急REIホテル、沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわんに加え、GOP連動型の「ホテルJALシティ名古屋錦」を新規取得し、マネジメントコントラクト形態を導入することで、GOPのアップサイドを賃料収益として享受する構造を整えています。2025年10月期の業績は、営業収益39,877百万円、営業利益19,753百万円、経常利益16,976百万円、当期純利益16,976百万円となりました。
金利上昇局面でのコストコントロールと長期固定化の維持

財務面では、金利上昇による借入コスト増加を前提に、長期・固定金利を基本としつつ、当面は短期・変動金利を適度に織り交ぜてコストコントロールを行う方針です。長期負債比率は98.0%、長期固定化負債比率は92.9%と高水準を維持しながらLTVは45.1%と、原則45%程度を目途とする保守的なレンジで運営しています。
総資産LTVについては上限目安49%を掲げ、総資産LTVに加えて時価LTVにも配慮したコントロールを実施し、資産価値向上に応じた機動的なレバレッジ活用を通じてAUM拡大を目指しています。総資産LTV49%まで引き上げた場合の借入余力は約800億円と試算されており、スポンサー物件を中心とした約1,000億円のパイプラインと合わせて、外部成長の財務基盤を整えています。2025年10月末時点で取得している格付けは以下の通りです。
・日本格付研究所(JCR)、発行体格付:AA、格付の見通し:(安定的)
サステナビリティについては、短信の内部成長戦略において「積極的な環境対応」を掲げており、物件競争力の維持・向上策やリーシングマネジメントと合わせて、環境面への配慮を運用プロセスに組み込む方針が示されています。
また、戦略的なバリューアップ工事では、テナント目線のリニューアルや築古物件のアップサイド創出を通じて、テナント満足度向上とリーシング期間の短縮、退去リスクの低減を図っており、中長期的なNOI最大化と環境・社会面の両立を意識したアクティブ運用が行われています。
